おうちで中華 - 西洋菜滾牛肉湯(クレソンと牛肉のスープ)
今回は、広州生活で知った広東ならではの家庭料理をご紹介しよう。
意外なことに、広東では馬並みにクレソン(西洋菜という)を消費する。旬ともなると野菜市場の棚にはクレソンの巨大な束(日本の5束くらいある)がうず高く積まれ、それが飛ぶように売れていく。
その量は、ステーキの付け合わせのような使い方ではとても消費できるレベルではない。ではどうするかというと、加熱して嵩を減らすわけだ。炒めるもよし、スープに入れるもよし。様々に楽しむ。
ということで、西洋菜滾牛肉湯(クレソンと牛肉のスープ)である。
西洋菜滾牛肉湯 西洋菜滚牛肉汤
xīyángcài gǔn niúròutāng
「滾」とは煮えたぎる湯で短時間火を通す調理法で、大量のクレソンをグラグラ煮てから、下味をつけた薄切り牛肉を入れる。
煮る時間は、ものの数分。それだけで、クレソンの風味に満ち溢れたスープが出来上がる。
スープは二時間煮込まなきゃただの水と公言してはばからない広東人だが、こういう数分で作れるスープもあるのが面白い。
シンプルな味付けで食べるクレソンがとても旨い。わしゃわしゃといくらでも食べられる。
クレソンと牛肉の相性の良さがよくわかる料理でもある。さっと煮た柔らかな牛肉を頬張ると、クレソンの香りとほろ苦さがからみ、とても爽やかだ。
思いのほかしっかりした旨味があり、食べ応えも十分だ。なにせ簡単なので、クレソンをたっぷり入手できたら、是非試して欲しい。
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