人間を磨く~どうすれば自分を磨けるか
人間学を学ぶ月刊誌『致知』2020年9月号(特集)より
どうすれば自分を磨けるか。
その第一は古今の師に学ぶことである。
『人との喩るところはその習うところによる。習うところはその志すところによる。義に志すか利に志すかによって、ついに君子となり、小人となる。』
人間を磨く第二は、仕事に打ち込むことである。
『一日なさざれば一日食わずといった人があります。このなすというのは手足を動かすこと、働くこと、他のためにすることです。元来生きるというのは動くこと、人間にあっては働くことです。ですから、働くことが自利利他の原動力なのです。』
仕事に打ち込むことで人間が磨かれ誠が養われる。至言である。
第三は、意識を高めること。
松下幸之助氏が新入社員にいった名言がある。
『君らの立場は新入社員や。しかし、意識は社長になれ』
同じ新入社員でも、自分は新入社員と思っている人と自分は社長と思っている人とでは、仕事の仕方や結果には雲泥の差が出てくるだろう。意識が人格涵養に、そして人生に及ぼす影響は大である。
人間磨きの第四は、へこたれないこと。
人生にはさまざまなことがあるが、すべては自分を磨いてくれる試練と捉え、へこたれずに乗り切っていくこと。苦難を乗り越えるたびに人は磨かれ鍛えられるという人生の鉄則を忘れまい。
道元一日一言より。
玉は磨いて初めて見事な器になる。人も鍛錬することで徳の高い人となる。どんな玉も初めから輝く光は持たない。どんな人も最初から優れているわけではない。必ず切磋し錬磨せよ。自らを卑下して道を学ぶことを怠けてはならない。
日々を振り返りながら生きていく。学び続ける。未熟者ゆえ、何度も自分を見つめ直し精進していく。
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