早川千晶

ケニア在住36年。キベラスラムで孤児や貧困児童の駆け込み寺マゴソスクール主宰 撮影コー…

早川千晶

ケニア在住36年。キベラスラムで孤児や貧困児童の駆け込み寺マゴソスクール主宰 撮影コーディネーター、「アフリカを深く知る旅」案内人。 日本全国Africa Talk&Liveツアー「ポレポレキャラバン」 マサイの伝統文化体験スタディツアー、キベラスラムのスタディツアー。

最近の記事

伝えるのではない。伝わるのだ。

日本全国各地を年に2回、アフリカトーク&ライブをしながら回る「大西マサヤと早川千晶のポレポレキャラバン」は、2003年にはじめたので今年で21年になる。 私が日本で講演を開始したのは1999年。 それまですでに10年間ケニアに住んでいたので、私にとって日本はすっかり遠くなってしまっていたけど、マゴソスクールをはじめたのでとにかく伝えたいことがあるからと、かなりドキドキしながら日本に行くようになったのだ。 私が世界を旅してアフリカに住み着き働いた10年間で、日本はすっかり様変

    • 足踏みミシンから広がる夢が子どもたちを救う物語。

      マゴソスクールのビッグママのリリアンは、かつてまだ20歳だった頃に両親ともに亡くし、17人の弟妹たちを守っていくために肉体労働や日雇いの仕事などをして少しでも小銭を稼ぎ、必死で生き抜いていた。 そんな中で彼女が持った夢は、「貧しくともオシャレがしたい。服やバッグや靴など、何でも自分で作れるよういなりたい」。 見よう見まねで足踏みミシンを練習し、うまくできなくてもあきらめず、何度も何度も挑戦して、最初は古着市場で仕入れたボロボロのシーツや枕カバーを使ってブラウスを作り、バッグを

      • 大自然の中で生きるマサイの暮らし。ある日常の出来事。

        マサイのジャクソンさんと永松真紀さん夫妻の村に滞在する「マサイの伝統文化体験スタディツアー」。この村にこれまで何回も訪れたけど、行くたびに新たな発見やビックリ驚く出来事、目からウロコがボロボロ落ちるような体験や、心からの感動に出会える。 今回の旅は、いつもに増してさらにすごかった。様々な出来事に出会ったのだけど、最も衝撃だったひとつの出来事を紹介したい。 朝早く、まだ真っ暗なうちに目覚めて、ゆっくりと日の出を見るのがいつもこの村で楽しみにしていることなのだけど、この日の朝

        • 【まだ間に合う!9月のケニアスタディツアーのお知らせ】~命に触れるケニア旅してみませんか?~

          満員寸前だった9月のスタディツアー企画に、なんとドタキャンが出まして、あと3名の方々の参加をお受けできることになりました❤チャンス~ッ!! 人生変わるくらいの、目からウロコぼろぼろ落ちるディープな体験、命に触れるケニア旅、来てみませんか? アフリカ旅のベテラン、私と永松真紀さんがやっているスタディツアーは、基本的には現地集合・現地解散なのですけど、それだとどうもハードル高いわぁという方のためには、ナイロビ空港送迎やナイロビの宿泊、ケニアで動き回るためのノウハウとか、アドバイ

        伝えるのではない。伝わるのだ。

          【マゴソスクール・2025年度からの展開】

          キベラスラムの孤児や生活困窮児童に対して、いつも皆様からの多大なご支援をたまわり、誠にありがとうございます。今日は、私たちの今後の新展開について、書きたいと思います。 ケニアが国を挙げてここ数年、大きな教育改革に取り組んできていることは以前からお知らせしてきましたが、その教育改革に対してマゴソスクールとしてどう対応していくのか、様々な経験と何度もの話し合いを経て、その方針が決まったのでここで詳しくお知らせしたいと思います。 ケニアの教育現場では現在、旧教育課程と新教育課程

          【マゴソスクール・2025年度からの展開】

          ケニアでいま起きていること

          ケニアにこの夏旅行を予定している方々から、ニュースを見て心配になって状況教えてくださいというメッセージを多数いただいています。そんな方々のために参考になりますように、少し状況をお知らせしますので興味ある方はお読みください。 多くのケニア人にとって大切な観光業、しかもそのピークシーズンが影響を受けているので、困っている観光業者がたくさんいます。むやみに恐れて旅行を中止する必要はありません。サファリドライバーやガイドなど観光業者はお客様の安全を守るために常に情報交換して万全の対策

          ケニアでいま起きていること

          友の訃報が届き、空を見上げる

          友の訃報を受け取った。 37年前のある一時期、ヒッチハイクや野宿で共に旅したオランダ人の友人だ。 私たちは中国に向かう船の中で出会い、そこからしばらく3人で、愉快で気ままな旅をした。 世界は広くワクワクに満ちていて、こんなにも私たちは自由だ、ということを、その旅の姿から身をもって教えてくれた人だ。 その時の私は、最愛の恋人を突然死で亡くしてわずか1ヶ月後で、とても寂しく、人生のすべてを失ったような空虚な気持ちでいっぱいだった。 でもそのオランダ人の2人組の旅人たちに出会

          友の訃報が届き、空を見上げる

          【かつて奴隷を運んだ風が、平和メッセージを運んでくれる】~カナリア諸島・ラム酒・大航海時代と奴隷貿易・アフリカから見つめる世界~

          昨日突然マサヤから、「明日出発でケープタウンに向かう。突然舞い込んだ仕事、船の上で演奏しながらカナリア諸島に向かう」というメッセージが届いた。 それを聞いて、ドゥルマの伝統儀式、早速効果が!と私はひそかに思ったのだった(笑)。本人からすると、「そんなの全然関係ないよ。たまたま偶然」と言うだろうけど、この「たまたま」というのが巡って来るか来ないかは大きい。 ちなみに、大西マサヤが2024年3月に受けた3種類のドゥルマ伝統儀式についてのレポートはこちら⇒ で、カナリア諸島と

          【かつて奴隷を運んだ風が、平和メッセージを運んでくれる】~カナリア諸島・ラム酒・大航海時代と奴隷貿易・アフリカから見つめる世界~

          ②大西マサヤと早川千晶のポレポレキャラバン2024秋★~Africa Talk&Live JapanTour~アフリカの風・いのちの響き★10/4(金)~11/17(日)★

          ※ポレポレキャラバン2024春初夏のスケジュール(5/17~7/7)は以下からご参照ください。→https://note.com/chiaki_nairobi/n/na38fe218e235 ケニア在住36年の早川千晶と、ドゥルマ民族伝統継承者であるミュージシャン大西マサヤの日本全国ツアー、ポレポレキャラバン。 毎年、年に2回、日本各地を駆け巡り、楽しい音楽と命のメッセージを伝えるお話をお届けしています。 講演、ライブ、ワークショップ、世界各地で活動する仲間たちとのコラボ企

          ②大西マサヤと早川千晶のポレポレキャラバン2024秋★~Africa Talk&Live JapanTour~アフリカの風・いのちの響き★10/4(金)~11/17(日)★

          ①大西マサヤと早川千晶のポレポレキャラバン2024春初夏★~Africa Talk&Live JapanTour~アフリカの風・命の輝き★5/17(金)~7/7(日)★

          またまたポレポレキャラバンが日本各地を旅します! 2024年は春初夏に東北・北海道、秋に四国・九州を中心に、日本全国各地にアフリカの風を吹かせていきます。 軽やかなアフリカンギターに飛びきり明るい歌声、アフリカの躍動感と生命力を伝えるタイコの響き。伝統曲、アフリカンポップス、心に響くオリジナル曲など、楽しいアフリカンライブと、困難な状況でも生きることを決してあきらめず、助け合いながら生き抜くスラムの仲間たちのいのちの物語。 キベラスラムで困窮児童や孤児の駆け込み寺「マゴソ

          ①大西マサヤと早川千晶のポレポレキャラバン2024春初夏★~Africa Talk&Live JapanTour~アフリカの風・命の輝き★5/17(金)~7/7(日)★

          【マサイの薬草の知恵】~マサイの伝統文化体験スタディツアーのウォーキングサファリから~

          マサイは自然界に存在するありとあらゆる植物を様々に活用しながら生きていて、その多様な活用方法にはいつも驚かされる。 マサイの伝統文化体験スタディツアーでは、マサイの長老ジャクソンさんと、その助手の若者と共に自然の中を歩き、いろんな植物や昆虫、動物などを見せて解説してくれる。これはツアーの醍醐味のひとつだ。 私はいったい何回案内してもらったかわからないくらい、何十回も、いやそれ以上かもしれないくらいこのエリアを歩いているけど、いまだに新しいことを教えてもらって感動したり、感心し

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          ゆとり世代とバブル世代。時代への考察

          (写真は全然関係ないですが、1999年ごろのキベラです) 10代~30代でケニアで起業したりインターンに挑戦したりなど、ホントに楽しそうにケニアで活動している若い日本人の人々のお食事会に招いていただいて、楽しい時間を過ごした。 話を聞くといろいろとビックリのことばかりで、面白くてもっと話が聞きたいと思ったのだけど、若い人たちにとっても私が話す昔のアフリカの旅や仕事の話は面白いと思ってもらえたようで、いろいろな世代でおしゃべりするのは新鮮で楽しかった。 それにしても、本当

          ゆとり世代とバブル世代。時代への考察

          あの世からの伝言は水に乗ってやってくる①

          昨夜はいい夢を見て明け方に目覚めた。懐かしかったし楽しかった。 夢に出てきたのは、私にとってアフリカの恩人ともいえる人だ。 彼は若い頃にパリで購入した車でサハラ砂漠を縦断し、そこからさらにスーダンなど陸路で抜けて、ケニアまでたどり着き、ナイロビで会社をおこした人だ。ヨーロッパで買ったのがどんなにオンボロ車でも、それを運転してサハラ砂漠を越えて西アフリカにたどり着いたら、ちゃんと儲かるだけの利益を乗せて売れたんだと、よく豪語していた。もともとは、東北の山のほうの出身で、演歌歌

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          病と飢えの苦しみは人間にとっての最大苦だと思う。~病気に耐えて頑張って高校受験したケニアの女の子の話~

          昨年末に受験した子たち(Magoso OBOG G17)の奨学金の手配と高校入学手続きをしている先週と今週。続々と高校に進学する中で、まだ出来ていない生徒も、まったく行ける資金のあてがなくて途方に暮れている生徒もいます。 そんな中、小学生の時から体調不良が続き、ついには血を吐くようになったけど頑張って受験した女の子がいます。家庭に事情があり極貧なので、学費だけではなく医療支援もすることにして病院に連れて行ったところ、ピロリ菌感染による胃潰瘍でした。投薬で治療開始しながら、無

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          ディープにケニアに触れる旅 ~2つのケニアスタディツアー。マサイとキベラ

          私のケニア生活も36年になって、つくづく感じることがいろいろある。 ケニアは観光客にとって人気がある国で、アフリカの中では日本の人たちにとって最も身近な国だろう。観光客も多いし、ケニアで起業やインターンシップなどに挑戦してみるとかいう若者たちも多い。それは今に始まったことではなく、私がケニアに来た1980年代からそうだった。 でも、ケニアに何度も繰り返しやってくる旅行者も、仕事で長年ケニアに関わっている人々も、ケニアの全体像を把握し理解することは容易ではない。ケニアはとて

          ディープにケニアに触れる旅 ~2つのケニアスタディツアー。マサイとキベラ

          マサイにとって一度結んだ友情と信頼は永遠だ。~その①~マサイの伝統文化体験スタディツアーを始めたわけ

          この世に残された最後の楽園 「マサイの伝統文化体験スタディツアー」を長年の親友であるマサイ第二夫人の永松真紀さんと、その夫でマサイの長老のジャクソンさんと共にやっている。このツアーで行くジャクソンさんの村は、私は数えきれないほどの回数で訪れているけど、最近ますますこの村が好きだ。大袈裟に言うと、この世に残された最後の楽園とはこのことか、とつくづく思うほどである。ここに一歩足を踏み入れて、ほんのわずかであってもその生活の中に流れている大地や命との確かな繋がりを経験すると、どん

          マサイにとって一度結んだ友情と信頼は永遠だ。~その①~マサイの伝統文化体験スタディツアーを始めたわけ