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内向的で悩んでいる人は「内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える」で価値観を変えませんか。

スーザン・ケインさんの書いた「内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える」を読んだのは、ちょうど去年の今頃だったでしょうか。

この本をお薦めしたいのはこんな人たちです。
①自分が内向型であることに苦しんでいるあるいは否定的になっている内向型人間
②内向型の子どもを持ち、子育てに悩んでいる親(あるいはそういう生徒を持つ先生や指導者、上司など)
③周りの人たちにも外向型であることを求めがちになっている外向型人間

本書では、内向型人間とはいったいどういう性質を持つ人たちなのか、またそれが外向型を重視する学校あるいは社会でどういった問題に直面しているのかを、具体的な事例や様々な研究結果を示しながら丁寧に書き記してくれています。内向型人間にとっては共感できる話が非常に多いと思います。
そして、内向型の持つ特性をどのように生かすことができるのか、外向型のような振る舞いを求められる場面にどう対処していったらいいのか、内向型人間の生き方のヒントが詰まっています。また現在の学校教育の問題点も指摘し、ある種の教育論的なところにまで触れています。
外向型と内向型がそれぞれの特性を理解し、互いに補完しあえる関係を築く一助となるのではないかと思います。

さて、私は、外向型-内向型の診断テストを受けると、30項目の質問のうち25項目前後が内向型寄りの回答で、いわゆる内向型人間です。私自身、幼いころからその自覚がありましたので(内向型という言葉は知らなくても、その時々によって内気、引っ込み思案、人見知り、根暗などそれに近いニュアンスの表現で自覚的でした)、これまでにも内向型に関する書籍は何冊か読んでいましたが、なかでもこの書籍は私に一番しっくりきました。


外向型人間からするとどのように見えるかわかりませんが、少なくとも内向型人間の私から見れば、社会は外向型人間向けに成り立っていると強く感じます。学校で、職場で、部活やクラブで、飲み会で、ありとあらゆる場で外向的な立ち回りができる人たちが評価され、重要視されます。運動部の中心的なメンバーが「体育会系」という言葉でくくられながら社会で重宝されたのは、その外向的な振る舞いによるところが大きいと思います。場を盛り上げられる芸達者が見事に周囲との関係を構築していく一方で、他人との明るいコミュニケーションが苦手な人たちは、時には「空気が読めない」とか、ここ何年かでは「コミュ障」とか、実にポップでカジュアルな言葉をもってネガティブな印象を与えられ続けています。
さらにたちが悪いのは、できる人はできることを努力の成果と言い、できない人のことをコミュニケーションに関する努力をしてこなかった、と本人の怠慢によるものとすることです。コミュニケーションはある程度は型の部分もあると思いますので、まったくおかしなことを言っているわけではないのかもしれませんが、そもそもの人の持つ特質・特性・気質を抜きに断罪するのは片手落ちと言わざるを得ないのではないかと思います。

と、似たような思いで生きづらさを感じている人は存外多いのではないかと感じています。それに苦しんでいる人には、ぜひ一度本書を読んでほしいと思います。
また、近くに内向型で思い悩んでいる家族や仲間がいる人にも手に取ってもらい、内向型についての理解を深めることをお勧めします。本人だけではなかなか解決できる悩みではないのです。

私はこの思考から一歩抜け出て、割り切って生きようと踏ん切りをつけられたので、今でこそ外向型主義の社会にあってもあまり気にしないでいられるし、あまりにその傾向がひどい集団や組織に居続けることはなく(もちろん関わらざるを得ない場合もありますが)、自分が身を置く場所は理解のあるところを選択します。
私は逃げ出すことを肯定します。


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自分の真意を相手にベラベラと伝えるだけが友情の行為ではないということさ。それがわたしの提唱する真・友情パワーだ…(キン肉アタル)