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【じっくり読書】歴史的名作「悩み」の取扱説明書01

こんにちは。

谷塚総合研究所、読書部の塚本です。

今回、紹介する本は、デール・カーネギー著、「道は開ける」です。

442ページにも及ぶ、重厚な本紙は、

「悩み」の取り扱い説明書

として長年、世界各国のビジネスパーソンをはじめ、多くの人に愛され、長く手元に置かれ読まれ続けている名作です。

人生最後の時まで、私たちは「悩み」と付き合っていくことでしょう。
そんな「悩み」との関係をよりよりものにするためにも、本書の知恵は非常に役に立ちます。

ですが、分厚い冊子であることと、1888年生まれのアメリカ人である著者の古臭く馴染みのない言い回しに、多くの人が本棚の肥やしとしていることだと思います。

この記事が、あなたの悩みとの関係を良いものにできたり、本書を読むきっかけになると嬉しいです。

【じっくり読書】シリーズでは、コンパクトに記事をまとめることはせず、少しづつ連載で皆さんの読み物の一つとしても利用できるよう努めます。

では、さっそく始めましょう。

はじめに

みなさん、悩みはありますか?
仕事、友達、恋愛、家族、夢、目標。
私たちは、一日という短い時間の中でさえ、思考の多くを悩みに費やします。
では、悩みとは一体何者で、どこから生じ、どうすれば解消できるのか?
おそらく現時点で、明確な答えは存在しないのでしょう。

もし、悩みを断ち切る明確な方法があるとして、それを教育の場で学び、社会で生かすことが出来たのなら、私たちから見たこの世界は、もっと明るく素晴らしいものになっていると思います。
悩みはストレスとなり、あなたの体や脳を硬直させ、素晴らしい体験やひらめきから私たちを遠ざけます。

悩みに対する特効薬は、ないのかもしれません。
ですが私たち人間は、時間が経てばおなかが空くのと同じように、放っておけば悩みが生じます
根絶することは出来ないのかもしれませんが、悩みとうまく付き合っていくことが、自分の人生を自分の人生をして消費していくためには欠かせないのではないでしょうか?


悩みはどこにいる?

悩みとは、どこから生まれてくるのでしょうか?
端的に答えを出すと、悩みは、「終わりの見えていない思考」から発生します。

「思考」という行為には終わりがありません。
なぜなら、物事というのは、それが何であれ、無限に抽象化・具体化が出来るからです。

例えば、「ご飯を食べる」という行為について考えてみる。
細分化した場合、「いつ食べるか」「どのようなご飯を食べるか?」「誰と食べるか?」等。
さらにそれらも細分化できる。原材料をどこで買うか?ご飯の約束をしている彼女は、予定通りに帰ってくるのか?
細分化は無限にでき、さらに横へと派生していく。
その派生先でも、無限の抽象化・細分化が可能である。
つまり、思考は無限である。
どこかで区切らない限り。

「終わりの見えていない思考」を構成するのは、

「終わり」「見えていない」「思考」

の三部分です。


本来、やるべきことや願望にはすべて、「終わり」つまりゴールが設けられています。
「受験勉強」のゴールは受験の終了だし、「毎日ひとつは人に親切にする」という目標なら、今日ひとつ親切にしたのならゴールです。
全ての願望ややるべきことには、必ずゴールがある。
この悩みが本来持っているゴールはどこなのか?と考えてみてください。
ゴールが見えたなら、悩みは行動の原動力へと変わります。

ゴールが見えない、終わりが見えないのであればそれは、今やっていることのゴールと次にやるべきことのスタートを繋げてしまっていて、「達成」という状態が永遠に訪れない状態になっているのです。
「毎日30分のウォーキングをする。」という目標を立てたのなら、やるべきことは一つ、「今日30分のウォーキングをする」ことだけ。
それを達成したのなら、ゴールだし何も思いわずらう必要がありません。
明日のウォーキングは、明日のタスクであり、今日考えることではありません。
仮に今日、ウォーキングが出来なかったのであれば、「明日はウォーキングをする。」これだけなのです。
今日のウォーキングの前から明日のウォーキングに対して考え、「ウォーキングなんて意味があるのだろうか?」と考える。
これが、悩みそのものです。
ウォーキングの意味を疑うのなら、「とりあえず一週間だけウォーキングしてみる」というゴールを設ければいい。
そして、一週間やってみてから考えればいい。

最後の「思考」の部分。
悩みの所在地は思考です。
なので、思考しなければ悩みは存在できません
熱中できることに没頭してみてください。
好きなスポーツや、友達と楽しい時間を過ごしてみてください。
その時間のなかで、悩みが生きることは出来ません。
なぜなら、悩みの所在地である思考が存在しないから。
単純なやるべきタスクを設け、夢中になって体を動かしてみてください。
忙しい体には、悩みが宿ることが出来ません。
悩みがあなたの思考の中で存在できる理由は、「あなたがヒマだから」です。

悩みとは、「終わりの・見えていない・思考」です。
この組み合わせのどこか一部でも変化させられたなら、悩みは願望ややるべきことに形を変えます。

区切りを設ける

長くなりましたが、この本の第一章一部タイトルは「今日、一日の区切りで生きよ」というものです。

過去と縁を切ることです。息絶えた過去など、死者の手にゆだねましょう。
昨日の重荷まで今日のうちに背負うとしたら、どんな強い人でもつまづいてしまうでしょう。
過去と同様、未来もきっぱりと閉め出しなさい。
未来とは、今日のことです。明日など存在しないのです。
人が救われるのは、今日という日なのです。
エネルギーの消耗、心痛、神経衰弱は、未来のことを気づかう人に歩調を合わせて、付きまといます。
そこで、昨日と明日を鉄の扉でピタリと閉ざし、「今日、一日の区切りで生きる」習慣を身に着けるよう心掛けるべきでしょう。

何も、明日のことを考えず、楽天的に生きることを推奨しているのではありません。
明日のことを考え計画するのは、今日の私の仕事でもあるが、明日のことで思い悩み、胃を患うことは、明日の自分の仕事なのです。
今日の私の仕事は、今日を生き、明日のために出来ることをする。です。

「終わりの見えていない思考」に終わりを付ける第一歩は、「今日一日の区切りで生きる」こと。

悩みの根本的な解消法は「終わりの見えていない思考」というものを崩すことです。
今日一日という区切りを設けることによって、そこに終わりが設けられます。
「終わりの見えていない思考」を「今日一日という終わり」で区切るのです。
悩みというのは、様々な手段を使って、私たちから思考のリソースを割いていきます。
今日一日という終わりを設け、明日のことは明日の自分にゆだねてください。
今日の私は、今日出来ることだけを考え実行してください。

簡単なことでないのは分かっています。
ですが、「悩み」の正体を理解し、それとうまく付き合っていくのが、自分の能力を最大限生かし、自分が得られるものを存分に楽しむ方法です。

今日のまとめ

・「悩み」とは、「終わりが・見えていない・思考」である。

・今日一日の区切りで生きよう。

【じっくり読書】シリーズでは、様々な名著を連載していこうと思います。

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次回は本書より、「悩みを解決するための魔術的公式」を記事にします。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。