ブラックなシェリー
会社員をしながら占いをしている、或る占い師の告白です。
真冬の早朝、派手なロイヤルブルーのワンピースを着た私は、鼻水をすすりながら繁華街の片隅にある占い師事務所に向かっていた。 ファッション感度の高い若者が集まる街で…
「シェリーさんのプロフィールお写真、可愛く加工しておきましたよー!」 スマホにグループラインが届き、甘めの可愛らしいアイコンがテンション高く話しかけてきた。(※…
「連絡途切れ途切れで不誠実にごめんね。」 数年間、待ち続けていたはずのメッセージは、理解不能な文字列としか目に映らなかった。 かつて狂おしいほど(というかちょっ…
2021年11月10日 01:50
真冬の早朝、派手なロイヤルブルーのワンピースを着た私は、鼻水をすすりながら繁華街の片隅にある占い師事務所に向かっていた。ファッション感度の高い若者が集まる街で、お世辞にも流行りの形とは言えないワンピースを纏って歩く。仕事のため…もとい、”占い師らしい”宣材写真撮影のためとはいえ、なけなしのプライドがひりひりと痛んだ。「今度〇〇で活動するシェリーさんですよね?お待ちしていました。」事務所
2021年11月6日 20:57
「シェリーさんのプロフィールお写真、可愛く加工しておきましたよー!」スマホにグループラインが届き、甘めの可愛らしいアイコンがテンション高く話しかけてきた。(※メンション)「復縁したくて占い師になりました」というタイトルに従うなら、占い師になるまでの経緯を順序だてて書くべきなのかもしれない。一方で、このシリーズ(?)は、”占い師になってから見てきたこと、感じたことを徒然なるまま書き綴る愚
2021年11月4日 00:33
「連絡途切れ途切れで不誠実にごめんね。」数年間、待ち続けていたはずのメッセージは、理解不能な文字列としか目に映らなかった。かつて狂おしいほど(というかちょっとどうかしていたと思う)愛していたはずの”元”恋人からきた一文は「いや、数年は途切れ途切れとは言わねえよ!!!」という正論でしかないツッコミを呼び起こし、めでたく占い師仲間の間で晒し者にされたのである。そう、私の仕事は占