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愛と情熱のキャバレー

バブルに酔いしれたオジ様方ご存じのキャバレーではありません。
そもそも人見知りのボクが行けるトコではありません。その昔、兄貴に経費で落ちるからと連れて行かれた札幌のキャバクラ、そこでも居心地が悪くてボクはさっさと帰りたいと思ってました。何が楽しいんでしょうね?ボクには楽しみ方が全然分からんかった。シングルマザーのお姉さんの悲しみに寄り添った、それだけでした。

ボクが言いたいのはブロードウェイ・ミュージカルの「Cabaret:キャバレー」です。↓YouTubeで観られるオープニング場面。結構有名な舞台だったようです。

まだLBGTとか寛容性なんて言葉もなかった時代。退廃的な雰囲気の漂う中、主役のスコットランド人、アラン・カミング演じる狂気の振る舞いには目が釘付けになります。ロングラン公演もされて、トニー賞って有名な賞も受賞してるようです。


Cabaret:キャバレーの詳細はwikiが一番。

時代は1930年代、舞台はナチス台頭前のドイツはベルリン。若きアメリカ人作家が新作の小説を執筆するため、この地を訪れます。そこで女主人に宿を紹介され、歌手のサリーと出会い、恋に落ち、色々あってお別れする、簡単ですがそんな物語。森鴎外の舞姫を彷彿とさせる、恋物語にはよくある筋なのかもしれません。

ミュージカルらしく印象的な音楽と歌がステージを彩り、終始退廃的な雰囲気をまとった舞台上で明日をも知れぬ男女が今日の快楽を味わう、そんな世界観です。

令和の世にはとても合いそうにはありませんが、僕にはこっちの方が何故かしっくりと来ます。多様性なんてコトバを必要としない世界観がココにはあります。

まだyoutube上では全編が分割公開されてます。画質は悪くて、字幕は設定でできますがかなり適当。それでもこの時代の価値観や雰囲気は十分に伝わって、アメリカのミュージカル文化を堪能できる作品です。画面から伝わる迫力、情熱、そして退廃に潜む芸術の影と残り香、何度観てもき込まれます。エゴン・シーレ君が観たらきっと気に入ったでしょうね。お時間のある方、ぜひ一度お楽しみ下さい。

冒頭に紹介したpart1だけでも雰囲気は十分に味わえます。

多くのヒトは自分達の生きた時代の価値観や倫理観しか理解できません。
みんな一緒がいいってのは世界中で1/70しかいない日本人の価値観です。
こういう文化に触れることで真の多様性のあり方が分かるんだって、そう思います。なので、ぜひ。

画像、映像は全てyoutubeより、
https://www.youtube.com/watch?v=KW5eFCFnW9c


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