おこめづくりの1年日記 2023年

『自分たちの食べるもんは、自分たちで作るぜ!』
で始めた、無農薬&無肥料のお米づくり2年目。

1年目は『コシヒカリ』で収穫できたので、今年は品種を変えてみて、
腸の消化も良く、水の少ない場所でも育つという強そうな陸稲の品種『イセヒカリ』
(もっとも、うちの田んぼは、鍾乳洞からの美味しいお水が沢山湧くので、水はめいっぱい使うのですが…)

そして、はじめての育苗に挑戦しました!

1年目は270kgの収穫で、無事に食糧を確保することができたけれども、
今年は果たして…??

今回はじめて購入した種もみは『イセヒカリ』

4月 はじめての育苗

去年のお米作りとの最大の違いは、初めて育苗にチャレンジしたこと!
育苗とは、モミが付いた状態のお米(種もみ)から土に植え、芽を出して、田んぼに植えられる苗の状態まで育てることです。
今では、一般的な農家さんでも、田植えの時期に苗で買って植え付けすることが多いようですが(“昔はウチでもやってたよ〜“とはよく聞きます。昔の人はホントすごい!)

だけれども、“循環”をめざす『地球だいすき』では、やはり、去年実ったお米をつないで、今年の収穫…と、毎年毎年、お米の子孫を紡いで共に生きていきたいです。

いろんな人や本に情報をもらって、考察して、自分たちなりの方向性を決めて、
(全滅したら、急いで近所の人から、苗を恵んでもらうしかないゾ……💦)

いざ!ドキドキの育苗スタート!

育苗のようす ①熱湯消毒〜芽出し

塩水で病気や弱い種もみを浮かせて取り除く(今年は買った種もみなので省略)
という下準備をしたら…
60度のお湯で7分間の熱湯消毒!!からの、すぐに多量の流水で冷却!!

なんでも、この工程でモタモタしていて、種もみに熱が入りすぎちゃうと、
種が弱って台無しになってしまうそう…!!

温度計とタイマーを握り締め、冷却までの流れや動線も念入りに確認して、すんごい緊張感で挑み、とりあえず大きなミスもなく最後まで完了!

水の中の米たちも、ほっとしてしているご様子。

熱湯からの流水!米たちの『ふ〜』っと一息つく声がきこえてきそう

温度×日にちで芽が出るまでの時間が決まる。
よって、あったかい温度でやれば短期間でできるのだけど、
低水温でじっくりの方が、強い苗が育つらしいから。

15日くらいかけてゆっくり芽出しつもりで待っています。

育苗のようす ②催芽

…と思ったら!!予定より早く芽が出てきた!
(鍾乳洞からのお水なので、水道水より水温が高かったみたい)

一粒でも芽が出たのを発見したら、
日当たりの良いところに半日〜数日置いて水温を25度程度に上げ、
他の米たちも成長が揃うように、一気に芽を出させます!!

このあたりは、自然任せで日程が読めないところですが、
自然のペースに人間が合わせてやっていきましょう。

“ぷっくり鳩胸“状態の種もみ…と、どの本も口を揃えていうのだけど…
米の鳩胸って見たことないもんな…。こんなかんじでいいのかな…?
そのまま水に浸けておくと、こんな感じで芽と根が伸びてきます。


育苗のようす ③種まき

冬の間に、山と、田んぼから運んだ土を混ぜ合わせ、乾かしておいた。
それを、育苗用の箱に敷き詰めて、米たちのベッドをつくる。

米の量を1回ずつ計って、米たちが重なり合わないように、手作業で丁寧に撒く。自然栽培は、一般の育苗よりも一箱あたりの撒く量を少なくする『薄撒き』が良いらしい。

土をふるいにかけ、ダンボールで作ったお手製の道具で平らに。


偏ったり隙間が空くと、機械で植えるときに稲が植わらないところが出てしまう。


手間暇かけて芽が出た米たち。この時点で、もうすでに愛おしい。
「ちゃんと出てきてね。また会おうね。」と言いながら土のお布団をかけてあげる。


5月 プール育苗

ここからは、ブルーシートで水を溜めてプールみたいにして、米たちを育てていきます。
はじめの頃は、シルバーポリというシートをかけて、大事に保温してあげます。
昼間の日光の力でシート内を温めておき、まだまだ寒い夜にシート内の温度を保つ、という方法です。

温度計を入れて、毎日、温度管理をします。
暑い日には、シートに隙間を開け閉めして風を通し、調節します。

15センチの長さまでもっていくには、はじめの伸びの勢いが大事
……だったのですが!!

雨の日にシート内を見てみると…ガーン!!


激しい雨が続いた日、被せていたシートが雨の重さでたわんでしまっていたのを直しに行くと、
なんと…雨がプールの中に入りこんで、育苗箱の高さより低く保っていた水位が上がり、箱の淵を水が乗り越えて米たちが水没している!?

きゃー、たいへん!
急いで水の排出をして、ブルーシートで屋根をつくるが、米たちがとても心配。。。

あとでわかった事だけど、ホームセンターでシルバーポリだと思って買ったのは、シルバーマルチ的なやつだったらしく、小さな穴が開いており、そこから浸水した模様…
これは痛い初歩的なミス!!

シートも外してすっかり冷えてしまったし、水浸しになったし、これはかなり不安!!
米たち、ごめん!!がんばって生きてくれー!!


わ!箱の中が一気に緑色に…!

数日後…黄緑色の芽がでた…よかった。
どの箱も一斉に成長って訳にはいかなかったけど。
ちっちゃい芽たち、すっごく鮮やかで綺麗。
日に日にすくすく育つ様子を見守ります。


6月 田植え

あの小さな芽たちが、立派な姿に…!

プール育苗から1ヶ月ほどかけて、米たちは10センチほどの稲の苗になりました!
目安の15センチにはならなかったけど、なんとか機械で田植えできるくらいに。
(2haの田んぼを手植えは、気が遠くなるくらい大変なので…あぶなかった!)

いざ!稲たちを田んぼに放ちます!!

稲たちが大地に巣立っていく。。卒業式のような気持ち。。。
だけどいやいや、収穫まではまだまだこれから!!


6〜7月 手押しローラーで草取り


今年もこの作業がやってきた!

ほんとは、苗を15センチまで成長させて田植えをすれば、はじめから田んぼの水深を深めにすることで、雑草取りをしなくても良くなる計画だったんだけど。
アクシデントがあったので、今年も雑草抜き。

去年は、雑草が伸びすぎて、後半は雑草を取るのをあきらめ気味だったので、
今年は、雑草が小さいうちにこまめに、手押しの田車をかけていこうと思います。

ちなみにこの手押しの田車という道具、
明治時代の中期くらいからあって、当時、画期的な雑草取り農機具として発明されたらしいです。

8月 稲たち青々と成長

一般的な稲作よりも、1ヶ月植える時期を遅らせた自然栽培の稲たち。
周りの田んぼよりも、まだ小さいけれど、
いつもながら、穂が出るまでの間は、
本当に穂が出るかしら?実は全部、稲科の他の雑草だったりして…とか何かと不安。。


10月 実りました!いよいよ稲刈り!

2年目も実りました!黄金色がとっても綺麗!

育苗の時は、どうなることかと、今年はお米は獲れないんじゃないかと、
そう思った今年の米作りでしたが、
無事、穂をつけてくれました!

さて、今年もいよいよ稲刈りです。
果たして収穫量は?
去年と違う品種『イセヒカリ』の味の具合も気になります!

刈り取りの日は、達成感あり。さみしさあり。収穫結果のドキドキあり。

結果発表&いただきます!

結果は…田んぼ2反で75kgの玄米を収穫

なんと、去年の収穫量の1/3の収穫量…!?

がーん、これにはちょっとショックでしたが…
でも、種もみからの育苗で収穫までできたのはおおきい!

なんといっても、少しでも収穫できた事で、
来年は、今年のお米を種もみにして、食糧に繋げるという循環のサイクルに挑戦できます!

そして『イセヒカリ』の味は…
「うん!おいしい!すごく美味しい!」

あっさりめの味と聞いていたので、どうかな?と思ったのですが、
甘味も水分もとてもあって、
去年のコシヒカリと変わらないくらい美味しいです!

特に、新米は玄米で食べてみるのがオススメです。
お米の中に水分がしっかりあるからか、玄米とは思えないくらい、ふっくら柔らかくて食べやすいのです。

今年も、米と水と太陽と地球と、水の管理をしてくれたお父さんに感謝です☆

11月 藁干し

藁の活用法はまた次回!


1年目は、細かくして田んぼにすき込んでいた藁ですが、
2年目の今年は、藁も干してみます。

というのも、無農薬の藁は、色々楽しい活用方法があるらしいのです(^-^)

楽しい無農薬藁あそびは、また別のnote記事でUPしようと思います!
ありがとうございました!

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