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 18時半ごろから赤ワインを飲み始める。いつもは21時に練習を終えてスコッチを飲んだりするのだが、たまにはこういう日があってもいい。「わかんのかんの菅野美穂」があるなら「好きやさかい堺雅人」とか「やる気あんの庵野秀明」があったっていいし、定住型のパラノ社会にもノマド的な人種がいたっていい。自らマイノリティになりに行ったっていい。「トランスジェンダーになりたい少女たち」あれ買ったけどまだ読んでないんよごめん。高橋源一郎の本には「失われたTOKIO求めて」があるし、ライ麦畑でつか

    • 14:または、もう孤独じゃない!

       バイト前に絶対ご飯食べようと決めて、それからゆっくり風呂に入って、ゆっくり本を読んで、「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」の続きをティモシー・シャラメが気に食わなくなるまで見て、ゆっくりコーヒーを飲んで、「あー楽しかった」ってそのままバイトに行く。この食べる事を避けながらその周りをぐるぐる回っている様子は、神を直接的に描かずにその周辺を描くことで間接的に神を描き出そうとするハイデガーのいう詩の否定神学みたいだし、精神分析的には人間が生育段階で去勢されて享楽を失うこととか、も

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         ウディアレンの何かしらの映画をU-NEXTで流しながら練習するというのを、ここ最近やめられない。個人的に一番練習がはかどるのは「ギター弾きの恋」だ。どういうわけか、映画の序盤あたりで主人公のエメットがライブの出番に遅刻するシーンが一番僕は好きだ。派手な洋服をいっぱい持っていて、白のタキシードがよく似合って、ピストルでネズミを射撃するのが大好きで、大酒飲みで、酔っぱらってステージに出るなどお手の物、盗み癖まであるときた。一方で契約主には叱られまくり、度々解雇を迫られる、節制し

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           デイヴィッドリンチの映画を見るうえで大事なことは、字幕をしっかり読むことでも、あらすじや人物の相関図を自分の頭の中で組み立てていきながら見ることでもなく、見ながら時々後ろを振り向くこと、それから振り向いたときに髪の長い女が立っていても文句を言わないこと、この二つだ。僕は上述のごとく、時々後ろを振り向きながら「インランド・エンパイア」を見た。僕は以前から、髪の長い女のイメージが頭から離れない。その女は「やめてやめてやめてやめて」と言いながら僕に近づいてきて、僕がゴルフクラブか

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          11/27  Flipper's Guitarの「Groove Tube」を聴きながらパスタを茹でる。初めて聴いたときこそほとんどカスリもしないほどハマらなかったものの、今ではすっかり聴きまくっている。この音楽に優れている点は、リスナーを置き去りにしてしまうところだ。大成功したテーブルクロス引きみたいに。テーブルクロスが音楽で、食器が僕らだ。しかもタチの悪いことに、ほとんどのリスナーは置き去りにされたことに気が付かない。やたらとトロくてダサい渋谷系として切り捨ててしまう。御

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          11/25 午前11時頃  駅のコンビニでカロリーメイトとウィルキンソンの炭酸水を買う。クレジットカードで、と言ってGoogle Payをかざすと決済出来なかったので、すいませんやっぱりQuick Payで、と言う。若くて可愛い店員に嫌な顔をされる。  電車に乗る。ホームレスのおっさんが車両内をウロウロしている。僕の前に立ち止まったか思うと今度は向こうに歩いていって、しばらく立ち止まって、また戻ってくる。しばらくそれを繰り返したあと、やっと座る。車両を移りたかったが、たまに

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          1/23 夜  炭酸水とワインを交互に飲む。この飲み方の面白さに気付いているのは僕を含めて日本で600人くらいしかいないだろう。小学校の体育館を一杯にするくらいの規模だ(かなり適当なことを抜かしている)。僕のお守りとも個人的辞書ともいえる最悪な書物、中島らもの「アマニタ・パンセリナ」から引いてみるに、筒井康隆は睡眠導入剤とキッツい酒とを同時摂取してバチコーンとトリップしていたそうだが、このワインと炭酸水というのは筒井康隆のそれを10分の1ほどに可愛らしくしたものに当たる。大

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          11/22  11月22日は友達の誕生日、そして大学の先輩の誕生日、それから成田凌の誕生日。僕の今までの人生に現れた主要な人物の誕生日は11月に密集しすぎている。仮に僕が凶悪な犯罪を犯したとして(そんなつもりはさらさら無い)、ニュース番組のインタビューを受けるのは全員11月生まれだったということにもなりかねない。  パスタを茹でてパンを焼く。そろそろガッツリ食う朝がないとマズいと思ったからだ。音楽は聴かない。イヤホンするのももどかしいからだ。7:30に起きたので今日は相当

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           ジェイコブ・コリアーの「Djesse Vol. 3」を聴きながらパンを焼いてコーヒーを淹れる。最近何聴いてんの、という問いに対してジェイコブ・コリアーと答えることの多い人生だったので、へぇジェイコブ・コリアー聴いてるんだ、という返事をする人を別にすれば、「コリア」という部分だけを抜き出して不思議な顔をする人々に対して散々腹を立ててきたのだな、という所までは容易に想像がつくだろう。同情してほしい。同情された上で金も欲しい。いや、やっぱり同情のオプションはいいので金だけ欲しい。

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           午前一時にバイトを終えて帰宅する。髪の量が増え過ぎたので梳きバサミで減らす。今年の夏に美容院に行ってパーマをあててもらったことがあったが、自分で髪を切っているという旨の話をした時に綺麗な美容師さんは「え〜見えなぁ〜い」といった意味の言葉を発していたが、その時はあたかも合コンに来ているかのような気分になった。それが本心から出た言葉なのかもしくは、「35歳です」「え〜見えなぁ〜い」と同じくらいの質量の食パンだったのかの真相は未だに明らかではない。その答えを聞き出すためにもう一度

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           サム・ゲンデル(サムゲタンみたいだ)の「AUDIOBOOK」のうちの確かWXに半ば叩き起こされるような形で起床。CIAが例えばグロッグなんかをガンホルダーから素早く引っこ抜き、弾倉の18発(ググったところ正確には17発+1発らしい。1発を銃身に前もって装填しておかなければならない)をフルオートですべて撃ち切ってしまい、スペアのマガジンを装填するに至るまでの厳しい訓練の影がうかがえる動作を彷彿とさせるような、目にもとまらぬ速さでスマートフォンを開き、Spotifyを開き、ライ

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           風呂に入らずに寝たので、朝四時ごろに起きて歯を磨いて風呂に入った後にクッキーを3枚食べて二度寝する。一時間以上間の空いた睡眠はそれは果たして二度寝と言えるのかという議題でならいくらでも議論できそうだ(2分くらいで終わるだろう)。正午に起きて電動歯ブラシの新しい替えブラシで歯を磨く。またクッキーを3枚食べる。今日の昼食はこれでいいかもしれない。22歳の若造が体型に気を使うなんてそんなマセた話誰も読みたがらないに決まっているが、最近の5大トピックのうちの一枠には確実にランクイン

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           11月18日。雨。雨はロクなことがない。慢性的な雨は、借金の取り立て人が部屋の戸をドンドンドンドンドンドンと叩いているような思いがする(借金を取り立てられる経験をしたことはない)。ひょっとすると人類の薄毛の原因の半分は雨によるストレスなのかもしれない。それくらい雨は悪人だ。晴れ、曇り、雨、狐の嫁入りの4人が同じクラスにいたとして、その誰と仲良くなれるだろうか。晴れとはしばらくつるんでいるうちにお互いが生まれ育った環境による差がごまかしきれず、少しずつソリが合わなくなっていき

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           昼の12時に目覚める。昨日の夜1時までバイトがあったので長めに眠った。このところ睡眠の質が悪い気がする。酒好きとしては、毎日よく眠るというのは至難の業だ。もう少し量を減らさなくてはならない。タバコを吸い始めようか迷う。チャーチルは、赤ん坊が哺乳瓶を常にくわえているように、常に葉巻をくわえていた。ハンナ・アーレントは鋭くクールに冷めていながら、また一方で隠し味ほどに薄められた母性を思わせる目つきで、その生涯の多くの時間タバコを吸っていた。愛煙家を思い浮かべたときに僕のリストに

          メンターと、それにまつわる苦い話

           昨日知り合った友達がチェットベイカーカルテットのHappy Little Sunbeamという曲をすすめてきた。しかもオルタネイトテイク。なぜオルタネイトなのかというと、ピアノソロの入りがファーストテイクのそれよりかなり劣っているというのが面白いからであった。確かにファーストテイクはある程度旋律としてもコードトーンとしても説得力のあるものだといえる。オルタネイトテイクはどうだろう。ピアニストのラス・フリーマンはファーストテイクで既に演ってしまったソロをそのまま土足で踏むわけ

          メンターと、それにまつわる苦い話