島へ

そよ風と共に聞こえる波打ち際の音。
遠くの景色を見ていると空の青さと水平線の青
そして波打ち際の白、砂浜のはだ色とがグラデーションとなり
ダイナミックな風景を見せてくれる。

岸辺はもちろん、海岸には私たち家族だけ。
4歳と0歳の子どもと旦那さんと
かれこれこれで何度目の来島だったか？は思い出せない。

数える事も忘れるくらい
この島のことは大好きで、私たちの第二の故郷とも言える場所。

最初のきっかけ

きっかけは、友人の紹介で観た映画「めがね」だった。
荻上直子監督の作品が好きで、その頃ちょうど映画館で上映していて
前作「かもめ食堂」からの次の作品となり、荻上映画では期待が高まっていた。
キャスティングもカメラワークも台詞もスタイリングも荻上節炸裂。
見終えてすぐに撮影地が気になり、ネットで調べてようやくこの場所が
日本にある小さな島だということがわかった。

与論島。人口約5000人の小さな島。

撮影に使われた場所がヨロン島ビレッジだったこともあり
ブックマークして暇さえあれば宿のことを調べていた。
数年後、ビレッジのオーナーファミリーとご縁があるとは知る由もなく
ただただ島へ渡る方法を毎日考えていた。
自分が結婚すらしていない2007年のことだった。

そして…
世の中にとっても、私にとっても歴史に刻まれることが起きる。

2011年3月11日　東日本大震災。
2011年3月19日　長女出産。
初めて島を訪れた年　2011年10月。

同じ時期に出産した友人と生後6ヶ月の赤ちゃん抱っこして
島へ行くことに。
こんなタイミングが来るなんて…願ってもないチャンスだった。

東京、羽田空港から沖縄、那覇空港へのチケットを早々に取ってもらい、赤ちゃん達のオムツをパンパンに詰めて、私たちの約一週間の旅が始まった。