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シリコンバレーで学んだビジネスプレゼン

《シリコンバレーのベンチャー向けビジネストレーニングで学んだこと》

とあるプロジェクトで、シリコンバレーのベンチャーキャピタルの方々や現地の起業家の方々にビジネスのいろはを学ぶ機会を得ました。そしてラッキーミラクルが起き、選抜に残りシリコンバレー行きの切符を手に入れました。

「タダでカリフォルニアに行ける!」と喜んだのもつかの間、毎日ほぼ徹夜で、投資家向け、製品発表、雇用向け、エレベータピッチ(2分間)などなど、シチュエーション別のプレゼンを毎日作り、発表し、有難きダメ出しを頂き、作り直し、発表するという毎日を送りました。もちろんすべて英語です。半泣きです。大人になるとダメ出しを頂く機会が減りますからね、有難きことです。はい。

プレゼンだけでなく、マーケットの見極め方、マーケティングの手法、投資家への数値の示し方、リーガル(法律)との折り合い、文化の違いにどう対処するのか、ビジネスパートナー選び、従業員選び、CEOとは?等々たくさんのことを学びました。実際にシリコンバレーで起業し、失敗も経験し、成功した方々の実践的なアドバイスが素晴らしかったです。

大変でしたが、とっても学びが大きく充実した研修でした。現在特に大きなビジネスをしていない私が知識をとどめていてはもったいないので、こちらにシェアします(*^^*)。今回はプレゼンについてです。

※自分用のメモ書きのように書いているので、ですます調の文体など調整していませんのであしからず。気にせずに気軽にお読みいただければ幸いです☆

シリコンバレー

□プレゼンテーションの構成要素

内容や背景によってプレゼンの作り方は変わるのですが、私がトレーニングを受けた基本的なことは以下です。

1. Opening(フック)

2. Need(ニーズ)

3. Approach(アプローチ)

4. Benefit/Cost(コストに対するベネフィット)

5. Competition(競合、差別化ポイント)

6. Closing(クロージング、次のアクションにつなげる)

(順序はこのとおりでなくてもいいが、プレゼンに盛り込むべき基本的内容)


• 誰に向けてのプレゼンなのか?(オーディエンス)

⇒今回の場合は、VCや投資家。
(どんな投資家?エンジェル投資家?大企業?ファンド?VC?それによって強調ポイントも異なる場合もあるでしょう)。

• VC/投資家はあなたのビジネスプランの何を見るのか?
投資対効果があるのか?/実現可能性/拡大可能性/継続性/チームメンバーなど

• 一番伝えたい事は?伝えたい事を決める
例えば、「私の技術はこのマーケットに安全&便利を実現できる」

• マーケットのニーズはどこにあるのか?

• そのどのセグメントを狙うのか?

• そのポジションで何パーセントのシェアが見込めるのか?

• そのマーケット、セグメント、ポジションには、どんな手法でアプローチするのか?

マネタイズの手段は何か?その後のフェーズ・展開は?

• どんな競合がいるのか(競合がいないということはない)
(競合がいないならば、なぜいないのかよく観察する必要がある。ニーズがない?マネタイズが難しい?法律の問題など)

• 競合との差別化ポイントは?(3つ)

• このプレゼンを聞いて、どうして欲しいのか(Call to Action)

※複数の訴求ポイントがある場合は3つが望ましい。人が覚えられる数は多くはない。



□プレゼンの組み立て

ブレインストーミングして、盛り込むべき内容を決めます。

盛り込むべきコンテンツを、話の聴きやすい流れ、ストーリーを組み立てます。聴きやすいというポイントの他に、いかに「刺さるか」の順序も大切です。

どんな順序で伝えたらインパクトがあるでしょうか?響くでしょうか?聞いてもらえるでしょうか?

例えば、「すでに大企業との提携が決まっている」、「すでに◯◯ファンドからいくら集めた」などのアイテムは、できるだけ最初に持ってくるとのアドバイスを頂きました。

「そのような要素は、あなたのビジネスが評価されている証拠。せっかくそのネタを持っているのなら、できるだけ最初に提示したほうがいい。」

聴き手(オーディエンス)は、いつでも集中して1語1句聞き、理解してくれる訳ではありません。興味のない事柄なら聞くのをやめてしまいます。「オーディエンスは最初の1分(-3分)でプレゼンを聴くに値するか判断する」というリサーチ結果があります。

そのリサーチ結果からも、いかに最初にオーディエンスを惹きつけるネタを持ってくるかが大切かが分かります。

□オープニング(フック)

また、最初といえば、オープニング(フック)もとても大切です。
一瞬でオーディエンスを惹きつけるフックです。

フックの例は、質問で始める、ストーリーを話すなどの手法があります。

ポイントを3つに絞る(多くても5つ)ことも大切です。人が覚えられるのは3つくらいまでだからです。

□主張の根拠

ポイントを伝えたら、その主張を支えるための証拠、数値、分かりやすい例などを提示します。主張の根拠を示して「納得」してもらえます。

【相手の立場に立った分かりやすい抽象度で話す】

【特徴・スペックではなく、ベネフィットを伝える】

技術者に多いのが、技術の素晴らしさ、細かいテクノロジーを説明する傾向があります。しかし、それはVC・投資家向けプレゼンにおいては、すぐに提示する必要のない情報である場合が多いです。聴き手は、業界の専門家ではないのです。

□専門用語は避ける

中学生にもわかるようなシンプルで簡単な説明を心がける」ということを常に念頭に置いてコンテンツを組み立てると、分かりやすいプレゼンになります。

いくら技術がすごくても、それが伝わらなければ意味がありません

Simple&Easyな言葉で、ときに例えを交えながら、テクノロジーを説明するのです。

例えば、スティーブ・ジョブズのiPhoneの説明が良い例です。「音楽が聞ける携帯電話」と。実はiPhoneは携帯電話というよりもOSを搭載したパソコンのようなものだったのにもかかわらず、その技術の素晴らしさを説かずに、いかにシンプルで簡単に操作でき、使う人の生活を豊かにするかを描いたのです。

《スティーブ・ジョブズiPhone製品プレゼン》日本語字幕

ご参考までに以下がスクリプトです
(※スクリプトの時間表示はフルバージョンの英語プレゼン動画からです):

“Well, today, we’re introducing three revolutionary products of this class. [0:27:48]
The first one: is a widescreen iPod with touch controls. [0:27:59]
The second: is a revolutionary mobile phone. [0:28:13]
And the third is a breakthrough Internet communications device.[0:28:28]
So, three things: a widescreen iPod with touch controls; a revolutionary mobile phone; and a breakthrough Internet communications device. [0:28:44]
An iPod, a phone, and an Internet communicator. An iPod, a phone … are you getting it? [0:29:01]
These are not three separate devices, this is one device, and we are calling it iPhone. [0:29:19]
Today, today Apple is going to reinvent the phone, and here it is. [0:29:30]”

英単語も難しい言葉は使っていません。とても平易でシンプルな表現でiPhoneの革命的な技術を伝えています。

以下が日本語訳です。

“本日、革命的な新製品を3つ発表します。
1つめ、ワイド画面タッチ操作の「iPod」。2つめ、「革命的携帯電話」。3つめ、「画期的ネット通信機器」。3つです。タッチ操作iPod、革命的携帯電話、画期的ネット通信機器。iPod、電話、ネット通信機器。 iPod、電話……おわかりですね? 独立した3つの機器ではなく、ひとつなのです。
名前は、iPhone。
本日、アップルが電話を再発明します。これです!“

投資家が興味があるのは、技術研究の深さでも頭の良さでもありません。それがビジネスになるのか?です。

そして、ベンチャー企業、スタートアップがしなければならないことは、ビジネスや技術、サービスの素晴らしさを、業界外の人である投資家に分かりやすくインパクトを持って伝えることです。そして、その商品・技術がマーケットのニーズや時代の流れに合っていて、適切なサービス展開の戦略があり、競合との差別化ポイント、ビジネスの実現可能性・継続性、損益分岐点、回収時期、利益率、適切な人材(チーム)が揃っているか等の内容を分かりやすくコンパクトにプレゼンに盛り込みます。

素晴らしい技術や、サービス、他者より優れている点、ビジネス戦略や今後の可能性など、伝えたい「このような内容のプレゼンにしなければならない」と言うのは簡単ですが、実際にコンテンツを作成しプレゼンを実施するのは、(私にとっては)とても難しかったです。毎日ダメ出しをされてプレゼンを作成しました。

以上、簡単ですが、私がシリコンバレーで学んだ基本的な投資家向けプレゼンの内容です。当たり前で一般的かもしれませんが、、、

このトレーニングを主催してくださったのは、AppleにSiriを売ったスタンフォードの機関です。Appleに受け入られた、相手に響くプレゼンの秘訣を教えていただきました。

英語プレゼンの作成やコーチング、海外展開支援を承っております。
ご興味があれば、ご質問ください。

お読み頂き、ありがとうございました。

《本の紹介》
スティーブ・ジョブズ流のシンプルなプレゼン手法に、日本文化「Zen(禅)」を融合さ せた世界最新のプレゼンメソッドを【映像(80分)+ビジュアルブック】であますところなく学べます。
 講師を務めるのは住友電気工業や米アップルを経て独立し、今ではプレゼンの実施や指導における世界の第一人者として知られるガー・レイノルズ氏。
彼の著書『プレゼンテーション Zen』は世界17カ国で発売さ れ、15万部以上の大ベストセラーになっています。
 本著は、その彼が米グーグルやマイクロソフト、P&G、米スタンフォード大学や英オックスフォード大学など世界中の有名企業や大学から招かれて行っている“伝説の講義”を収録した大迫力の映像(80分)を本邦初公開します。

《連絡先》

《TEDから学ぶ英語プレゼン》はこちら


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