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生涯でたったひとつの愛だった

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内省にまみれた散文集。
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#同棲

無防備な恐怖、不安とひとつ

無防備な恐怖、不安とひとつ

 私はひとつになりたがる。
 どこででもぴったりくっついて、身も心もひとつの存在でありたい、あろうとする。

 でも彼はそうではなくて、ふたつであろうとする。
 ふたつで、ふたつだから愛せるようにいようとする。

 それは日常生活のなかでも顕著で、外にいる時いつも手を繋いだり彼のどこかしらに触れていたい私と、あまりそうしたがらない彼と。
 べたべたに甘えたい気持ちでそうしているというより、私は彼と

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愛しさと愛と嫌い

愛しさと愛と嫌い

 夜の散歩に無理やり引きずり出した時点で、結末は決まっていたような気がする。

 散歩行こう、と言った私に、えー嫌や、歩きたくない、と駄々をこねた(ように私には思えた)彼を強引に夜の中に連れ出した。

 始めは二人で散歩に行けることに浮き足立って、うきうきで飛び跳ねるように歩いていた。
 けど、目的地のコンビニまで三分のニほど歩いた交番の前で、彼の言葉に私がかっとなってしまった。苛立った私の「だか

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