オタクが”V”にハマるわけないだろ
※注意 Vtuber要素はありません。
この記事にて取り上げる”V”とは、いわゆる「バーチャルYoutuber」のことではなく、「ヴィジュアル系バンド」のことを指します!!!
釣られたやつ、m9(^Д^)プギャー!!!!!!
…すみません。一度、「釣り記事三平(意味不明)」をやってみたかっただけなんです。悪気はなかったんです。すみません許してください、何でもしますから!(呪文詠唱)
「 戻 る ボ タ ン 」連 打 不 可 避
・そもそもヴィジュアル系バンドってなに?
フリー百科事典ウィキペディア先生の説明助かる~
近年、「V系バンド」と略すと「何それVtuver系バンド?」などと勘違いする輩が増えるくらいには(?)、ヴィジュアル系の衰退が叫ばれて久しい今日この頃。
…ここに一人、”ヴィジュアル系”への熱を沸々と再熱させている男がいた!
ーーーーそう、何を隠そうこの”私”である(誰だよ)
しかし待ってくれ、彼は”オタク”なんだ…オタクがヴィジュアル系にハマる訳がないだろう?💀ワイトもそう思います💀
何故、彼は「ヴィジュアル系」へと傾倒していったのか?
この謎を解明すべく、我々はアマゾンの奥地へと向かったよ()
・オタクが”V”にハマったわけ
え~、私は「エロゲ豚」で「女児アニ民」の「淫夢厨」という、多分日本で上から114514番目くらいにはキモいオタクかな~と自認しているわけなのでありますが、そんなオタクである自分がヴィジュアル系にハマるきっかけとなったアニメがあります!それがこちら、ご存知「遊☆戯☆王」シリーズ!
私の直撃世代としては遊戯王5D's~ZEXALあたりで、小中にかけてリアルでも遊戯王オフィシャルカードゲームで遊んでいた(周りはデュエマの方が流行ってたけど)。
さて、お気づきの方も多いと思うがこの二作品、ED曲のヴィジュアル系バンド比率が高いのである。ちょっと調べてきたのでざっと並べてみると、
遊☆戯☆王5D's ED
アリス九號.「CROSS GAME」
vistrip「‐OZONE‐」
ALvino 「Close to you」
Plastic Tree 「みらいいろ」
遊☆戯☆王ZEXAL ED
ゴールデンボンバー「僕クエスト」
DaizyStripper「切望のフリージア」
vistrip「アーティスト」
…中々錚々たる顔ぶれではないか?vistrip、Plastic Tree、ゴールデンボンバーなんかは今なお精力的に活動を続けているし…
よく聞いていたのは「CROSS GAME」「‐OZONE‐」「みらいいろ」「僕クエスト」「切望のフリージア」あたり
特に、「みらいいろ」は5D's終盤の盛り上がりも相まってかなり印象に残っている。
…ていうか、遊戯王のキャラクターってみんな見た目ヴィジュアル系っぽくね?マイク持つともうそれにしか見えない↓↓↓
なるほど~、こうして音楽と視覚の両面から、遊戯王にヴィジュアル系入門の下地を整えられていったのね、私…
・オタクが”V”に本格的にハマったわけ
さて、今度は高校時代に入ると、私は本格的にV系バンドにハマることとなる。それが「デスボイスのやべーやつ」でお馴染み、「NOCTURNAL BLOODLUST」である
私はここで始めて「メタルコア」なるジャンルに触れ、
「なんだこのスーパーウルトラハイパーミラクルエキセントリックワンダーマイティアルティメット超ベリベリビッゲスなんだかすっごくやっばいくらいに重いサウンド!?(驚愕)」とマジで衝撃を受けた…
デスボイスヤバすぎでしょwww
ボーカルの尋に憧れて自分もデスボイス練習してた記憶があるけど、僕は未だに吸いのデスボイスしかできません(半ギレ)
楽曲のなかでも一番気に入っていたのは、やっぱり「V.I.P」
中盤のデスボパート最高~!!!
Cazquiがいた頃のサウンドって、純粋なメタルコアには無い「チャラ恰好よさ」があったというか、如何にも「V系」らしい要素が音に加えられていたように感じられて好きだったな~
あ、そうだ(唐突)
最近「にじさんじ」所属のバーチャル系Youtuber「加賀美ハヤト × Ike Eveland × Finana Ryugu」の御三方によるノクブラ「T.Y.R.A.N.T」カバーが200万再生突破したらしいですよ!めでて~な~!
(…よし!Vtuber要素出せたのでタイトル詐欺回避できたな!)
こうしてヴィジュアル系に本格的にハマっていった私は、その後「DIR EN GREY」だったり、「DEXCORE」「DEVIROOF」「JILUKA」(D×D×Jって今のV系メタルコア入門三点セット感あるよね!)、「真天地開闢集団ジグザグ」や「DEZERT」など、ちょくちょくV系に手を出していった。
そして今、私が過去最高レベルでハマっているヴィジュアル系バンドが存在している…!!!
・オタクが一番ハマった”V”
私が過去一番ハマったヴィジュアル系バンド、それが「キズ」である!!!
彼らの生み出すサウンドは、”攻撃力に全振り”といった感じで、ただただその迫力に圧倒される。ボーカルの来夢が紡ぐ歌詞は、まるでナイフの様にこちらの心をズタズタに切り裂いていき、決して消えることのない”キズ”を残していく。まさに聞くリストカット。これがもう、うちのメンヘラ魂にはたまらないねんな~(女の子になっちゃう!)
彼らの出した一番最初のシングル、そのタイトルは「おしまい」
もうこの時点でこのバンドは勝っていると思う。始まりからして終わっている。いつ解散してもエモい。ていうか、なんならもう今すぐにでも解散しないかな~とか私は思っている(アンチじゃないよ!ホントだよ!)。
とりあえず聞いてもらった方がてっとり早いので、おすすめの曲を挙げていく!!!
1.「リトルガールは病んでいる。」
一番最初に聞いたキズの楽曲。なんかボカロみたいな曲名だし、「メンヘラ少女の心情を歌った曲なのかな~」とか思いながら聞いてみたら、あまりにも凄まじい曲で度肝をぶち抜かれた…
多分、dir en grayの「VINUSHKA」を初めて聞いた時以来の衝撃。まず、あまりにも歌詞と歌い方が攻撃的過ぎる。ラルクのhydeを更に癖強くしたような感じで、それを魂の叫びかと言わんばかりに歌い上げる。そして歌詞。「2アウト目の後なしのイエロー」という歌詞から始まり、怒涛の勢いで不穏なワードが次々と連発され、「戦争」のイメージが強く喚起される。後から気づいたのだが、どうやらこの曲は「反戦歌」として作られたものらしい。反戦歌というにはあまりにも攻撃的で、聞いている側としてはただただ圧倒されるばかりだった。作詞作曲の来夢さんは、「対比」をよく使い、歌詞のワンフレーズの中に正反対の意味の言葉を収めることで、聞く者の心を正負両面に揺さぶりにかかるイメージが私の中にはある。
「2アウト目の後なしのイエロー」というワンフレーズの中にも、しっかりと韻(ライム)を踏みながら、「2アウト=野球」と「イエロー=サッカー」という対比(しかもどちらも追い込まれている)だけでなく、「2アウト=第二次世界大戦」と「イエロー=日本人」という戦争を連想させるイメージまで含ませるという、相当レベルの高いことをやっていると思う。
こういう”コノテーション”(※バルトエアプなので「言外のイメージ」的な意味合いで使用しています)同士を繋げていく文章って、自分の理想とする文章の一つではあるので、マジで来夢さんにはリスペクトの念を抱きます。
2.「地獄」
こっちはギターのサウンドが攻撃的過ぎる~
それでいてどこか歌謡曲っぽい、化粧も含めて”和”のイメージで統一されている(来夢さんのインタビューで、クラシックの影響を受けているけど、曲には歌謡曲のメロディも取り入れている~的なことを言っていた記憶がある)。コロナ禍に作られた楽曲というだけあって、MV中にも防護服や飛沫感染防止シート、ワクチンやウイルスのイメージが差し込まれている。コロナ禍故の閉塞感を彷彿とさせるが、自分はどちらかというと”閉塞感”のイメージは、次に紹介する楽曲「平成」の方に強く感じる。この楽曲のイメージは、やはり”東京という地獄に巣を張る蜘蛛”だろうか。MVの最後で、地獄の炎の柱(なにこれ焦熱地獄?)が東京タワーと重なり、そして東京の街に巣を張る蜘蛛の姿が描かれてMVは終了する。まるで地獄の炎に飛び込む夏の虫を待つかのように。東京タワーという誘蛾灯に惹き寄せられる獲物を狙うかのように。それでいて、歌詞は「蜘蛛の糸」から落ちてくる命たちを責めはしない。むしろどこか優しささえ感じられる。「飾り生きる極楽蝶の羽」で、この地獄は彩られるのだから…
来夢さんは”東京”に相当複雑なイメージを持っているのでしょう。
なにせ「東京」という名前の楽曲もあるくらいですから…
3.「平成」
なんだろう、一緒に死んでもらっていいですか?(感受性強め)
「失われた三十年」という言葉に代表されるように、とにかく”平成”は閉塞感で窒息しそうな時代だった。令和になると、そろそろ「君の吸う酸素の予備」も無くなってきて、いよいよみんなが殺気立ってきた。…僕はそんなことでみんなと争いたくはないんだ、ホントは。
…だから、僕と”一緒に死んでくれますか?”
それが一番、綺麗な”おしまい”だと思うから…
う~んエモいな~、エモエモ。どうしてこう「心中」ってこんなにもエモいんだろうか?
そこに男女の死体が二つある。それを見て僕らは死体オナニーをはじめるんだ…一体なぜ二人は死んでしまったんだろう?二人で死に至るまでどんな物語があったんだろう?誰しも人生一度は「死ぬほどの恋をしてみたい」なんて言うが、これが文字通りの「死ぬほどの恋」の帰結なのだろうか?
…あ~、妄想するだけで”屹立”が止まらないよ!どんなに悲しい物語があったのだろう、どれほど苦しい葛藤があったのだろう!
「物語に必要なのは、悲劇と涙だけなのだから」と誰かが言ったが、それは本当だぜ。
…なんか楽曲のこと語らずキモいポエム垂れ流しているけど、この曲はとにかくドラムの音が凄かった。もうマシンガン連射だよこれ…
「一緒に死のうよ」というフレーズが繰り返されることで、「一緒に生きたい」というイメージが対比的に強調される。…でも一緒には生きられないんだなあ、これが。
ああああああ心が両方向に引き裂かれる”!!!対比対比対比最高”~!!!
さて、これで貴方にも”キズ”の魅力が少しは伝わってくれただろうか?
彼らの曲は全て日本語の歌詞で構成されている。僕はここが一番ポイントだと思っていて、そりゃあ英語の歌詞もカッコいいけども、やっぱりヴィジュアル系の世界観を構成するためには日本語が欠かせないと思う。
V系に詳しいえいちびぃ@HyBrid_writer-絵と詩と音楽が好き-氏も「V系は歌詞がポイントだ!(意訳)」的なこと言っていたし…↓↓↓
最後に、ではそもそも「ヴィジュアル系」とは一体何なのか、少し考えをまとめてみたい
・”V”っていったいなんだんだ?
最後に、ここで改めて”ヴィジュアル系”という言葉の意味を考えてみようと思う。まず、この”ヴィジュアル系”とは、音楽ジャンルを指し示す言葉ではない。ヴィジュアル系といえば、「暗い曲調」や「激しい曲調」の音楽をイメージされるかもしれないが、それらの共通項はヴィジュアル系の源流の一つとなっているメタルに由来するものであって、決してヴィジュアル系特有のものではない。そもそも現代のヴィジュアル系バンドには、メタルだけでなくポップ(キラキラ系のことだ)や、なんならヒップホップだって普通に存在する。多種多様な音楽ジャンルがV系界隈には混在しており、もはやジャンルで区切ることそのものが困難な状況だ。
では、”化粧”をする音楽集団を指してビジュアル系というのだろうか?
…確かに、そのきらいはある。派手なメイクをしていれば取り敢えず”ヴィジュアル系”と、実際にそうしたイメージが世間一般にも広く浸透しているだろう。では一体何故、彼らは”化粧”をするのだろうか?この疑問には、N.u.B氏が残したnoteが答えてくれそうだ。
私はN.u.B氏の提示する「ヴィジュアル系」の定義に全面的に共感する。そして、彼らが”化粧”をするのは、それが楽曲の世界観へと身も心も捧げる、殉教者然足らんとする彼らの覚悟の現れだと私は受け取りたい。
N.u.B氏が提示する、「"枠に囚われない"という在り方こそが「芸術」に対して、より純粋な思想であり、"枠に囚われる"ことこそが「芸術」として、ナンセンス」という芸術観は、どちらかというと現代アート寄りという印象を受けた。ミーメーシスではなくダダイズム。ヴィジュアル系の始祖であるXJAPAのYOSHIKIが「他のバンドと同じ事をやりたくない」と述べたように、ヴィジュアル系の根っこの部分には、「既存の価値観からの逸脱」という精神があり、それが今なお受け継がれているのだとすれば、この「ヴィジュアル系」という存在は、本質的にその裡に絶えず矛盾を抱えた存在だと捉えられる。なぜならば、「ヴィジュアル系」という言葉に括られた時点で、それは既存の価値体系に組み込まれる他ないからである。故に、彼らは常に「価値観の板挟み」にもがき続けなければならない。その様は、やはり現代アートと通じるものがあるように私は感じる。「現代アートをどう解釈するか?」という問いは、そのまま「ヴィジュアル系をどう解釈するか?」にも接続できるように思う。無理矢理にでも既存の価値観的枠組みの中で捉えようとするも自由、完全に既存の価値観を逸脱した未知の存在様態として捉えるも自由。この”自由”こそが現代アート≒ヴィジュアル系が立たされいる実存の淵。それと同時に、自由であるが故に歴史を持たぬ彼らは、常に美の問いかけに新たな哲学を以て答えなければ、ただ新奇なだけのオブジェでしかなくなってしまう。自由と歴史の狭間で、常に自己の存在が揺らぐもの、それこそが現代アート≒ヴィジュアル系なのだと私は思う。
↑ない頭で精一杯レトリックをこねくり回して作った文章
私はこうしたヴィジュアル系の抱える矛盾というものを愛おしく思います(だって私自身が矛盾まみれの人間だから。自分大好き!)。
N.u.B氏が述べた”総合芸術”という部分にも、私は惹かれるものがあります。私の一番の趣味は”ヴィジュアル”ノベルを遊ぶことで、これも絵と音楽と文字が織りなす総合芸術と呼べるでしょう。
…つまりヴィジュアルノベル好きな奴はヴィジュアル系にハマる適性がある…てコト!?
全エロゲーマーに告ぐ、今すぐヴィジュアル系を聞けえええええ!!!
おしまい
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