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おうちで中華 - 白灼生菜(広東式レタスの湯引き)

日本で暮らしていると「レタス=サラダ=生食」という先入観にとらわれがちだが、レタスは火を通して食べるのが広東人の知恵だ。

白灼生菜(広東式レタスの湯引き)は、広州生活で知った我が家の定番。一度作れば、今後一生、レタスの使い道に困らないことを保証する。

Twitterで紹介したらわずか1日で2万もいいねが付いて、あまりの反響に驚いた。それだけ意外な食べ方だったということだろうが、その期待を裏切らない美味しさなので、是非試してみて欲しい。


白灼生菜
báizhuó shēngcài

白灼生菜(広東式レタスの湯引き)

中国語で、レタスは「生菜」。名前だけ見ると中国でも生食しそうな感じだが、実は火を通して食べることの方が圧倒的に多い。

特に、広東が誇る優れた調理法・「白灼(茹でる)」との相性がいい。食材をサッと茹でて甘辛醤油ダレをかけるだけだが、これほど食材の魅力を引き立てる調理法はなかなかない。

茹でることでかさが減って、甘味が増して、でもほろ苦さが良いアクセントになって、ひとりで一玉でも余裕の美味しさに化ける。レタスの持ち味であるシャキッとした食感を残すように茹でるのがコツだ。

初めて広東で食べたときは、日本だと脇役になりがちなレタスが堂々と単体で供されることに驚いたものだが、いざ食べたら、その美味しさにもう一度驚いた。茹でただけのレタスがこんなに美味しいなんて!

芯に近い部分も美味しく食べられる。

尚、広東では唐生菜という非結球タイプのレタスを使うけど、普通のレタスで作っても没問題。あっという間になくなるので、たっぷり作ろう。

唐生菜。広州の市場にて。

以下は余談。日本でも第二次世界大戦以前はレタスに火を通すのが普通で、しかも、そのころのレタスはカキヂシャという非結球タイプだったそうだ。

しかし、戦後、明治時代にやってきた結球タイプが食卓の西洋化に伴って一気に「レタス=サラダ=生食」のイメージが強まったらしい。

因みに、沖縄では今もレタスを味噌汁の具やおでんの添え物にするそうで、
しっかりと「加熱レタス文化」が残っているのが面白い。

というわけで、歴史的にも特に珍しくはない「加熱レタス」、是非!

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