【第13回】地区防災計画モデル事業とは
質問 地区防災計画学会の地区防災計画モデル事業について教えてください。
概要
地区防災計画学会の地区防災計画モデル事業の特徴は以下の3点です。
①2020年度より、Yahoo!基金の支援により開始された地区防災計画の普及促進・調査研究のための事業
②対象地区は公募、担当教員は大会報告・査読論文投稿
③2020年度は9地区、2021年度は11地区を選定
解説
①2020年度より、Yahoo!基金の支援により開始された地区防災計画の普及促進のための事業
2020年度から、Yahoo!基金の支援により、地区防災計画学会として、コミュニティの地区防災計画づくりの普及促進・調査研究を進めるため、「地区防災計画モデル事業」を実施しています。
本モデル事業では、地区防災計画づくりが、災害対策に重要な役割を果たす住民主体のコミュニティ防災の効果的なツールであることから、コミュニティの住民による地区防災計画づくりを通じて、日頃の地域活動の中に防災活動が取り入れられ、災害下位文化の形成につながることを社会実装の観点から科学的に実証することを目指しています。
②対象地区は公募、担当教員は大会報告・査読論文投稿
本事業の助成対象は、原則として、市町村防災会議に対する地区防災計画の「計画提案」を目指してコミュニティで活動を行っている地区を支援している大学教員になります。
年度明けに、地区防災計画学会に所属する正会員である大学教員を対象に助成対象地区の募集が実施され、それを踏まえて、当該年度の助成対象地区が決定されます。
各地区の担当教員は、地区での計画づくりの支援や調査研究活動を受けて、毎年3月に開催される地区防災計画学会大会で個人報告を行うとともに、パネルディスカッションに登壇をして、議論を行っていただくことになっています。また、当該大会での議論を受けて、地区防災計画学会誌に査読論文を投稿していただくことになっています。
2021年8月と12月に発刊された地区防災計画学会誌第21号及び第22号には、当該モデル事業に関する査読論文が5本掲載されています。また、2022年3月5日(土)にオンラインで開催される地区防災計画学会第8回大会でも当該モデル事業に関する担当教員による個人報告、2本のパネルティスカッションが予定されています。ぜひ御覧ください。
③2020年度は9地区、2021年度は11地区選定
地区防災計画モデル事業の対象地区は、2020年度は9地区、2021年度は11地区が選定されています(以下、順不同)。
2021年度地区防災計画モデル地区(担当教員・筆頭教員HP)
1 宮城県気仙沼市大浦地区
(室﨑益輝 兵庫県立大学教授・小島一哉 大阪市立大学特別研究員)
2 福井県永平寺町法寺岡地区
(酒井明子 福井大学教授)
3 静岡県沼津市戸田地区・伊豆市土肥地区
(加藤孝明 東京大学教授)
4 山梨県都留郡西桂町下暮地自治会
(鈴木猛康 山梨大学教授)
5 兵庫県神戸市中央区港島地区
(澤田雅浩 兵庫県立大学准教授)
6 三重県南牟婁郡紀宝町鮒田地区
(田中耕司 大阪工業大学教授・竹之内健介 香川大学講師)
7 大阪府藤井寺市小山地区
(石塚裕子 大阪大学講師・渥美公秀 大阪大学教授)
8 大阪府堺市美木多校区
(西田佳弘・坊農豊彦 大阪市立大学特別研究員)
9 岡山県倉敷市真備町川辺地区
(磯打千雅子 香川大学准教授)
10 岡山県倉敷市真備町岡田地区・辻田地区
(阪本真由美 兵庫県立大学教授・小山真紀 岐阜大学准教授)
11 高知県高知市潮江地区
(浅野幸子 早稲田大学招聘研究員・神原咲子 高知県立大学教授)
閑話
発災時のトイレの問題は本当に深刻です。ペットのいる方は、発災時には、ペット用のシートで急場をしのぐこともできます。日常的に利用しているものをいかに発災時に活用できるかが重要です。
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