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テセウスのスマホゲー

 好きなアプリゲームがある。あった。自分の中で『あった』と過去形にしたくない気持ちがあるのだが、頭の中では『あった』になりつつあることを冷静に認めている自分がいる。  ソーシャルゲーム・スマホゲームの類は、作り手の異動や退社による体制の変更がままあり、その態を『テセウスの船』に擬え揶揄されているのを目にしたことがある。船を構成するパーツが全て置き換えられたとき、過去の船と現在の船は同じものだと言えるのか。  私は浅学であり、この問題に対して確固たる答えを持つことができない

    • 食いしん坊バンザイ

       食べることが大好きだ。幼稚園児の時分から、ファミリーレストランでの食事の際にミニサイズではない通常サイズのパフェを食後のデザートとして完食し、隣の席のお姉さま方から「あの子すごいね」と(驚きが先立つのか呆れが先立つのかはわからないが)囁かれていた健啖家だ。  長じてから精神に不調を抱え、ストレスの類を食べることで一時的に解消するようになってしまったが、それでも私が憎むのは『食べること』ではない。惰弱な自分自身だ。食事という行動に罪はない。  食べることが大好きなのは、母

      • くうねるところのくうところ

         大学入学から数か月して、鬱を発症した。  正確には鬱ではなく別の症状で、なんやかんやあって今もそれと付き合っているのだが、それは割愛させていただく。  引き篭もって日がな一日ベッドで泣いていたり、調子のいい時は授業に出たり、でもまたすぐ調子が悪くなって泣き暮らしたり、調子のいい時がめっきり無くなってしまったので休学したり。  そんなカンジでぼんやりと4年を過ごし、進級する為の単位も足りなくなり、もうどうしようもないな、と思い自殺未遂を起こしたりした。そんな学生はごまん

        • 海よ 俺の海よ

           生まれも育ちも群馬県、北関東の平野に育まれ、田舎すぎない田舎の田畑や川原といった『ちょうどいい』自然に触れて育った海無し県の申し子ではあるが、故あってそこらの海無し県民よりも海に親しんでおりますの。おほほ。  母の生まれが南房総の小さな漁師町で、祖父母が存命の頃は毎年夏休みに泊まり掛けで遊びに行ったものだった。  祖母が浮気からの駆け落ちで音信不通となり(風の噂ですでに亡くなったと聞いた)、祖父が亡くなってから暫くは縁遠くなってしまっていたのだが、潮騒はどうにも海無し県

        テセウスのスマホゲー

          俺嫁語り

           もうほとんど使われなくなったようなオタク・スラングに『俺の嫁』というものがある。二次元キャラクターや三次元アイドルなどに対する自身の愛情をアピールする為の言葉だ。  「昨今のオタクにはキャラクターを『嫁』と表することでその人生を背負う気概が感じられない」的な論説を目にしたことがあるが、今はそういうレスポンスバトルをしたい訳ではない。私にも『嫁』がいる、ということをアピールしたい。  嫁です。『戦国武将姫MURAMASA』というソーシャルゲームの『平手政秀』というひとです

          俺嫁語り

          苦・血採る血採る

           不健康なのだ。若いころに色々あって(このあたりの話もいずれ書こうと思う)、今は極端にお太りあそばしたファットウーマンになっている。ファットウーマンであるが故に月イチで内科でメンテナンスを受けているのだが、まあ採血の上手くいかないこと。  肌の色が白く、肉付きがよく、血管が細い。採血高難易度三銃士をつれてきたよ。帰ってくれ。  色が白いと血管が見易いのでは?と思いもしたのだが、軽くググったところそうでもないらしい。  物理的な痛みには強いほうなので注射針を刺されようがさほど苦

          苦・血採る血採る

          文字うどん

           物心ついた頃から、インターネットばかりしている。ダイヤルアップ接続で家の電話を終日話し中にしては親からの怒られが発生し、電話代が万単位になっては親からの怒られが発生した、そういうタイプの人間である。ダイヤルアップからADSLになっても、巨大な飯に憧れ、ジョジョ立ちオフに混ざる自分を夢想し、オフ喜利レポを見ては自分ではこう答えるなどの妄想を続けてきた。  『テキストサイト』と呼ばれる文章主体のコンテンツを発信するwebサイトに馴染んできたオタクが、その流れを汲むwebサイト、

          文字うどん