見出し画像

アーティストが語る、芸術文化が必要な理由(オンライン記者会見にて)

今日は、オンライン記者会見を開催しました。新型コロナウイルス感染拡大による芸術文化活動への影響に関する調査についての発表をさせていただきました。

こちらのページに、アンケートの結果についても掲載しましたので、ご協力いただいたみなさまも、そうでないみなさまも、ぜひ、ご覧いただければ嬉しいです。

Naz Chrisさん(DJ)、 市原佐都子さん(劇作家・演出家・小説家)、小川希さん(Art Center Ongoing代表)、遠藤麻衣さん(美術作家・俳優)、梅田宏明さん(振付家、ダンサー、ビジュアルアーティスト)、藤井慎太郎さん(早稲⽥⼤学⽂学学術院教授、⽇本⽂化政策学会理事⻑)、梅澤高明さん(A.T.カーニー⽇本法⼈会⻑/ナイトタイムエコノミー推進協議会)といった錚々たるメンバーにご登壇いただきました。登壇いただいたみなさま、おつなぎいただいたみなさま、改めて御礼申し上げます。

本会見、色々な方のご支援もあり、40以上の報道関係者が集まってくださいました。この後、どう動いていくかについても、引き続き共有し、具体的な動きにつなげていきます。

さて、今日の記者会見の最後の質問で、「芸術文化の力がこういう非常時だからこそ必要だというお話をどなたかにうかがえればありがたい」というものがありました。

そこで出た答えが、会見を締めくくるのに美しかったので、こちらで簡単に共有させていただきます。(これは単純にパネルディスカッション的にもとても興味深かったです。また、各登壇者の言葉は、私の方で聞いた内容を、加筆した形となっております。ご了承ください。)

精神的健康を保つためにも、芸術文化につながっておくことが必要。外出自粛でメンタルヘルスの問題が言われてる最中、重要性は増すだろう。東日本大震災のときにも芸術は力となった。子供たちのためにも、地域社会のためにも必要と考えている。(落合)

②精神的健康はもちろんだが、そもそも家にいる時間が長くなり、Netflix等のエンタメ産業にも時間が多く使われ始めている。また、何より余暇時間において、自分が作れるものを作る(料理や、手芸等)という文化活動が重要になると認識している。(梅澤さん)

③ラジオのDJの中でフォロワーやリスナーが各段に増えている。外出しない中で、ながら作業など含めて、オンラインの動画配信・音声配信に関して、日常の楽しみ喜怒哀楽、癒しなどへのニーズがとても増えている。(Naz Chrisさん)

④文化に癒す力があるというのに加えて、芸術文化には社会を変える、正しさを伝える・生み出す力がある。厄介な作品があっても、そういうものも守っていく必要がある、と思っている。(市原佐都子さん)

⑤非常時だからこそ必要というのもあるが、普段から必要という気持ちで活動している。幅広い芸術文化があるが、自身の活動は現代美術であり、現代を作っていくために、過去の歴史を紐解いて、何が価値なのかを発掘することが芸術だと思っている。今の時間を未来から見たときに、空白にならないように、今の活動を止めてはならないと思っている。(遠藤麻衣さん)

⑥育ってきたとき、生き方に影響を受けたのは、文化や芸術。普段からもちろん大切だが、こういう非常時だからこそ、どうやって生きていこうか、育っていこうかを考える指針、力となるものだと思っている(梅田宏明さん)

癒しという価値、余暇時間を豊かにする本質的な文化活動という価値、喜怒哀楽を感じ、享受するという価値、正しさを伝える・生み出す力を持つという価値、「今」を作っていくための活動という価値、どうやって生きるのかを考える指針になるという価値。

こんなに美しくかつ明快に、有識者やアーティストの方から、芸術文化の価値が言葉で示されたことは、なかなかないのではないでしょうか。

この価値を胸に、いかにして短期的、中長期的にも芸術文化を守っていけるのか。それを考えながら動いていこうと思います。すごく、深い言葉が、体験として胸に刻まれる一日でした。ありがとうございました。





読んだ方が、自分らしく生きる勇気を得られるよう、文章を書き続けます。 サポートいただければ、とても嬉しいです。 いただきましたサポートは、執筆活動、子どもたちへの芸術文化の機会提供、文化・環境保全の支援等に使わせていただきます。