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「あげる」「もらう」「くれる」     言葉って難しい

海外で仕事をしていると、
日本語を教えてほしいと言われることが多々あります。 

仕事をするために海外にいるので、仕事は出来ますが、
日本語を教える勉強をしたことが無いので、
日本語を教えるのは難しいことが多いです。

部下に教えるので、まずは挨拶から教えるのですが、
ここで困ることが起きます。

朝の挨拶は「おはよう」、
昼間の挨拶は「こんにちは」、
夜の挨拶は「今晩は」と教えて、
丁寧な言い方で「おはようございます」と教えると、
部下から必ず聞かれるのが、
「こんにちはございます」、
「こんばんはございます」となんで言ってはいけないのか、
と聞かれ、さぁ、困った。

日本人なんだけど、
「おはよう」と、「こんにちは」と、「こんばんは」の
違いをきちんと教わった記憶がない。

同様に、
「あげる」「くださる」「もらう」「いただく」「くれる」の違いを
きちんと説明が出来ない。

中国語にすると、
「あげる」「くださる」「もらう」「いただく」「くれる」と
言う動詞は全て「給」で、
「あげる」場合は「我给你」となり、
「もらう」場合は「你给我」で、
自分か相手が入れ替わるだけで、
モノの移動は全て「給」なので、中国人に説明が出来ません。

さらに困るのが、「くれる」です。 
身内などに「くれる」は使い、
外部の場合には「あげる」を使うと教えました。

「犬にくれてやらぁ」と言う言い方がありますが、これが説明できません。

仕方がないので、慣用句として、そのまま覚えるしかないと言いました。

中国語も独学できちんと習ったわけではないので、
本当は違う言い方があるのかもしれませんが、
仕事の合間に言葉を教えるのは、何と、難しいことでしょう。

スリランカでも、日本語を教えてほしいと言われ、
日本の文字を教えました。
「日」「月」「星」「木」「林」「森」などと教えていたら、
「木」があって、「林」があって、「森」があるなら、
「日」には無いのかと聞かれ、「昌」があるし、「晶」もあるよと言うと、「林」みたいな「昍」は無いのか? 

日本語ではあまり使わないが中国語にはあると言うと、
今度は日本語と中国語はどこが違うのかと言う話になり、
説明が難しすぎて、最後は逃げたことがあります。

言葉は道具なので、使えれば良いと思うしかありません。

発音が多少違おうとも、イントネーションが多少違おうとも、
相手の心をつかんで、意思疎通がきちんとできればOK!です。

時々、きちんと言葉が出来た方が良いと言われますが、
日本でも同じですが、仕事が出来なければ、
言葉がきちんとしていても、仕事人としては意味がありません。

言語明瞭、意味不明と言われた政治家もいたように、
発音やイントネーションにこだわるより、
相手の心を引き寄せる手法を身につけた方が、仕事は、はかどります。

それでも、言葉は難しい。 


我给你
收到你
你给我

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