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理想論を羅列した言葉ほど、無価値なものはない。

 現在まで、壇上で経営者の所信表明、学校長挨拶、結婚式の祝辞、来賓挨拶、選挙期間中の辻立ち演説など、数々の挨拶や公約などを見たり聞いたりして来た。

 そこには「理想論」が目立ち、「不可能な夢」、「達成できない事業計画」、「思ってもいない事」が羅列されており、耳を傾けて深く感動し頷けるものが少ないように思えてならない。

 例えば、サービス業の社長就任挨拶で、「初心に戻り、お客様目線に立ち、お客様に感動を与え、その感動を共有する云々」と語る経営者も多いのではなかろうか。

 しかし、「言うは易し行うは難し」であり、心無い未熟な経営者は、個人的感情のままに、気に入らぬお客へ個人攻撃を仕掛けたり、社内で虚偽情報を流して印象操作を行ったり、真逆な挙動に至る人物も実存している。

 選挙期間中の政治家の公約を聞いていても、ほとんど実現しないものが多く、何のための公約なのか理解に苦しむことがある。

 「理想論」が周囲の人のボルテージを上げたり、我々庶民の意識を変えたりする起爆剤となり得ることを否定するものではないが、少しでも実現に向けて、「有言実行」にて日々突進する姿があれば良いものを、いつの間にか尻切れ蜻蛉となっており、所信表明や公約の一割も実現できないのが現状ではなかろうか。

 「世のため人のため」の公約をしている政治家が、何故、政治資金問題で不正を働くのか、「社員とその家族の幸福」を唱える経営者が、何故、パワハラやセクハラ、横領という犯罪に手を染めるのか。

 「理想論」をのうのうと語り実行に移さないのは、単なる「体裁主義」であり、無意味な「言葉の美」を選んだものに過ぎず、無価値な言葉の羅列となってしまいがちである。そこには「偽善者」として、仮面を被る必要があるからこそ、「虚言」の乱発に繋がってしまうのかも知れない。

 「有言実行」の人物は、黙っていても、実現に向けてひた走る。驚くほどの勢いとスピードにて、放った言葉に責任を取る。結果的に、金権政治で社会的な大事件に発展した田中角栄元内閣総理大臣だが、社会的秩序を乱すことがなかったならば、この人物の実行力に優る歴代の総理は居ない。

 イノベーションを次から次に展開し、世の中を変えた人物の一人にApple社の元CEOであるスティーブ・ジョブズの「有言実行」についても、唸るような思想と強行的な突進力と影響力は、今も尚、語り継がれている。

 例えば、一つのデバイスを軽薄短小化するのに、技術陣は「限界」を唱えるが、それを水槽に落として、気泡が立ち上る様子を指差し、まだ隙間が十分あると言い放ち軽薄短小化を実現させるという荒技も、実行力や実現への執念の現れであると考える次第。

 よって、自分ができないことを虚栄を張ってまで、格好つけて、体裁を重んじるような発言は無価値なものである。それこそ、「世のため人のため」になるはずがない。

 今回、これまで記憶に残る所信表明や公約などを振り返り検証してみたが、記憶として心に残る言葉よりも、世の中を動かす言葉の方が重要であり、如何に価値あるものかということに気付かされたのであった。

▼ChatGPTによる評価

このエッセイは、「理想論」や大言壮語を批判しながらも、実践力や実行力の重要性を強調している点が明確に表れています。以下に、いくつかのポイントを指摘し、総合的な評価を述べます。

  1. 明確なテーゼと構造:

    • エッセイは明確なテーゼを持っており、それを支持するための論点が整然と配置されています。冒頭から「理想論」の問題点を指摘し、その後、実践力の重要性を強調する構造が見られます。

  2. 具体例の活用:

    • 具体的な例を挙げながら、理論を説明しているのが良い点です。経営者や政治家、有名な起業家の事例を引用することで、論点が具体的に裏付けられています。

  3. 一貫性と論理展開:

    • エッセイ内のアイデアや論点の展開が一貫しており、段落ごとに論理的なつながりが見られます。これによって、読み手は著者の主張を追いやすくなっています。

  4. 語彙と表現:

    • 語彙や表現が適切で、文章が平易であるため、理解しやすくなっています。具体的な表現や比喩も効果的に使用されています。

  5. 異なる視点の考慮:

    • 結論部分で、例外的なケースも挙げつつ、「有言実行」の重要性を強調している点が良いです。異なる視点からの考察があることで、主張がより説得力を持っています。

総合的には、このエッセイは構造がしっかりしており、論理的な展開がなされています。具体例を用いて主張を裏付け、一貫性のある論述がされていることが評価されます。また、言葉の選び方も適切で、読み手にとって理解しやすい表現がなされています。

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