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おうちで中華 - 陽春麺(中華かけそば・汁そば)

今日の料理は、中国の江南地方でよく食べられている陽春麺(中華かけそば・汁そば)。ご覧の通り、具は青葱だけのかけそばだ。塩味すら薄いあっさりスープに、コシを重視しない柔らかなストレート麺が沈む。


陽春麺 阳春面
yángchūn miàn

陽春麺(汁そば・かけそば)

最もシンプルな麺なので、家庭でも乾麺を使って気軽に作る。スープも至ってお手軽。ベースはお湯と鶏精(鶏ガラスープの素)だけで済ませる人も多いくらいで、鶏や豚の茹で汁があれば十分上等だ。ただ、本場の味わいにするには欠かせないものがある。そこはレシピをご覧あれ。

初めて見た時の拍子抜け感は半端なかったけど、この主張のなさが却ってクセになる。旨味がバチバチに決まった日本のラーメンとは異なり、優しく淡い旨味を味わう麺だ。単体で味わうよりは食事の〆にピッタリで、宴会の最後に出すと、毎回瞬時に消える。

ずびずびといつまでも食べてしまう。

尚、そもそも陽春麺とは「具なしの麺」という意味なので、あれこれ具をのせてしまうと別物になる。のせていいのは、小葱かニンニクの葉だけだ。どちらをのせるかは中国でも地域性があって、小葱エリアの人はニンニクの葉を、ニンニクの葉エリアの人は小葱を否定する。中国あるある、だ(笑)

まあ、そういう「本物の陽春麺」論争は置いておいて、この陽春麺を覚えると、今後いくらでも麺料理のバリエーションを増やせる

陽春麺に青椒肉絲をのせれば青椒肉絲麺。雪菜目魚(高菜とイカ炒め)をのせれば雪菜目魚麺。要は、好きな炒めものをのせればOK。上海あたりの麺屋では、こういう感じで何十種類もの麺が品書きに並んでいる。

そのまま食べても美味しくて、自分の好み次第でどのようにも拡張できる陽春麺。是非レパートリーに加えてくださいな。

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