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ザルツブルク音楽祭か、小学校教員か。「人生の選択」どう決める?

2018年、
精神的な転機があったわたしは、

2019年、
新しい世界に飛び出したいと思っていた。
ウィーンで芸術家ビザを得て、
歌手として働いて5年目。


なんとなくそう願っていた矢先、
母からひょんな電話がやってきた。

「ねぇ、半年間だけでいいから、
小学校の音楽の先生やらない?」

「…え?」

めちゃめちゃ面白い展開でびっくりした。


その頃、母は地元の小学校で、
毎週月曜日に支援ボランティアをしていた。

不思議な流れだけど、
たまたま副校長先生と私の話になったそう。

わたしも通ったその地元の小学校では、
音楽の先生が立て続けに2人も、
精神的に病んでしまい急に消えたそうで…

2ヶ月間、こどもたちは
音楽の授業受けれてないとゆう。
校長も副校長も汗ダラダラの危機。
(2ヶ月後には区の音楽会があった。)

えー!?そんなことあるの?
って思ったけど、
変な時期だったからか、
次の先生が見つからなかったらしい。

そこで、
ウィーンに住んでる私に話が(笑)
海外からひっぱるんかーい!!

謎だけど、これが宇宙ね。
奇想天外摩訶不思議♪

母は、まさか私が帰ってくるはずがないと、
ダメ元で電話してきたけど、

一晩考えて「やってみる♪」
と、答えたわたし。母もびっくり。

楽しそうな流れだったから。
ただ、直感が、GOだった。それだけ。

小学校の先生やったことないけど、
免許持ってるし。しかも全科の♪

ちょうどタイミングよく、
ウィーンでの仕事をさーっと断ることができ…
それもすべて、本当に完璧だった。

もしオペラの稽古とか、
大きなプロジェクトの途中だったら、
絶対に帰れなかった。

その翌週には日本に帰国し、
帰国翌日から、学校に行くことになる。
そうゆうときの急展開は、
トントン拍子がすごい。

で、さらに想定外な事態となる。

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実は帰国する1週間前に、
あるオーディションを受けていた。

Konzertvereinigung Wiener Staatsopernchor

ウィーン国立歌劇場の、
夏のザルツブルク音楽祭のための合唱団。

世界中のスター達がここに集結し、
7月8月と、毎日のよう催される
華々しいオペラやコンサート。

夏の世界最高の音楽祭。
音楽家なら聞いたことがない人はいない、
天下のザルツブルク音楽祭、ってやつです。


日本で音楽の先生をやり始めて1ヶ月くらいした頃、
連絡が来た。

オーディションは、受かっていた。
めちゃめちゃ嬉しかった!!
そしてその稽古が1ヶ月後から始まるという。


夏の音楽祭だから、
稽古は春くらいから始まるのかと思いきや、
なんと冬からだった…。予想外。


選択にせまられる。


ザルツブルク音楽祭か、
約束した小学校教員をやり切るか。


すでにこどもたちは可愛いし、
音楽の先生という仕事が楽しくなってたし、

いや、普通に考えて、急にいなくなるとか、
無理だろ。常識的に。と思った。

母のメンツ丸つぶれだな…と思った。

途中で投げ出すとか、ダメでしょ?って思った。


いろいろな考えが浮かんで、
1週間くらい、ずっと悩んだ。

本当ならどっちもやりたい。
なんなんだこの選択…!!

ザルツブルク音楽祭


仲良い男友達のテノール歌手に電話した。

「ねぇ…こゆ状況なんだけど、どう思う?」

熱い言葉たちがガンガン返ってきた。

「は?ちえこ何言ってんの?アホか!!
ザルツブルク音楽祭を選ぶに決まってる!!

小学校の先生なんて他にいくらでもいる。
お前、どんな名誉なことなのか、分かってんのか?
ザルツブルク音楽祭には、どんなにやりたくても、
のれない人が大勢いるんだぞ!!

俺だって出てみたいよ!!
小学校の先生なんていますぐ断れ!!

ちえこ…、もしザルツブルク音楽祭を断ったら、
俺は一生、お前のことを大バカ者と呼ぶからな!!」

と言われた。
それも、分かる。
熱いテノール歌手よ、ありがとう(笑)
本当にいい仲間です(笑)


そのあとも、ひとりで、よーーーく考えた。


名誉かぁ…。

本音の本音の本音と対話して、
自分に「どうしたい?」って聞いた。

そしたら、

「いまは小学校の音楽の先生が楽しい。辞めたくない。」
「目の前にいる子どもたちと、音楽会に出たい。」

だった。

音楽の先生はたった半年の任期で、
次に繋がる仕事ではなかった。
(任期が終わる頃には残って欲しいと
いわれたけど断った。)

音楽家としてのキャリアを考えるなら、
絶対にザルツブルク音楽祭だったんだと思う。

☆☆☆

人生は、選択の繰り返しで、
ときには鳥肌モンの選択もあると思う。


でも、やっぱりわたしは、
そのときの「わたしの直感」に従いたい。

名誉なんて、世間が勝手に決めたもの。
でも「あなたの直感」はあなたにしか分からない。

ザルツブルク音楽祭出演者の方が、
小学校の音楽の先生より名誉があるのか。

それも、広い大きな宇宙を思えば、
ほんとにどうでもいいことです。

何が大事かは、常に、
「いま、あなたは何がしたいか。」
「いま、あなたは何にときめくのか。」
「いま、何に魂が喜ぶのか。」

それに従っていれば、
後悔するような選択にはならない。
と、わたしは思います。

☆☆☆

ザルツブルク音楽祭に断りのメールをいれ、
すごく残念だったけれど、

小学校の先生として、
こどもたちとの時間を超楽しんだ。

そしたらその後、
世界はコロナ騒ぎになった。

わたしは日本の滞在が余儀なく延期され、
日本で新しいことに挑戦し始めた。

あるコミュニティで宇宙フェスにも出演した。
日本にいたからできたことだった。

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そして、ザルツブルク音楽祭は、
規模縮小のいくつかのコンサートを除き、
ほぼ中止となった。


本当に、
わたしの選択は、
やっぱり間違ってなかった、と思った。

潜在意識は、顕在意識で考えるよりも、
きっと何千倍も、何万倍も、
知っている。

あなたにとっての幸せのための
ベストを。

わたしたちは、
直感を研ぎ澄ませて感じて、
それに委ねること。


思考はよく、損得や、世間体、
これまで培ってきた常識や固定概念に縛られて、
本当の内側の声を聞けなくしてしまう。

それらは悪者ではないんだけれど、
ときに、私たちの自由を奪って縛ってしまいます。


どっちが、
すごい、すごくない、なんてない。

どっちが、
いいも、悪いも、ない。


ただ、あなたはどうしたいのか。


全然分からなくなっちゃったときは、
おへその辺りで、感じてみてください。


深呼吸して、聞いてみる。


「本当は、どうしたい?」


内側からの、
小さな本音が返ってくるかもしれない。

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P.S.
去年の宇宙フェスは本当に楽しかったな〜♪♪
やっぱりリアルのお祭は最高だね!!

今年の宇宙フェスは断ってしまったけど、
またリアルでイベントをやりたいなぁ♪♪

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