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孫さんが”未来”と語るモビリティについて

今年の8月のSoftbank world2018の基調講演で孫さんがおっしゃられた、今後大きな革命がおこる三つの産業がずっと私の頭の中に残っています。

その三つというのは、エネルギー革命、情報革命、そしてモビリティ革命。

ソフトバンクビジョンでも、その投資理念としては、”その業界のトップの未上場起業にしか投資しない”と銘打っているにも拘らず、例外的に多数の企業に投資している業界ってご存知でしょうか。

ーそう、モビリティカンパニーです。

(中国のDiDi, シンガポールのGrab, アメリカのUber, インドのOla)

今回はそのモビリティのついて気になっていたので、

”MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ” という本を読み、モビリティについて考えてみようと思います。(300ページに渡るずっしりした内容でした!)

そもそもこの本のタイトルについて、下記のように定義されています。

MaaS・・・マイカーという魅力的な移動手段と同等か、それ以上に魅力的な交通サービスを提供し、持続可能な社会を構築していこうという全く新しい価値観やライフスタイルを創出していく概念

ですので、クルマだけの事では全くない、全く新しい概念と言えます。

例を挙げるとすると、月額制で会員になり、自宅からDisneylandに行くとします。まず家を出る前にアプリUberを使って最短経路を検索します。この結果、車と電車、最後にバスで行くのが最も最短に移動できると分かりました。ですのでまず、自宅よりUberで配車します。そうすると自動運転の無人カーがやってきます。この車で最寄りの駅まで目指し、駅に降ります。駅の中では改札がなく、シームレスに電車に乗り込みます。そしてDisney最寄り駅に降り、バスに乗り込みます、特段、支払いのプロセスもなく、Disneyに到着し、楽しむ。

こんな移動が日常的になります。

あくまでこれは一人称的なMaaSの見方であり、もっと広義の意味でMaaS (下記MaaSレベル参照) を考えると移動の安全性の向上、交通事故の減少はもちろん、駐車場敷地面積、道路面積が圧倒的に減少し、新しい都市空間、街路空間、さらには駅周辺の不動産環境の劇的な変化がやってくることが考えられます。つまり、交通を起点に都市がリデザインされる。

これってホントにすごい概念ですよす。

言い換えれば、過去にインターネットの出現した時のような革命だと考えられています。

インターネットによって、あらゆる産業が再定義されました。

お金の面では、通信料金制だったものが定額制に変わり、Youtube, Google, Facebook, Instagramの利用が爆発的にヒットし

コンテンツの面では、個別販売されていたものがパッケージとなってAmazon, Netflix, Linkedin, Huluで販売されています。

これらすべてがインターネットの台頭により生まれてきたものです。

MaaSでこれを同様に考えると

定額制によって乗り放題サービス、不動産やエネルギーマネジメントの革新、働き方、エンタメ、小売りの変化、

パッケージ化するMaaSオペレーターによるエコシステムの構築

更には下記のような産業全体に対して、インパクトを残すと考えられています。本当に大きなインフラです。

このように考えると、三つの革命で述べたそれぞれにオーバーラップがあり、モビリティ革命には自動運転といった情報革命の恩恵、モビリティ産業の根幹にはエネルギー革命の恩恵といったように相互に発展しつつ、イノベーションは起きる必然性があると思いました。

そりゃ、ここまでのインパクトが考えられているならソフトバンクしかり、世界の政府しかりで投資しますわな、って感じです

さて、驚くことにこのような革命は今後10年くらいのタイミングでの実現が本気で考えられています。

世界には既に先駆けてWhimやMoovit、mobilityX, NugoといったMaaSの実現に取り組んでいる会社が実は多数存在しています。更にこれらを取り巻く環境は下のカオスマップにある通り、多数の企業が尽力しています。

こちらの記事は"MaaSの生みの親", Whimついて書いていますので、参照先として.

先行事例を参考に日本向けにローカライズする際にすごく参考になりそうな知見なので自分としてはこれらをうまく移植したいなと思います。

MaaSの展開として、日本が最も誇る産業として自動車産業があり、幸いながらトヨタ自動車の豊田章夫社長は利益相反が少なからず考えられるにもかかわらず、”全方位戦略”を打ち出していますのでMaaS展開が国民的にも認められやすいと考えています。

また日本は少子高齢社会であり、テクノロジー親和性の高い民族ですので、MaaSにおいては世界からの遅れを取り戻せると信じています。MaaSで日本が本気で変わることを願い、陰ながら私のその展開に貢献できればなと思います。

MaaSのビジョンは壮大すぎるためにどういう事ができるのかすごく不透明なことが多いですが、ほんとに数多くの産業のインフラになりえる可能性が濃厚ですので、”MaaS × 〇〇”といった部分でビジネスが今後たくさん出てきそうで、そこにからめるよう情報をキャッチアップしていきたいですね。

以上、熱くモビリティについて語りすぎました.



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