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【創作論】筑前式プロットの作り方

 どうも、筑前助広でございます。
 プロットについて、以前からTwitterで呟いておりましたが、今回は自分の考えを整理する意味でまとめたいと思います。
 Twitterでは、以前より「有料でも知りたい!」という声がありましたが、お金を取れるとは思えませんので、無料で公開します。
 ただし、もし良かった!と思ったら、筑前式プロットで生み出した下記の作品を買っていただければと思います!

【1】プロットの考え方

 まず、前提として僕は「プロットを絶対に作れ!」と言う気は毛頭ありません。作らずに面白いものを書けるなら、それに越した事はありません(こんなもの面倒だし、一か月以上の時間を喰うので)
 ですが、もしプロットを作らずに結果が出ずに悩んでいる人には、「一度はプロットを作ってもいいじゃない?」とは言っています。
 また、僕はプロット、プロットと言っていますが、別に絶対視はしていません。
 プロットはあくまで、面白い作品に辿り着く為の道具に過ぎません。最終的に、面白い作品を書ければ何だっていいのです。
 それでもプロットを作るのは、「エモーショナルをロジカルに生み出す」という僕の創作方針に合致するのと、自分の記憶力を信じていないからです。
 そこをご理解の上、読んでいただければと思います。そして、もし参考になったと思えば、僕の作品を買って、そして感想を下さいね!

【2】プロットの役割

 プロットには、以下の役割があります。
①物語を可視化する。
②時系列をまとめられる。
③伏線の回収漏れを防ぐ。
④物語の抑揚を俯瞰する。
 つまり、プロットは物語の設計図です。フィナーレまでの道筋を作るという意識でしょうか。
「あー、伏線回収漏れたー!」とか「時系列が変じゃない?」とか、「また同じような展開じゃね?」などを阻止する為です。
 僕は特に同じような展開を避けたり、抑揚を確認する意味が大きいと思います。
 だって、盛り上がりどころばかりじゃ疲れるでしょ? 抑えるところは抑え、爆発させるところは盛り上げる。その抑揚も、プロットを作る事でコントロール出来ます。

 それでは、プロットを作っていきましょう

【3】あらすじを作る

 まずは「あらすじ」を作ります。どんな物語を作りたいのか、文章で書いていきます。スタートからゴールまで、その途中に入れたい出来事をざっくりと踏まえた、簡単なもので構いません(これは、公募のあらすじに役に立つぞ!)。
 それと同時に、物語に必要な登場人物を抜き出します。これも名前と役割ぐらいでいいと思います。僕の場合、名前を後から決めることもあるので、AとかBとかで描いたりします。

【4】世界観を練る

 その舞台となる世界観を作っていきます。舞台はどんな国で、どんな町で、どんな地形になっているのか、細かいところを作っていきます。
 僕の場合は時代小説なので、史料集めなどの考証や、取材もこの部分に入ります。
 校了したばかり作品は連続殺人事件でしたので、事件の概要や解決までの捜査の流れも、この段階で作りました。

【5】登場人物を作る

【3】で抜き出した、物語に必要な主要な登場人物を、この段階で作っていきます。
 ①名前 ②生年月日 ③身分 ④出身(住まい) ⑤職業 ⑥経歴 ⑦性格 ⑧外見
 おおよそで、この8個でしょうか。これらを箇条書きに抜き出していきます。
 実は僕はこの辺りは結構テキトーで、プロットを作っていく中で固まっていくこともあります。

【6】アウトラインを作る

【3】で作ったあらすじを、より精密なものにしていきます。
 スタートからゴールまでの流れを、ざっくり章分けしながらも、詳しく書いていきます。書くのは、ストーリーの流れや台詞など。この段階で面白くなるかどうか、何となくわかります。
 僕の場合は、真っ白な紙にぱぱぱーっと書いていきます。

誤字脱字はご愛敬

 ただ、ここで意識するのは、物語の抑揚。いつも戦いの連続だと疲れますよね? なので、この段階で抑揚を考えます。僕の場合はこんなものもつくります。

 物語の抑揚表というものでしょうか。10を最高潮として、盛り上がりと抑えるところを、大まかに数値にして可視化しています。

【7】いざプロットへ!

 ここでやっとプロットに入ります。
 僕の場合、以前はExcelで作っていましたが、今は手書きに変えました。というのも、手書きの方がいい案が出そうなのでという、甚だ抽象的な理由なんですが……。なので、両方の作り方をご紹介。

①Excelでのプロット
 論より証拠。実際にプロットをお見せします。

 まず横軸で横軸で描いているのは、以下の通り。
①セクション(章)
②視点者
③場面となる場所
④内容
⑤補足

 内容の部分の赤文字は台詞、青字は初登場となる登場人物の名前。しっかりと、その部分で初登場とわかるようにします。
 これらが完成したら、プリントアウトをして書いていきます。勿論、書いている途中に、赤で修正も入れます。

②手書きのプロット
 今、僕が採用しているのはこの手書き。こちらも論より証拠。見ていきましょう。

 書く事はExcelと変わりません。ただ、蛍光ペンで地名や台詞、初登場の人物に色をつけています。
 前述しましたが、僕はこの方法を採用しているのは、手を動かすと色んなアイディアが浮かぶからですね。

【8】最後に――

 僕はこのような工程でプロットを作り、執筆に入ります。
 9割以上、僕はプロット通りに執筆します。よく「キャラが動く」という現象が話題になりますが、キャラが動いたら僕はその首根っこを掴み倒し、強引にプロットに連れ戻します。もしそれが良い案であれば、一旦はプロットに落とし込んで、今後の展開に齟齬がないか、整合性をチェックします。
 プロットは設計図。「エモーショナルをロジカルに生み出す」を旨にしている僕には、必要な道具です。
 ですが、あくまで僕だけの話です。これを強要するつもりは毛頭ありません。
 ただ、プロットを作らずに書いていて、それで結果が出ずに悩んでいる人には「一度作ってもいいんじゃない?」とはお伝えしています。

 以上、如何でしたでしょうか?
 もし、参考になったよ!という人がございましたら、このプロットから生み出した「谷中の用心棒 萩尾大楽」を購入していただけると嬉しいです。
 こんな感じで、プロットを褒められておりますので(/・ω・)/

完結篇書きました!

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