地域活性化論#1 公民連携ってなんだ?
公共政策大学院での授業がはじまりました!楽しみにしていた「地域活性化論」の授業。テスト前に忙しくならないように、こまめに復習する習慣をつけるべく、noteに復習と調べた関連情報をまとめていきます。テスト前にこれを読めばラクラク単位取得!を目指して。
公民連携(PPP)ってなんだ?
「人口減少」「高齢化」「一極集中と過疎化」
聞きなれたキーワードだが、これからどんどん人は減っていく。人が減るから工場や住宅をつくってもあまり意味はなく、それよりも「地域のつながりから共通の利益を再構築したり、関わる人や活動を増やすことでの社会課題解決」が地域活性化のトレンドになっている。ハードからソフトへ。
そこで、組織やセクターを超えた人たちの連携が必要になってくる。
公民連携;PPP(Public Private Partnership)
行政(Public)が行う各種行政サービスを、行政と民間( Private )が連携( Partnership )し民間の持つ多種多様なノウハウ・技術を活用することにより、行政サービスの向上、財政資金の効率的使用や行政の業務効率化等を図ろうとする考え方や概念。
公民連携の方法はいろいろあり、例えば業務委託や指定管理者制度、助成金、PFI法など。PPPの一つにPFIがある。
PFI(Private Finance Initiative)
PFI法に基づき、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法。
PFIはプロジェクト手法のことであって、自治体+企業・NPO・市民などの共通の(政策)目標が上段にある。
PFI自体は、サッチャー政権の1992年にイギリスがはじめて導入したものだ。日本も90年代から行政改革・財政改革をどんどんと進め、イギリスを参考に取り入れることにした(1999年にPFI法の交付)。公共サービスに民間が関わる機会をつくろうという動きが生まれてきたころだ。(「官から民へ」)
(補足)指定管理者制度とPFIの違い
指定管理者制度は、自治体が立てた建物を民間に依頼して管理運営してもらうもの。PFIはどんな設計・建設・運営をしたら最も効率的かを考えるところから民間に担ってもらうもの。資金調達も実際の運営も民間にお任せ。
公民連携を進めると何がいいの?
内閣府の「PPP/PFI推進アクションプラン(令和2年改定版)」に、やや抽象的だが公民連携を進める意義が書かれている。それは、民間の持つアイディアを使って地域経済の活性化や行政の効率化を目指すということ。人口は減るし、公共施設は老朽化するし、財政は厳しいし、という自治体にとって、民間の手を借りないとやっていけないという切実な状況が背景にある。民間の手や知恵を借りることで、公共サービスの質が上がったり、新たなビジネスチャンスにつながったり、財政を節約できたりする魅力がある。
特に、建物の設計から運営まで民間ならではの発想・ノウハウや民間資金を最大限に活用できるPFI法が官民連携の代表になっている。
公民連携を進める5つステップ
では、公民連携をどうやって進めていくんだろうか。5つのステップがある。
①共通アジェンダ
「私たちはどこを目指す?取り組むべき課題とは?」
②評価方法の共有
「何を大事に進めていきたい?私たちは目標に近づいているのかな?」
③ステークホルダーによる合意形成
「どんな人に仲間になってもらいたいだろう?違う立場や組織の人でも合意できる内容とは?」
④各セクター連携による機能分担
「どんな役割が必要だろう?自分たちができることと任せたいことは?」
⑤成果目標達成計画と変化対応
「誰がいつまでに何をする?起きた問題をどう乗り越えていく?」
(補足)私たちって公民連携できてるの?公民連携の評価方法
授業では2種類のフレームが紹介されていた。
政策評価・業績評価のフレームとして「ロジック・モデル」、社会的課題解決のアプローチツールとして「コレクティブインパクト評価」が注目されているという。
時間があれば後日導入事例などを調べて追記したい。
公民連携をうまく進めるために必要なこととは?
公民連携に向き合う姿勢というものがある。共通の課題のもと、各セクターが自分のもっているものや立ち位置を認識して協力することが必要となる。
政治セクター(首長・議会):
自治体(地域)間競争を意識し、自立経営を目指す。既得権保護や分配調整よりも、将来への投資に重点
行政セクター(役所):
自立と連携を兼ね備えた地域を目指して経営。歳入・歳出(特に歳入!)を効率化する。地域にある資源を活用して、自治体も稼ぐ道を探すのだ。
民間セクター(企業・NPO):
公的サービスを持続的に提供するパートナーを目指す。公共の利益と会社の利益のベクトルを合わせて投資する。
地域セクター:
一人一人が、住むまちに関心をもって自分ごととして関わる。
PFIの事例ー岩手オガールプロジェクト
ここまで抽象的な話だったが、具体的な事例を見ていく。内閣府 PPP/PFI推進室が事例集を出している。
空港、ごみ処理場などのインフラもあれば、庁舎、体育館などの公共施設、さらには民間による収益施設(マルシェなど)+公共施設(図書館など)の複合施設もある。
複合施設の例として、岩手県紫波町のオガールプロジェクトがある。
駅前の一帯を整備すべく、紫波町や地元事業者が出資して作った会社を中心とする一大プロジェクトだ。公共施設として図書館や子育て支援施設、世界最高水準の芝を使ったフットボールセンターや体育館があり、お店として9つの飲食店やマルシェが入り、眼科や歯医者さんなど病院もある。さらにはホテルもある。
おしゃれな飲食店やマルシェが入ることで、自治体が単独で点々と公共施設をつくるよりも人が集まる。収益が出る。収益を合算することで整備費が下がる。民間にとっても、図書館や体育館など人が集まる公共施設の隣にあることで売り上げが立ちやすい。雇用も生まれる。
このようなPFIはPFI法が制定された1999年から増え続け、事業数は令和元年度までの累計で818件、契約金額は6.5兆円になっている。(内閣府)
参考メディア
内閣府 PPP/PFI推進室
新・公民最前線(日経BP総研)
公民連携のいろんなニュースや事例知れる、用語集が便利。
官民連携まちづくりポータルサイト(国交省)
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