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理系大学生は自主ゼミをするべき!! やり方、メリットを解説。【筆者の体験談付き】

自主ゼミとは、簡単に説明すると、大学の授業とは別に学生が主体となって行う勉強会のことです。
この記事では自主ゼミの始め方進め方、また筆者が実際に自主ゼミをやって感じたメリット反省点を説明していきます!
これから自主ゼミをしたいと思っている大学生。とくに1,2年生の方に読んでいただきたいと思います!

はじめに:自主ゼミをしよう!

まず、私は大学の講義より自主ゼミの方がより知識が身に着くと考えます。
その違いは受動的か、主体的かにあると思います。

まず大学の講義が受動的になる理由について。
講義によって異なりますが、大学の講義、特に理系の基礎教養科目の講義は1人の先生に対し、数十人から数百人の学生に向けて行われます。そして
教科書やレジュメに沿って授業は進行していきます。
このような形式ですので、学生が主体的に学びにくいなと感じます。
もちろん、授業後の質問などを丁寧に対応してくださる先生も多くいらっしゃるのですが、大学の先生の本業は研究。すべての学生に対し多くの時間を割くことはできません。
となると大学の講義だけで学ぼうとすると受動的な学びになってしまいます。

単位さえ取れればいいみたいな考え方の人ならばそれでいいのですが、
せっかく努力して高等教育機関に入ったのですから、もっと主体的に学びたいと思う人も多いはずです。

そんな主体的な学びを促してくれるのが自主ゼミです。
自分から進んで学んだことはやはり身に付きます。

そして私がここで声を大にして言いたいのが軽い気持ちで始めてもよいということです。勉強会という堅苦しい言葉を聞くとハードルが高く感じてしまいますが、始めることに損はありません。
では具体的な始め方から見ていきましょう。

<自主ゼミの始め方>

・その1 人を集めよう!

一人では自主ゼミはできません。当たり前です。
理系の自主ゼミであれば同じ学科の人に声をかけるのが手っ取り早いでしょう。同じ分野を学んでいるわけですから。
普段から仲が良い人とやるのは、その人が勉強熱心な人であればいいのですが、遊ぶためにつるんでいるような人であれば別に人を探すといいかもしれません。
「あの人、いつも前の席で熱心にノートとってるな」
「あの人、いつも授業後に先生に質問して言われたことをメモしてるな」
人は周りに影響されます。自主ゼミをやるときは、このような勉強熱心な人に恥ずかしからずに声をかけるといいかもしれません。

人数は三人以上がベストです。
二人でやるのは、疑問が現れたときに解決をするのが難しくなるなど、デメリットがあります。

・その2 内容を決めよう!

自主ゼミの内容についてですが、一人では理解しにくい分野がベストです。
例えば私は化学科ですが自主ゼミの内容は量子化学(量子力学)にしました。理由はずばり難しいからです。

せっかく集まって勉強をするのですから一人で勉強しても理解できる、あるいは大学の講義だけで十分理解できる内容を選ぶのはもったいないと思います。まあ、大学の理系の教養はどれもこれも難しいですけどね…。

また「大学の講義でやることの予習復習」か「講義ではやらないこと」のどちらを選ぶかという問題ですが、初めて自主ゼミをやるのであれば前者がやりやすいかなと思います。そのあと慣れてきたら後者にも手を出していきましょう。

・その3 使用する参考書を決めよう!

使用する参考書について、簡単な方がいい、難しいほうがいいなど様々な意見があります。が、私は初めて自主ゼミをするのであれば普段の講義で使う参考書でいいのではないかと思います。

私は物理化学の名著『アトキンス物理化学 (東京化学同人)』を選びました。そしてこのうち7章から9章までを分担して春季休業期間中に勉強することにしました。

・その4 スケジュールと場所を決めよう!

まずスケジュールについては週に1,2回がベストだと思います。
普段の大学の講義とおなじ頻度ですね。これ以上多くなると自主ゼミまでの勉強が追い付かなったり、予定が合わなくなったりします。逆にこれよりも少ないと前回の内容を忘れる可能性があります。メンバーが最も都合の良い曜日を決めて進めていきましょう。

また場所についてですが理想的なのは大学のホワイトボードがある部屋でしょう。しかし、メンバーの中に大学までの距離が遠い人がいたり、コロナの影響で使用禁止だったりする場合もあるので、そのときは誰かの家という選択肢もあります。

ここまで決まれば準備はOKです。
次に具体的な進め方について解説していきます。

<自主ゼミの進め方>

・その1 最初の集まりで役割分担を決める

理系の自主ゼミは基本的には輪講という形式で行われます。
これは一冊の本の内容を互いに発表し合うことです。
そのためにはまずそれぞれが本のどこからどこまでを担当するのかを決めなければなりません。
私の選んだ本は幸いなことにトピックごとに分かれていたので分担しやすかったです。何ページから何ページまでを誰々が担当と決めてしまいましょう。

・その2 (自主ゼミ当日まで)自分の担当になった範囲を"ガチ"で勉強する

急に語彙力がなくなりましたね。しかし誇張表現ではないです。
担当となった範囲はほかの人からどのような質問が来ても答えられるように必死に勉強します。自分でやっていて分からない部分があればほかの文献を参考にしましょう。
私もよく分からなかった部分は他の量子力学の本を参照したり、力学の本から数学の本までありとあらゆる文献を使いました。
またインターネットも使いましたが、これに関しては引用の際、信頼できるソースかどうかに注意してください。
"ガチ"のレベルがどれぐらいかは人によりますが、とにかく真剣に学んでみてください。

・その3 (自主ゼミ当日まで)自分の担当範囲の発表の準備をする

読んで解釈した内容を発表するときプレゼンやレジュメがあると効果的でしょう。
私はパワーポイントをつかって発表の準備をしていました。
強調したい部分を色付きにしたり、図を多く使うことで分かりやすくなります。またパワーポイントでは数式の挿入ができるので理系の自主ゼミであればこの機能をふんだんに使うことになるでしょう。
(ところで換算プランク定数、ħを"エイチバー"と入力しただけで出てくる機能はいつ付きますか?)

・その4 (自主ゼミ当日まで)他のメンバーの担当範囲を読み、質問を考える

他のメンバーが担当している範囲も勉強しましょう。
この時は、どこが分からないのかを明確にする読み方が大事です。
出てきた質問は記録しておき、当日に備えましょう。
ここからは当日の進め方の話です。

・その5 (自主ゼミ当日)参考書の流れに沿って順番に発表

さて、自主ゼミ当日です。参考書の流れに沿って順番に発表しましょう。
自分が発表するときと他の人が発表するときの留意点を書きます。
◎話し手の時
自分が発表しているときは相手にわかりやすく論理的に伝えましょう。
逐一、「ここまで大丈夫ですか」と確認するのもよいです。質問されたら答えていきましょう。
◎聞き手の時
話し手としては聞き手が「うん」とうなずいたり「ここはこういうことで良い?」と確認してくれると「ああ、理解してくれている」と分かり講義を進めやすいです。質問を途中にするか発表後まとめてするかは人よってどちらがやりやすいか変わるので先に相談しておきましょう。

ここで意識したいのは議論をすることだと思います。
普段の講義とは違い少人数でやっているので解釈の違いなどがあれば議論をして解決につなげていくことが大切です。

・その6 (自主ゼミ当日)どうしても分からないことや新たな疑問を記録

それぞれが真剣に勉強してきてたくさんの議論をしてきてもどうしても分からないところは出てきます。また理解が深まるにつれて新たな疑問が出てくることがあるでしょう。そうしたことは記録をして置きましょう。
ここで出た疑問は次の自主ゼミまでに調べて置いたり、もし自主ゼミの内容が授業の予習の範囲などであれば、先生に聞きに行くことも手です。

以上が自主ゼミの準備から当日までの流れになります。

私はこの大学1年の春休み(執筆当時)に実際に量子化学の自主ゼミを行いそれをもとに記事を書いています。ここからは、そこで気づいたメリットと反省点を書いていきます!

<筆者の自主ゼミ体験談~メリットと反省点~>

・メリット1 勉強する理由ができる!

難しい分野は自分で勉強しようとするとなかなかモチベーションが生まれません。本当は一人でも勉強できればいいんですけどね。
自主ゼミを開くと自分が担当している範囲を勉強をしないと他のメンバーに迷惑をかけてしまいます。すると勉強せざるを得ない状況を作り出すことができます。つまり勝手に知識を取得していけるわけですね。
自主ゼミを開くのは意識の高い人というイメージがありますが、このことからむしろ怠惰な人にこそおススメできます。

・メリット2 改めて学問の面白さを見出せる!

私が選んだ「量子化学」という分野。
初めて学んだときはわけわかんねえなと思っていました。
しかし学びを深めていくほどこれが面白い。さらなる勉強の励みへと繋がります。また面白さだけでなく大切さも同様に見出せるでしょう。
「この部分はもっと数学の知識が必要だな」と思い数学の勉強を始めるなど、より深く勉強することで向学心のスパイラルを生むことができます。

・メリット3 長期休みに開くと知識が衰えない

大学の休みは2か月あります。そしてこの期間に全く勉強しないと大変なことになるのは分かると思います。
長期休みの自主ゼミは継続的に勉強する良い機会です。
また、大学の講義をインプット、自主ゼミをアウトプットとして捉えるとより自分が知識を習得している感じを得られます。

・メリット4 難しい本を読むことへの抵抗がなくなる!

大学の勉強に使う本はやはり難しいものばかりです。
それもそのはず、高校までの参考書は大学に受かるための本でしたが、大学の参考書は学問を理解するために書かれているからです。
1,2年生のうちは特に抵抗があるでしょう。
自主ゼミをすることで「難しい本を読む」という経験を積むことができるのでこうした参考書への抵抗感が少なくなります。
冒頭に1,2年生の方に読んでいただきたいと書いたのはこのためです。
こうした本には学部生の早いうちに慣れておいた方がよいと思います。

以上が主に感じたメリットでしょうか。
続いてもっとこうすればよかったという反省点を書いていきます。

・反省点1 やはり3人以上は必要

上記で集まる人数は3人以上がベストと書きましたが、実は私は自主ゼミを2人でやってました。人が集まらなかったのです。シクシク。
で2人でやっても成立はするのですが、やはり議論を活性化させるためには3人は欲しいなと思います。また2人だと疑問を解決するのに時間がかかってしまいます。次からはもう一人、誰か参加してくれないか探さなければと思いました。

・反省点2 ホワイトボードが欲しい

この自主ゼミは私の家で行っていました。
しかし実際にやってみてまず「ホワイトボードが欲しいな」と切に思いました。数学的な証明などを説明をするときは書いて説明するのが分かりやすいです。しかし、我が家にはホワイトボードがなかったのでA4のコピー用紙を使っていました。別にそれでも支障はないのですが紙がもったいないうえやはり何度でも消して使えるホワイトボードが議論には必須だと感じました。

でもそもそも…

・反省点3 家よりも大学の方がいい

やはり自分の家だと緊張感がないのです。やっぱり「ゼミ」を名乗っている以上ある程度しっかりとした場所で行いたいものです。
ただ昨今のコロナウイルスの影響でなかなか難しいですが…

・反省点4 チューターが欲しい

より知識を持った先輩がいれば楽なのになあと何回も思いました。
ただ理系学部は先輩になればなるほど忙しくなるので中々頼みずらいところではあります。

・反省点5 他の専攻の人がいれば面白かったかも

例えば私の場合、化学科で集まって勉強して得おりましたが「量子化学」という分野は物理や数学とも密接に関わるのでそうした他の専攻の人の話も聞きたかったなと思います。生化学の場合は生物学科の人の話も聞きたいですね。

これから自主ゼミを開くときは上記の点を解決していきたいなと思います。
以上が私が自主ゼミを開いた体験談でした。最後にメリットや反省点以外にちょっとした疑問を付け加えたいと思います。

<自主ゼミ FAQ>

・コロナ禍で集まるのはどうなの?

私は当初、遠隔で開こうとしていました。しかし私含めて2人しか集まらなかった事。またもう一人のメンバーが対面でやった方がいいと申し出たので、対面でやることになりました。
もしあなたが自主ゼミを開き、喜ばしいことに5人ぐらい集まったとすると、今の情勢では遠隔で行うことも手段として考えておくことも必要です。なお、一部、テレワーク用ソフトは有料ですのでそこらへんはよく相談を。できれば画面共有ができるソフトを使うのがいいでしょう。(プレゼンがしやすくなります)

・同じ分野で別の本を使うのはアリか?

例えば私の場合、今回はアトキンス物理化学を使いましたが他の本で勉強するのはアリかという疑問
個人的にはアリだと思います。
そのときはより専門的な本にした方がいいのかもしれません。

・文系分野の自主ゼミはどんな感じ?

私は再三書いていますよう理系学生ですのでこれに関しては分かりません。
ただ文系の方の勉強内容でいいますと哲学など答えのない学問も多いため、理系のそれとは待った毛色の違ったものになると思います。
私は哲学に興味があるので、もしどこかでデカルトの『方法序説』を読む自主ゼミがあれば参加させていただきたいものです。

<終わりに>

いかがでしょうか。
長い記事になりましたが、それだけ自主ゼミに魅力があるということです。
もし開くかどうか迷っているのであれば軽い気持ちでぜひとも開いてみましょう!きっといい影響を得られるはずです。

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