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【器の修繕、金継ぎ】図師千穂
2024年1月12日 17:47
私が金継ぎを始めた大きなきっかけは、「陶磁器は割れたら終わり、じゃないんだ!」という驚きでした。日々の暮らしにおいて、気にいっている器ほど、割れると悲しいから、食器棚の奥にしまい込む。それが普通だと思っていた私には、希望の光に見えました。 昨年より開講している金継ぎ講座で、漆で器を修繕することができるようになった生徒さんたちが、「好きな器を日常で使えるようになりました」とおっしゃいます
2023年12月15日 12:08
実は、金継ぎは、室町時代、茶の湯の文化が醸成されるのに伴って、発達しました。私は茶道の心得はまったくないのですが、金継ぎの勉強のため、いくつかの本を読んだりしました。 どうやら、「茶会」というのは、トータルコーディネートの世界のようです。たとえば、その日の茶会の趣旨が「北の地へ旅立つ友を送る茶会」だとしたら、掛け軸は、友情を描いた漢詩の一説、花は、別れを惜しむ意味を持つ花、花入れはかつて友
2023年12月8日 21:24
漆を使って器を修繕すると、とても手間(=労力)+ひま(=時間)がかかります。「最先端の技術で、魔法みたいに、一瞬で器をなおすことができたらいいのに」と、早ければ早いほど、より価値がある、とされるのが、現代社会の常識です。 でも、そんな世界に生きていながらも、人間は、ずっと昔から、人間です。手間やひまをかける、ということは、合理性とは別の、何かに対して、「大切にする」という行為そのものだと感