夏が好きだった頃
暦の上ではSeptember、一気に秋の気配感じる午後
そんな時に聴きたいが荒井由実の「晩夏」
ユーミンの紡ぐ日本語の美しさと、移りゆく季節を流れる空気感を醸し出すメロディーは大人になった自分にとって郷愁にも似ている。
子どもの頃のなんにも考えなくとも楽しく過ごせた夏、それが終わりゆく時の何ともいえない物悲しさ。一年で一番好きな季節は夏だった。
気温の上昇とともに心が躍り、無邪気にその夏の空気と戯れた。空を眺めては入道雲の動きを見つめ、夕立のむせ上がる匂いを全身で取り込み、午後の気だるさの中でのひと眠り。
それはそれはしあわせなひととき。
本当にしあわせな時、人はその幸せを自覚していないように思う。それは、それが当たり前のようにそこに存在し、微塵も疑う余地がないからだ。
私も大人になって、結婚して、子どもを持ってはじめて親からの愛情を自覚した。子どもの頃は、親から愛されているかなんて考えたこともなかった。よく考えたらそれはとても幸せな事で、愛情がこの世に生を受けてから、ずっとそこに疑いもなく存在していたからに違いないのだ。
そんな夏の思い出を辿る、今ひとときの郷愁胸に。
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