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たそがれる時間(子どもと旅の思い出)

この内容は2011年10月頃の内容を
記憶を辿りながら備忘録的に紹介してます。


「たそがれる」

映画『めがね』でのセリフで幾度となく出てくるワード。私たちも初めての出産からまだ生まれて半年の子どものお世話で疲れを忘れて、ある意味「たそがれるため」に来た。

その事を頭の隅にイメージしながら部屋に入る。


目的地の最初の宿は、島一番のリゾートホテル
「プリシアリゾートヨロン」だった。
赤ちゃんたちも寝転がったり、寝返りをうつ頃だったので、絨毯の上で寝返りしたり
船旅の疲れもなく、オムツを替えてすぐに「たそがれたい」場所をチェック。

島のことを知りたくて、島巡りをフロントにて確認。
「百合が浜」が見える時期だったこともあり、ホテルからの送迎をお願いして
ホテルとは真反対側のエリアへ移動した。

百合が浜へ上陸

「百合が浜」は引き潮時に出現する白い珊瑚の砂浜のことをいう。
大潮時は浜の出現範囲がとても大きい。

私と友人とプラスαなベビー一行は
浜まで行ってくれる船とウミガメも見せてくれるパックツアーチケットを購入した。

ベビーを抱っこ紐で付けたまま海に落ちないよう、細心の注意を払いながら乗船。ある程度のお客さんが乗ると、船はすぐにウミガメがいる沖合いの珊瑚礁へ向かった。

途中、透き通るようなソーダー水のような水の色か船の激しい勢いで白波を立てている。太陽の光がキラキラ反射をして見惚れている間に船のガイドの方が何かを叫んでいた。

ウミガメ見えますか?

あっという間にウミガメは、私たちの視界へ飛び込んできた。

かなり近い。ウミガメの泳ぐ姿はまるで空の上を飛んでいるかのようだった。こんなじっくり見る事ができたのも初めてだし、ウミガメを生で見たことも初めてだった。

興奮冷め止まぬ間に
ガイドの方はもう次のスポットへ移動を始めていた。

いよいよ「百合が浜」の上陸ととなる。
先程の珊瑚礁がある場所から下が砂へと変わる。

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波もなく静かな海。
エンジンのモーターを止めて
その余韻で少しづつ浜に近づく。
ボートに当たる水の音が波と混ざる。
船が浜に付き、私たちは足先を白い珊瑚の砂にそっと下ろした。

百合が浜、上陸。

なんだか無人島へきた気分になる。
たそがれるどころか大興奮で落ち着くことはできなかった。むしろすぐにぐるりとその場で景色を360度見渡す。

きっと生後半年のベビー達には記憶など定着するわけもないというのに、子どもがはしゃぐようと私も友人もかなり興奮していた。

何もないただの浜の上。
足首まで浸かる透明の海。

足の先をずっと遠くまで見続けると海と空の境目に癒され
少しの時間、私達はたそがれていた。

波の音。
大切な時間だった。

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