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果たして”多様性”とは?”正しさ”とは?

久しぶりにブログを書きたくなったので、書いてみます。
というのも、今日読み終わったこの作品がすごかった。
もともと小説を読むのは好きで、今までも多分に自分の心を揺さぶってきたり、人生観を変えてきた作品ってあるんですが、これも間違いなくその一つになりました。

朝井リョウ著・「正欲」


”性”欲ではない”正”欲というタイトルに魅かれ、”読む前の自分には戻れないー”という帯の文章にも心を奪われて、購入しました。
朝井リョウっていう自分と同い年の作家は、以前読んだときから不思議と信頼していましたが、今回もページをめくる手が止まらなかった。この人が世界をどう切り取っているんだろう、どういう風にこの物語を着地させるんだろう、って思ったらあっという間に読み終えちゃいました。
でも、読んでからの重さというか、ざらざらした余韻はすごくあります。数日、数か月、数年経ったときにそれが増すだろうな、という作品です。

なんか、私が今紡げる言葉でいくらこの本の感想を書いたとしてもどうも薄っぺらくなっちゃう気がするのでやめときますが、とりあえず今人生に大きな悩みを抱えている人も、そうでない人も関係なく、世代とかも関係なく色んな人に一度読んでみてほしいな、って思いました。
この世界を作っている"人"というのは本当に言葉通り一人ひとり違うということ、いくら言葉を尽くして分かってもらいたくても目の前の大事な人と相容れないことは存在するということ、自分が信じている正義やアタリマエはものすごく脆いということ…
そんなことを色々考えさせてくれます。

すごいなぁ。どうしてこれだけの作品を思いつき、そして最後まで書き上げて世に出せるのだろう…。やっぱり朝井リョウさんはすごい。次回作も読みたい。そしてこの作品については映画も見たい。



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