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娘よ、ありがとう

このマガジンは、ある日指定難病と告げられた48歳母(僧侶)の日記です。
大半が、年増サザエさんのドタバタ放浪記となっております。


2023年5月17日~19日

娘、中学最大のイベント修学旅行に旅立つ朝。
昨夜あんな大失敗をした母である私だが、とにかく今日は娘が元気にワクワクで旅立ってくれることだけを願うばかり。前回の記事はコチラ↓

若干怪訝さを残したような顔で目覚めた娘だが、夫も私も「修学旅行いいなー!」「てか、3日目のUSJ雨っぽいけどどうなん?!」「早朝過ぎておなかすいてないやろけど、ちっとは食べて!」みたいな会話で盛り上げに余念がない。

でもやっぱり一応さりげなく
「ほんまに昨日は誤解させるようなこと言うてごめん!旅行前日になあ!ほんまママ紛らわしいよな!」とも言っといた。軽く。嘘に嘘を重ねる僧侶。

「いってきます」
夜とは別人かな?!と思うくらい、朝の娘はいつもクールなので(眠いだけ)通常運転な感じにちょっとだけウキウキを体に纏った中3女子な感じで旅立って行った。
その背中に手を合わせたよね。ほんまごめん。そしてありがとう。
元気にいってらっしゃい!

そこからはもう夫に
「ああああ~あううううう。もう自分が嫌だー!ううー。。。」と、のたうち回ってみせて呆れられて、夫も仕事に出かけて行った。

娘よ、どうか楽しんで。コロナ禍にたくさん我慢したことを一気に取り返すほどの感動と喜びを満喫してきておくれ。

それでもまだ不安をぬぐい切れない私は、妹その2に電話をし、昨夜の大事件を一気に話した。
電話の向こうでも「この人難病かもしれないのに、ほんと残念なカワイソウナヒト・・・」と姉に向けてしているだろう妹の顔がありありと目に浮かんだ。そしてさらに妹から知らされる驚愕の事実が!

「お姉ちゃん気づいてないと思うんだけどさ、もう1個やらかしてるよね」

「え・・・?な、何!?」

「そもそも再検査のあと、実家家族のグループLINEに病名とか知らせてくれたやん?あの家族LINE、娘も入ってるやん!」

あーーーーーーーーーー!そうやったかもしれーーーん!!

2個前の記事の↑最初の方に書いてあったー!LINEしてたー!
そして確かに娘もあのグループLINEにしれっと入ってたー!忘れてたー!

「誰があの子、わざわざ私らのグループに入れたんや!どこのどいつや!」
「・・・お姉ちゃんやん。。。何か写真アップさせたいとか言うて誘ってたやん。だるーとか言われとったやん」

あーーー!犯人これも私やったーーー!!

「でもまあ、普段からあの子はグループLINEに何か書いてくるわけでもないし、私らがどうでもいいことツラツラ書いてるから、イチイチ見てないやろとは思うし。そんな深刻なことも書いてなかったやん。大丈夫とは思うけどスマホこっそり開いて、せめて読み返せないように削除しとけば?」と妹。

「そうするわ!速攻!あの子確かに私らのグループLINEはたいして見てないわ!写真見る以外はスルーしてる(おい!)って話してたこともある!あーーでも!修学旅行でアイツ、スマホこっそり持って行きよったんやわ!!」

中学に入る時にスマホを持たせる代わりに、私にもパスワードは教えること!と約束させたから、いざという時は娘のスマホを私は触れるのだが、3日後までヤツのスマホに触れない。打ちひしがれる私に妹は、

きっと旅行中は楽しみまくってるはずなので、そんな昔の気にも留めてなかったであろうLINEを見返すわけはないから大丈夫。だがしかし、帰ってきたら速攻スパイのごとく件の内容LINEは削除するようにと的確に指示を出した。ミッションインポッシブルの指令のように。

なので、しばらく私はマジで病気の心配することは忘れ、こっちのことで反省の日々であった。遠足の前日は眠れない。そんな古から当たり前とされてきたことを何故、私は忘れてしまっていたのだろう。

そんな私を色んな意味で不憫に思ってくれたのか、夫が夕食をちょっとお洒落なお店に連れ出してくれた。(娘もいないし)

久しぶりに、本格的なレバーパテなんかを食べられて、だいぶ心身ともに回復している自分がいて、単純すぎてビックリした。

色々聞きたいのをぐっとこらえて、1日1回だけと決めて送った娘へのLINEの返信はどれも、はーい、とか、まあまあ、とか、そんな程度だった。
けれど、楽しい証拠なのだ。きっと。

そして、娘のいない3日間が終わった。

「ただいまー!」
元気な声だった!夜ごはんもバスの中で食べ、暗くなってから帰宅した。

「めっっっっっっっっちゃ、楽しかった!!!」
興奮冷めやらぬ様子で土産話をしてくれる娘。
最終日のUSJだけやっぱり雨だったけど、でもやっぱり一番楽しかった!!ずぶ濡れんなったけど、チュロスは食べられなかったけど、おそろいのカチューシャ買ったし!
よかった。本当によかった(母、涙目)。
そして、
一通り喋りまくってくれたあと、娘は言った。

「で、ママ大丈夫なん?」


「・・・うん!そう、のりちゃんからLINEあってね、それほど心配する病気でもなかったみたい。心配かけてすまんかったね!」(嘘を重ねまくる僧侶)

「ふーん・・・」

「うん」

うん。これは、ごまかせたのだろうか。分からない。きっとだいぶ後になって真実は解明されるのかもしれないし、解明しないままかもしれない。

けれど、
どちらにしても、
娘よ、
ありがとう。
ほんとに色々、ありがとう。






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