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【第3弾 ファン層の事実】LONDONストリートアート界を牽引する日本女子SAKI&Bitches

日本ではグラフィティアートと呼ばれる文字を崩したような絵を見かけたりすることがありますが、規制が厳しかったり、描く場所があまりないことから、ニューヨークやロンドンほどストリートアートやグラフィティアートが発展していないのが事実。

もちろんロンドンやニューヨークでも壁へとペイントは違法ではあるものの、クオリティの高いものも多く、ビルのオーナーたちもそれを落書きではなくアートとして認識し、アーティストたちに対してシャッターや壁に絵をかいていいよと許可をくれることもかなり多くなってきているそう。もちろんビルの壁やシャッターの壁に絵をかいたりすることが仕事となる場合もあります。

ストリートアーティストは夜中にこっそり壁にスプレーで絵を描くものだと思っていたわたしは、たまに見かける白昼堂々と壁に絵を描いている人たちがいる理由をSAKIさんの話でようやく理解できたのです。

さて、今回はそんなストリートアーティストたちのファン層の事実に迫っていきますよ!

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写真を撮ることに
命を懸けるファン

この記事を読んでくださっている中にも世界のストリートアートの写真を眺めたりするのが好きだという人たちも多くいるでしょう。ただ、「そのアーティストの作品を自分の部屋に飾りたい」とまで考える人はどれくらいいますか?

作品を買って部屋の中に置くことはしないけど、眺めるのは超絶好き。これが一つのファン層なのです。

第2弾の時にもちらっとお話ししましたが、SAKIさんの作品を写真に収め、ストリートアーティストの作品としてウェブサイトに写真をアップしていたおじさん。こういったファン層がたっくさんいるんです。

アーティストたちの最新の作品をいち早く写真に収め、世界中の人たちに共有することを楽しんでいるファン層です。彼らは新人アーティストの発掘にも力を入れていて、SAKIさん曰く、アーティストたちよりもストリートアート界の情報に詳しいそうな。例えば、「どのアーティストがどこどこに新しい絵を描いていた」といった情報などなど、とにかく仕入れるのが早いとのこと。

彼らは絵を買うことはないけれど、宣伝活動を行ってくれる重要なファン層でもあるとSAKIさんは話してくれました。確かに!インスタグラムに写真をアップするときにも世界中の人たちが検索する「#londonstreetart」「#streetart」などのハッシュタグをつけ、さらにはアーティストのアカウントもタグ付けしてくれるわけですから。

ちなみに現在東ロンドンでは観光客向けに「ストリートアートツアー」なる、2時間ほどのウォーキングツアーが爆発的な人気を誇っていて、「作品は買わないけどストリートアーティストが好きすぎて情報の宝庫化しているファン層」の人たちがツアーガイドとなり町を練る歩きながらアーティストの説明をしていくのです。

昼間、SAKIさんが壁に絵を描いているときにもしばしばこのツアー陣が回ってくることもあり、そんなときには顔を見られたくないのと作業に集中できないこともあるので「ドロン」することもあるそうですが、このツアーのおかげでオーストラリアから旅行にやってきていた家族が絵を買いにアトリエまで足を運んでくれたこともあると教えてくれました。

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絵を自宅に飾りたいファン

実際に気に入ったアーティストたちの絵を自宅に飾るため、絵を購入するファン層です。絵を購入するパターンにもいくつか種類があって2つに分けて説明しますね。

◆個展や合同展にて

アーティストたちの絵は大量生産ではなく、制作に時間もかかっているため安くはありません。しかし個展や合同展に足を運んでくれた人たちの中には作品を購入するためにやってきてくれている人も多くいるわけです。

初めてSAKIさんがロンドンで個展を開催したとき、ある衝撃的な出来事が起こります。ふらっと個展の会場に一人の男性が訪れた時のこと。この男性はSAKIさんに「絵は購入できますか?」と聞いてきたそうで、SAKIさんが「もちろんです」と答えた瞬間…

じゃあ、これとあれとそれと!

と、たくさんの絵を指さしたくさんの作品を購入してくれたのです。「大きな絵は売れないかな」と思って値段設定を実はちゃんと考えていなかったというSAKIさんは、このときびっくりして購入金額を計算するのにパニックになってしまったと話してくれました。

それからというもの、ちゃんと値段設定を考えぱっと答えられるように練習しているそうな!

さらに最近は展覧会のときに作品の下書きなども販売するようになったというSAKIさん。ある時、ファンの人たちに下書きなどを展覧会で公開していたときに「これを買うことはできますか?」と聞かれ、「下書きは売り物ではない」という考えを覆されたのだといいます。

◆個別注文

ソーシャルメディアやSAKIさんのウェブサイトを通じてコンタクトをとってきてくれたクライアントさんの要望を聞きながら作品を制作していくことも多くあります。SAKIさんの絵は「ヌードの女の子」をモチーフにした絵となるため、目や肌、髪の毛の色、ポーズ、衣服の着用の有無など話し合って決めていくそうです。

ある一人のクライアントさんからは、普段はヌードの女の子の絵として飾りたいけど、お母さんが家に遊びに来ることもあり、裸の女の子だとちょっと気まずいので、裏返したら服を着ている女の子の絵になるような作品をとお願いされたこともあるといったエピソードも。

このような形でファン層は大きく2つの分かれているのです。

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日本との違い

ファン層の話をしているときにふと、ロンドンの方が日本よりもこういったアーティストの絵を買うことにみんなそこまで抵抗がないなと思ったんです。ロンドンのマーケットで日本円で約5000円くらいする絵を買うことにそこまで躊躇することはないないけど、日本で雑貨屋さんで5000円する絵を買うとなると躊躇してしていたなあと思い出していたところSAKIさんがそれに対する「なるほど!」な答えをくれました。それは・・・・・・

日本のありふれるキャラクターものがどれも完璧すぎるから

ご当地キャラクターだったり、ロフトなんかに並んでいるキャラクターものの雑貨とかって安いのに可愛くて高品質なパーフェクトな商品が揃っているんですね。そういうのに慣れた生活をしていると、一つの絵に5000円払うということがとても難しくなってくるのではないかと。

確かにそれは理由の一つに間違いなく入っているなと納得したChioriなのでした。

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ということで【第3弾 ファン層の事実】LONDONストリートアート界を牽引する日本女子SAKI&Bitchesはこれにて終了です。

次回はストリートアーティスト同士の関係性だったり、絵をかくときのテーマ設定だったりとかそういった「舞台裏」に迫ります。

それでは!

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