見出し画像

書くことがない人へ。文章テーマを見つける”秘伝のワザ”

「文章を書きたいけど、何を書けばいいか・・・」

先日、文章を書く仕事をしてみたいという方に
「noteで書く練習をしてみるのはどう?」と言ってみたところ
そのような返答がありました。

ああ、わかるなぁ。
私は瞬時に思いました。

私もずっとnoteで書きたいと思っていたのに、
何を書けばいいのか分からず、悶々と過ごす期間があったからです。
(その時のことは、この記事に詳しく書いています)

「好きなことを書けばいいんだよ」とよく言われたりもします。

でも、私の好きなことってなんだっけ?
そもそも私の好きなことを書いて、誰が読んでくれる?

面白いエピソードは思い浮かばないし、みんながアッと驚く特別な経験もない。秀でた才能もない。

そう考え始めると堂々巡りで、何も書けなくなってしまいますよね。
すごく、わかります。

でもnoteで書き続けてみると、イマイチだと思っていた記事に思いもよらぬ反応があり、それがきっかけで、次のテーマを書いてみようと思えることがありました。

今回は何か書きたいけれど何を書けばいいか迷ってしまう方へ、私なりの文章テーマの見つけ方をご紹介してみようと思います。

文章を書くひとつのきっかけになれたら、嬉しく思います。

その失敗、文章では「宝」です

私が最初に文章のテーマで悩んだのは、「ほぼ日の塾」という「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰の文章講座に通っていた時のことです。
最終課題は「自分の好きなテーマで自由にエッセイを書く」でした。

好きなテーマ。自由・・・。
何を書けばいいか分からない私にとって、これは高いハードルでした(笑)

私は最初、中国人の義母のつくる料理に衝撃を受けたことを紹介したくて、中華料理にまつわることを調べ、書いてみようかなぁと考えていました。

ですがその構想を「ほぼ日」の編集者さんに話してみたところ、ちょっと反応はイマイチ。

う〜んどうしよう。
代案として、ずっと頭からこびりついて取れなかったある思い出を、とっさに編集の方に話しました。

義母と喧嘩し、泣かせたエピソードです。

すると私が話し終わる間も無く、編集の方が「それは面白い!」と言ってくれました。えっ、私が泣かせた話なのに?性格の悪い嫁だってバレる話なのに?(笑)

こんな醜態を「ほぼ日」という大きなメディアで晒すのは恥ずかしい!だけどそこまで言われるなら書いてみようかなぁと思って、何日も徹夜して書いたのがこの文章です。

失敗を思い出しながら書くのは、とても辛いものがありました。
しかし公開後、読んでくださった方から感想メールをたくさんいただき、心の底から驚き感動しました。

「泣けました」
「私も自分の気持ちを言おうと思いました」
「中国人って優しいですね」

自分の失敗を晒して、なんて恥ずかしいんだろう!
そう思っていたのに、そこにあったのは「共感」だったのです。

誰しも、人とうまくいかないことがあります。
人に言えないような失敗だってしちゃうし、落ち込むことだって。

そんな失敗は自分にとっては価値がないものと思うかもしれませんが、他の人にとっては等身大の自分をうつす鏡になることがあります。

特にSNSで日常の華やかでキラキラした一面が切り取られがちな中、失敗談はかえって目立ちます。なんだか筆者に親近感がわくのも、失敗がきっかけだったりします。

失敗は文章に書けば「宝」になるのです。

悩みは、最高のテーマである

失敗とも似ていますが、私が文章を書くときは「悩み」が起点になることが多いです。

この記事だってそうですが、自分が過去に悩んだことは、他の誰かの「現在の悩み」である可能性が高いのです。

今悩んでいる人にとって、同じ道を過去に通った人が、
どんな風に感じて、どんな風に乗り越え、今どんな景色を見ているのか?

それはきっと、とても知りたい情報だと思います。

悩みと言っても、小さなものから大きなものまであって、書きやすいものを書けばいいと思います。思い出したくないような深い悩みをほじくって書く必要はいっさいありません。

例えば今私は、2歳の息子の食べ物の好き嫌いで悩んでいます。
あと3キロ痩せる方法も読んでみたい!(笑)

半年前、1年前の自分を思い返してみて、「そう言えばあの時こんなことで悩んでいたな」と思うことがあればチャンスです。
書いてみたら、誰かの役に立つかもしれません。

好きなことを語ると、人柄が漏れてくる

失敗も悩みも、少しハードルが高いかも?

そう思う方は自分の「好きなこと」に目を向けてはどうでしょう。

この「好きなこと」ですが、みんなが好みそうなことをあえて選択する必要はありません。等身大の自分が好きなものについて熱く語るだけで、その人の趣向や人柄がかいま見られることがあります。ニッチなものであればあるほど、かえって面白く感じることも。その例がこちら。

卵に貼ってある「たまごシール」を20年以上集めている方の記事なのですが、狂気的なたまごシール愛が伝わりとても面白い(笑)緊張する面接にお気に入りのたまごシールを持って行ったり、恋人のお父さんも集めてくれたり、筆者の人生や人柄が垣間見られるのです。

私もたまごシールを集めようかなという気にさえなりました。(やっぱり面倒でやめちゃいました。笑 だからこそすごい!)

どんなに些細なことでも、長年続けていることが明かされるだけで、読者にとっては「尊敬の念」がわいてくるものです。

同じようにキッシュが大好きで、もう80台以上つくっている「もつにこみ」さんのこちらの記事も、私はお気に入りです。

キッシュといえば、具材はほうれん草とベーコンくらいしか想像できなかった私にとって、こんなに具材を変えて楽しめるんだと知ったのはこの記事がきっかけです。

レシピをよくみるとただの作り方ではなく、キッシュが焦げないためのちょっとした方法や、写真を撮るタイミングのアドバイスなど、これから初めてキッシュをつくる人への優しい配慮があります。実際、つくったらとても簡単でおいしく、瞬時に消えてなくなりました(笑)


こんな風に、今までの人生で感じてきたこと、失敗や悩みも含めて書いてみるだけで、文章には欠かせない大きなネタになります。みんなが羨む経験、非日常な体験、そんなのいっさい必要ありません。

いちばん共感されるのは、「ふつう」で「等身大」の自分の姿です。
だって読者だってふつうの人なのですから。

---

今回は「文章テーマの見つけかた」をご紹介してみました。いかがでしたか?もし参考になった方がいらっしゃったら、下の「スキ」ボタンを押していただけたら嬉しいです。

文章は書かなきゃいけないものじゃないので、書きたくなったら自由気ままに書けばいいと思います。一緒に楽しんでいけたらいいですね。また参考になりそうな話をお届けします。

小森谷 友美

noteで書ききれない話はTwitterでご紹介してます

文章の書き方シリーズ記事もよかったら


この記事が参加している募集

noteの書き方

サポートしてくださった方へのおまけコンテンツ(中華レシピ)を現在製作中です。随時お送りします!