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病と飢えの苦しみは人間にとっての最大苦だと思う。~病気に耐えて頑張って高校受験したケニアの女の子の話~

昨年末に受験した子たち(Magoso OBOG G17)の奨学金の手配と高校入学手続きをしている先週と今週。続々と高校に進学する中で、まだ出来ていない生徒も、まったく行ける資金のあてがなくて途方に暮れている生徒もいます。

そんな中、小学生の時から体調不良が続き、ついには血を吐くようになったけど頑張って受験した女の子がいます。家庭に事情があり極貧なので、学費だけではなく医療支援もすることにして病院に連れて行ったところ、ピロリ菌感染による胃潰瘍でした。投薬で治療開始しながら、無事、明日は高校に入学します。

で、幼少時に状態の悪い水を使っていた子たちにピロリ菌感染ってありがちだと以前聞いたことがあったのだけど、こんな風に長年の間、体調が悪く、ついには血を吐くまでの症状になっていた子は、どのようなことに今後気を付けたらいいでしょうか。知っている人教えてください。

小学生時も、何週間も起き上がれなくなったりなどを何度も繰り返していた、そして吐血がはじまったと父親が言ってたので、かなり胃の粘膜が荒れているのかもしれません。父だけのひとり親家庭で、しかもお父さんも病気で働けない日が多いので食事にも不自由している家です。

そんな中での受験、よく頑張ったね。完治して高校生活を思いきり楽しんでもらいたいです。

それにしても、こうやってスラムの人々や子どもたちの一人一人の様々なことに対応していると、つくづくいつも思うことがあるのですが、病の苦しみと飢えというのは人間にとっての最大苦ではないでしょうか。

病に苦しんでいるのに医療が受けられない、そのためのお金がないというのは本当に辛いことで、いつもリリアンがかつての両親をほぼ同時に失った自分と自分の弟妹たちのことを話すときに、「薬なしになんとか耐え忍んで苦しんで運よく生き延びるか、もしくは死ぬか。そのどちらかしかなかった」と言います。

実は、様々な先進国からの医師や看護師、医学生などのチームが来て巡回診療みたいなことをやってくれる取り組みを、マゴソでも受け入れたことがあるのですが、やってみてあれはある意味残酷だと感じてしまう自分がいました。

その日に向けて告知をして、当日は多くの病気に苦しんでいる人たちが藁をもつかむ思いでやってくるんです。仕事を休んで。
そして、医学生たちがそんな患者さんたちの診療をするということが、彼らの経験として貴重なものだということは私にもよくわかるんです。

しかし、その後、患者にはなんら医療の手助けをしてくれるわけではなく、良い経験をした成功だったと帰っていかれます。取り残された人たちには、なんら長期的な助けも短期的な助けも得られません。(わずかに食料などをもらう場合もあります。)

だから、そういう人たちを私たちはその後も、食糧の手助けや何やらと出来るだけのことをやっていくわけですが、一人一人に病院での手助けをするのはお金もかかりとても難しいことです。
そのような、病気で苦しむ人たちに対して、少しでも救いになるような手助けが、お金の心配なくいつでも提供できるようだったらどんなにいいだろうと、常日頃よく思います。

でもとにかく私たちがここにいて、こうして相談に乗ることが出来たり、助けの手を差し伸べることができるこということが、日々の暮らしの苦労の中でかすかな希望の光になっているだろうと思うので、これからも頑張っていこうと思います。

このような、「使い道を指定しない募金(なんにでも使っていい募金)」の窓口にも、マゴソスクールを支える会がなっています。少額での募金も歓迎です。http://magoso.jp/support/donation

このような支援活動を長年やっていると、「支援は良くない」とか「依存体質を生む」とか「魚を与えるのではなく魚を取る方法を教えろ」というような批判を受けることがよくありますが、私はそうは思わない。

今日食べるものがなく、病気で薬もなく、立ち上がる気力もなく、どこにも救いがない人に、ここに来れば食べものがある、薬がもらえる、体を横たえて休む場所がある、話を聞いてもらえて寄り添ってもらえる、というような救いの場所がこの世にたくさんあったらいいなと思うし、寄り添いたいなと思うのです。

もしも自分がそのような状態になったとき、きっと必ず誰かが手を差し伸べてくれることでしょう。それが人間のあたたかさだと思うのですよね。

いつも応援くださいまして本当にありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします。

★まだ高校に入学する希望がない子たちがいます。もしも一対一での学費支援のほうに興味がある方がいらっしゃいましたら、お知らせくださいませ。私への連絡はメッセンジャーでお願いします。
https://www.facebook.com/chiaki.hayakawa1

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