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支援を受け、運転免許を取得しました【精神・発達障害】

こんにちは。

発達障害(ASD、ADHD)、精神疾患(不安障害、抑うつ)のある
通信制高校卒業生 の 放送大学生 チーズフォンデュと申します。

わたくしチーズフォンデュ、ついに運転免許(普通車AT限定)を取得いたしました!


精神障害発達障害を抱えているため、通常のように教習所へ通ったり、試験を受けたりすることは困難でした。


そのため教習から本免学科試験まで、本当に多くのサポート配慮を受け、無事に取得することができました。


私がどんなサポートを受けられる環境を選んだのかや、どんな配慮を事前に申し出たのかをみっちりご紹介いたします。


個人情報保護のため、教習所名など一部有料とした部分もありますが、無料部分のみでも十分すぎるくらいの情報量を詰め込みました。


前置き 〜私の症状〜

発達障害

私は発達特性がすごく強い!というわけではなく、ぱっと見は適応できているようにみえます

表面上では適応出来ているようにみえるだけであって、適切な適応は出来ていないため、過剰適応でストレスを抱えがちです。


聴覚過敏をはじめとする感覚過敏は強く…イヤーマフで苦手な音を遮ったり、光の眩しさや、画面での疲れ目のしやすさにサングラスで対応が必要です。

精神障害

発達障害よりこちらの方が、社会生活への深刻な影響があります。


不安障害により、人(特に集団や不特定多数)に対して強い不安があり、最悪の場合パニックを起こしたり動けなくなります。

特に人の密度が高い場所や、頼れる人がいない環境で不安症状やパニックが起こりやすいです。


集団授業がかなり苦手で、教室に入ることができません

教習所の見学をさせていただいた時に、学科の教室を見て一瞬で『これは絶対に無理』と感じました…


心の調子の波もあり、突然ベッドから起き上がれない日がやってきたりします。

不眠がちでなかなか寝付けず、睡眠リズムが後ろにずれ込み、午前中が寝て潰れることがあります。

その他 身体の症状など

起立性調節障害グレーゾーンであり、急に立ったり立ち続けたりすると、異常な疲労感や気持ち悪さを感じます。

また引きこもりがちを何年も続けていたり、精神症状で疲れやすいため、体力がなく非常に疲れやすいです。

免許を取る前に


公安委員会の指定する「一定の病気等」に当てはまると、運転免許を取得ができなかったり一定期間取り消しになったりします。

「一定の病気等」とは精神疾患、てんかん、視野障害、意識障害を引き起こす病気…など多くあります。


ですが「一定の病気等」に当てはまる場合でも、症状が安定していることを診断書にて証明できれば

病気や障害があっても、運転免許は取得することができます。

(ただ認知症は例外で、症状に関わらず診断がついた時点で免許は問答無用で取り消しだそうです)


聴覚障害、肢体不自由など身体障害の場合、一定の運動能力があれば(設備などの条件付きになることもありますが)免許が取得できます。


漠然と知的障害があると免許は取れないと考えてしまいがちですが、IQ(知能指数)による制度上の制限は一切ありません

理論上は、IQ50程度でも免許取得可能なケースもあるそうです。


病気や障害がある場合、必ず免許センターにて「運転適正相談」を受け、診断書を提出しましょう。


病気や障害を隠したまま運転し、事故を起こすと「"危険" 運転致死傷」として通常の事故より罪が重くなる可能性があります

たとえ事故を起こしていなくても「過労運転等」として

・違反25点
・3年以下の懲役、または50万円以下の罰金
・免許取り消し、欠格期間2年

とリスクのある状態(=病気や障害を把握している)での "運転が発覚" した時点でかなり重い違反になります


を飲んでいる場合も注意が必要です。


「運転禁止」や「運転は控えてください」と注意事項に書かれている薬を服用している場合、

危険運転致死傷や過労運転等に含まれる(=一定の病気と同じく罪が重くなる)ため、医者や薬剤師に確認してください。


病気も障害も薬も『大丈夫』『気をつければいい』と考えず、必ず医師に運転について相談しましょう。


私も主治医に運転免許取得について許可を得て、教習所に入校するより前に運転適正相談を受け診断書を提出。

薬を頓服のみにし、運転する2日前から薬を禁止にしています。


(当初私は漢方薬で頑張っていたのですが、効果がなくどんどん悪化し、結局ごくごく短期ながら入院したので

もし運転のために薬を変更するという方は、前もって変更し、その薬で大丈夫だという十二分な確証を得てから入校することをおすすめします)


↓一定の病気等について 警察庁



自治体によって対象の方は違いますが、障害者手帳を取得していると、運転免許取得費用の助成があります。

身体障害がメインですが、知的障害が対象の自治体もかなり多いです。一方精神障害は少なめな印象。


申請のタイミングも自治体によって違うので、"教習所に入校する前に" 自治体までご確認されると良いと思います。


発達・知的障害者向け 運転免許取得プラン「つばさプラン」


「つばさプラン」とは、発達障害者や軽度知的障害がある方が運転免許を取得するためのサポートプランです。


発達障害といってもASDやADHDだけでなく、学習障害の方にも対応しています。

また障害者手帳を持ってなかったり、医師から診断されていなくても受け入れているようです。


特性への対応だけでなく、発達障害に伴う精神症状へもある程度対応してくださるため

教室に入れないなど、精神症状が原因の壁が大きかった私でも、安心して通いきることができました。


つばさプランを生み出した鹿沼自動車教習所は栃木県にありますが、全国各地から発達・知的障害を持つ方々が集まっているようです。


遠方の場合、合宿にて受け入れていただけるようです。



私は栃木県まで合宿に行ったのではなく…つばさプランを実施する、別の教習所に通い教習を受けました。

具体的な教習所名などは、個人情報保護のため有料部分での公開にさせていただきます。


鹿沼自動車学校以外の教習所でも、一部合宿での取得が可能なようです。

ご興味のある方は、HPをご覧になってみてください。


↓つばさプラン HP


教習所で受けた、主なサポート


・聴覚過敏のため、コロナ禍でしたが教室のドアや車の窓を閉める

・視覚過敏のため、サングラスの着用。
(どこを見ているかわかるよう、教官から目が見える透過度のサングラスのみ可)


・見通しがたてられるよう、教習所による一括予約

・教習は平日のみ、午後から

・体力面の不安から、ゆったり目のスケジュール。体調に合わせ随時リスケジュール


・集団授業の教室に入れないため、学科を可能な限りマンツーマンで受講

・複数人で行うことが多い技能(セット教習、高速教習)を教官と2人のみで実施


・混乱しにくい具体的な指示

メールでの連絡、相談


学科をマンツーマンで受講させてもらえたのが本当に大きく、集団授業だったら間違いなく早い段階で辞めていました。


マンツーマンだと、こちらが授業途中で喋り始めやすく、気兼ねなく質問をしまくれるので

『これはこういうことですか?』と自分が正しく把握できているかを確認したり、

『こういう場合は?』と通常の教習では深く触れない(かもしれない)ところまで聞くことができました。


何度も何度も心身の調子を崩し当日キャンセルをしたり、精神的にダメダメになって入院しその後も少しお休みしたり…

なんだかんだありまくり、入校から卒業まで半年かかりました。


ですが学科も技能も楽しかったため、総合的には『いろいろ大変だったけど楽しかったな〜』という感じです。


本免学科試験で受けた、合理的配慮


教習所で、『以前の卒業生のなかに、本免学科試験で合理的配慮を受けた方はいるか』『その人はどんな配慮を依頼したのか』と聞いたところ

同じ教習所にはいなかったようなのですが、運転免許センターに教習所から合理的配慮について問い合わせていただき

座席の位置配慮イヤーマフの着用許可をしていただけた、と教官から聞きました。


その後、自分でも運転免許センターに問い合わせ、話がきちんと通っているかや当日の流れを確認。


試験の数日前には『この日に伺いますので、よろしくお願いします』と連絡もしておき、準備万端。

当日は学科試験の受付をする前に、適正相談で診断書も提出しました。

結果的に

・試験中のイヤーマフ着用
・座席の位置配慮(後方角)


の配慮をしていただき、何事もなく学科試験に合格することができました。


当日実際に体験して分かったのですが、注意事項や手順の説明などを、がーっと一気に口頭でされ

短期記憶力が低めで視覚優位(=口頭指示が苦手)な私は『次なんだっけ…』とついていくのにギリギリでした。



メモを用意するなり、説明を分割していただくなり、1人追加で人をつけてもらうなり、書面での用意をしていただくなり…

口頭指示が苦手な方は、事前に何かしらの対策をしておくと良いかもしれません。


ただ、試験中にメモ用紙を机の上に出しておくことはできないので、試験の注意事項はメモをしてもあまり意味がないかもしれません。

事前に、試験中メモ用紙を出したままにする許可を得ておけば良いかも…?


教習や試験環境という点では、本当に様々なサポートや配慮をしていただきましたが

各試験内容は通常と全く変わらずで、多めにみていただくこともなく…むしろ教習所も本免学科試験も高得点で通過することができており

運転免許を取得できたのは、紛れもなく私の実力だと胸を張って言えます。



病気になってから達成できたものは少なく、ついできなくなったものばかりに目がいってしまうので

運転免許を取得でき、私もまだ捨てたもんじゃないかも!と自信に繋がりました。


だからといって油断をするとすぐに事故につながりますので、慎重な安全運転を徹底

もし集中できそうになければ運転を控えたり、運転代行を呼ぶようにします。


全く同じ診断名だったとしても一人一人特性などは大きく違うので、私が大丈夫だったからあなたも大丈夫!とは言えませんが

もしこれを読んで、病気や障害があっても運転免許を諦めない人が1人でも増えてくれたら嬉しいな…と思います。


ご拝読ありがとうございました。


以下の有料部分

・私が通った教習所名
・メリット
・デメリット
・人によってメリット、デメリットどちらなのか分かれそうなもの


になりますので、教習所について詳しく知りたい方向けとなっております。


お支払い確定前に、以下の2点をご了承ください

・私の住まいは東京都隣接県で、東京都周辺在住でない方には参考にならない可能性が高いです
・個人情報保護という意図で有料にしているため、返金は受け付けておりません

お世話になった教習所名

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