本当の親子って何だろう?
親が変わることは、辛くて悲しいことだと思っていた。
それは、勝手な偏見以外の何物でもなくて、むしろ、親が何度か変わってたくさんいる方が幸せなのか、とさえ思ってしまいそうだった。
主人公の優子には、母親が2人、父親が3人いる。
「あなたみたいに親にたくさんの愛情を注がれている人はなかなかいない」
担任の先生にそう言わせるほど、優子は愛されていた。
「本当の親子って何だろう?」
この本を読み終えるまでに、何度も考えさせられる。
血がつながってること、
憎まれ口をたたける合えること、
始業式にとんかつをつくってもらえること。
きっと人それぞれの回答があると思う。
誰かのことを思ってご飯を作り、その愛情を全て受け止めて、時には文句を言いながらも全て平らげる。
そんなシンプルな関係性も親子の形の1つかもしれない、と思った。
お父さんは言う。
「明日が二つにできるなんて、すごいと思わない?」「自分のと、自分のよりずっと大事な明日が、毎日やってくる。すごいよな。」「どんな厄介なことが付いて回ったとしても、自分以外の未来に手が触れられる毎日を手放すなんて、俺は考えられない」
私には子供が2人いるから、自分を含めて明日が3つあるみたいだ。
うまくいくか、うまくできるかは分からない。
でも、本当の親子って、実は、相手を思いやれるかどうか、ってくらいシンプルな関係性なのかもしれない。
親であることって、大変なことも多いけれど、未来が3つあるってすばらしいなと思わせてくれる、じんわり温かい本でした。
古賀さんの書評も面白いです↓
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