短編小説『綾の果てまで』⑦
あの日から2ヶ月後、私はまた大阪の地にいた。
前と同じ出張がてらだけど。
今回も2泊3日。有給を使って一泊延ばしてもらった。
2ヶ月離れていただけなのに、見たことある景色に時間が経っていることを忘れてしまう。
恋人とはあれからぎくしゃくして、お互い核心を隠したままダラダラと付き合っている。
恋人は何も悪くはない。頼りにもなるし何かあれば引っ張ってくれる。
優柔不断で片付けが苦手な私を優しく受け止めてくれているのに。
あの日から違和感が増して、その優しさがたまに私が求め