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おむすび降臨 #ポケットエッセイ vol.13

幼いころ、茶碗に米粒一つでも残していると祖父に叱られた。

過酷な戦争体験から食べ物のありがたみを感じてのことだろう。

一粒の米の中には農家の苦労や運ぶ人、市場、スーパーで売る人たち、太陽に水、土や泥や虫や草といった自然の恵みなど全てが映し出される。

干ばつや疫病に悩まされた奈良の大仏の思想だ。

個の中に全てが宿り、個が全てに映し出される、誰も取り残さないユニバーサルな世界観。

インターネットの世界も私たちは写し鏡のようにネットワークで絆を深め、一人ひとりの喜怒哀楽が共鳴し、ビックバンを起こしている。

ビックバンは良心を呼び覚まし、食品ロスなどの問題の解決に駆り立てる。

食品ロスは日本人一人当たり1日1個のおむすびを無駄にしているという試算がある。

一方で7人に1人の子供が貧困で苦しんでいる。

もう見て見ぬふりはできない。無関心ではいられない。

多くの社会起業家が立ち上がった。

慈しみのネットワークはユラユラと揺れながら心とテクノロジーをかよわせ、古代から現代に蘇った。

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