見出し画像

お盆の団子、祖母との思い出(地域ごとの多彩な文化の話)

 お盆に帰省しなかったのは、かなり久しぶりでした。そして、今住んでいる街にお盆の時期にいるのは初めてです。

 夕方、窓の外から聞き慣れない音が聞こえました。それで見てみると、お盆の行事でした。この地域の独自の風習だと思います。文化は本当に多様で、その多様さこそ素晴らしいと思います。地域の人にとってはありきたりでも、それぞれがとても大きな意味を持つと思います。

 今日は、お盆の団子と、優しかった祖母との思い出についての話です。ヘッダーは祖母の初盆のときの団子の写真です。

 私の実家では、お盆に団子を葉っぱに包んでお供えします。葉っぱは数日前に取っておいてしおれさせます。

お盆の団子1

 団子を包む前に葉っぱを水につけておき、米粉の団子を包みます。

お盆の団子2

 団子を包んだら、上の方を結びます。

お盆の団子3

 包み終えたら、団子を煮ます。

お盆の団子4

 しばらく煮たら、鍋から取り出して、お盆の団子のできあがりです。 

初盆

 できあがった団子は、葉っぱの茎の部分を上で結んで、棒に引っかけます(お中元が一升瓶の焼酎のことが多く、毎年ここにかけていました)。結んで棒に引っかけておくことには理由があります。まだ祖母が元気だった頃、私が団子のことをたずねると、教えてくれました。

「これはね、お盆に帰ってきているご先祖様が、帰るときに持っていくんだよ。だから持ちやすいように結んであるよ。」(祖母の方言を標準語に訳した言葉)

 それから私は、この団子のことを大切に思うようになり、祖母が亡くなってからも、母と一緒に作るようになりました。はじめは包んで結ぶ方法がうまくできませんでしたが、数年前に近所のおばあちゃんに教えてもらったので、今は上手にできます。

 今年の団子も、私は帰れませんでしたが、母が作ってくれました。私がこだわりを持っていたので、「今年もちゃんと作ったからね」と写真を送ってくれました(この記事の写真は数年前のものです)。今夜はきっと、祖母や祖父たちが持って帰り、帰り道に空腹で困ることもないだろうと、安心しています。なお、翌朝には仏壇の前からいただいてきて、私たちが砂糖をつけて食べていました。

 祖父母が元気だった頃、もっと色々な話を聞いておきたかったなあと思います。もし昔のことを知っているご家族がいらっしゃる方は、色々なことを教えてもらってください。

 新しく生まれる文化も大好きですが、昔からある文化も、ずっと大切にしていきたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?