見出し画像

This is “日本のガウディ” その名は梵寿綱(ぼん じゅこう)Part1 【東京・早稲田】

どうも!
「珍スポの達人」、略して「ちんたつ」です。
“未完の傑作”サグラダ・ファミリアを手がけたスペインの建築家アントニ・ガウディは有名だと思いますが、“日本のガウディ”の異名を持つ建築家がいることをご存知でしょうか? 

その人の名は梵寿綱(ぼん じゅこう)といいます。
1934年生まれ。1956年に早稲田大学理工学部建築学科を卒業。シカゴで絵画、彫刻、工芸などを学んで帰国後、1974年から梵寿綱を名乗ります。名前の由来はヒンドゥー教の奥義書「ウパニシャッド」の「梵我一如(ぼんがいちにょ)」という思想と、養父の戒名「寿綱」を掛け合わせたもの。本名は田中俊郎。

ファンタジックでありサイケデリックなその建築は、まさに百聞は一見にしかず。一度見たら忘れられない強烈なインパクトを残します。
ということで、さっそくご紹介したいと思います!

今回ご紹介するのは、梵寿綱の代表作「ドラード和世陀」。
見てください、この外観!

ドラード和世陀

1983年に竣工されたドラード和世陀は、1階にはギャラリーやアンティークショップ、床屋が入居していますが、その上は普通に賃貸マンションです。
「うちに遊びにおいでよ」と言って女の子を呼んだら「ラブホに連れ込むんじゃねー!」ってビンタされそうですね(笑)。

外壁の装飾は梵寿綱と芸術家の奥様の手によるもので、その他エントランスやオブジェなどで15名ほどの芸術家が携わったそうです。
まずは外壁を見ていきましょう。

梵寿綱による彫刻。夜中に見たら怖そう…!
和柄で、女性の手による繊細さを感じます
草間彌生感がある右側のタイル
ウロコ形の装飾の中に、色とりどりのタイルが埋め込まれた外壁

ほかにも、植物のオブジェや鬼の顔など、アバンギャルドな装飾物がたくさんあります。続いて、エントランスを見てみましょう。

エル・ドラード(理想郷)がある世界を想って付けられたそう
ここがエントランス。インパクトありすぎ…!

まるで魔女が「イーヒッヒッヒ」と言ってるみたいですね。
床の大理石モザイクは当時イタリアで修行していた上哲男の作品です。写真だと伝わりにくいかもしれませんが、鼻のあたりなど凹凸があり、
酔っ払って帰ると躓いてしまいそうです。

そして、鉄製の扉を開けてロビーに入ると真っ先に目に飛び込んでくるのがこちら↓

突然現れる手のオブジェ

天井からぶら下がった手のオブジェです。知らないとかなりドキッとしますが、実はこれ、椅子なんです。座る人いるのかな……。多摩美術大学名誉教授の彫刻家・竹田光幸の作品です。

天井は蓮の花のステンドグラス
おしゃれ照明と古代の洞窟壁画のような壁

ということで、「ドラード和世陀」を紹介しました。
これだけ個性が爆発しているため、築40年になろうとする現在でもまったく色褪せません。空きが出るとすぐに埋まってしまう人気物件です。

次回は、京王線の代田橋にある梵寿綱建築2つを取り上げます。
それではまたお会いしましょう。

よかったら動画もご覧ください!

・訪問スポット:ドラード和世陀
・住所:東京都新宿区早稲田鶴巻町517
・アクセス:
 東京メトロ東西線「早稲田駅」より徒歩5分
 都電荒川線「早稲田駅」より徒歩5分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?