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新しい価値のタネを見つけて育てる

新卒の頃に努めていた
クリエイターのマネジメントをする会社で
幅広い経験を積ませてもらいました。

人材担当としてやっていた業務は、
法人営業、コーディネーター的なポジション
(正確には資格がいるので「的な」)、営業企画、
リクルーティングイベントの企画運営、営業経理など
職種になおすと、何が専門か正直わからないくらいたくさん。

中でも、とても貴重な経験になった業務が
クリエイター育成の新規事業の立ち上げを
リーダーとして経験させていただいたこと
です。

ミスマッチな人は、即不採用

クリエイティブの仕事が欲しいと応募してくる人たちは、
もちろん即戦力の方もいますが、学校を卒業したてで実務経験がない人、
希望業界へ未経験で転職を希望する人、持っているスキルと行きたい業界が
ミスマッチな人など。すぐに企業に紹介できない人たちも多くいました。

私が入社した頃は、先輩の営業さんが可能な限り、
営業個人でポートフォリオ(転職時に必要な作品集)を磨いてあげて、仕事を紹介していました。

しかし、マンツーマンだとコストがかかりますし、
何より先輩の目に引っかかった人しか救えないことが、私はもどかしかったのです。

先輩たちは、アナログの絵描きさんを完全にスルーしていました。。。

曲がりなりにも美術大学の卒業者として、
デッサンやクロッキー※などの上手い下手はわかります。

画力があっても、デジタルスキルがないからと、
即戦力にならないアナログの絵描きさんを、
紹介先なしと決め付けてしまっていることが、
とてももったいないなと内心感じていました。

※クロッキーとは...対象を素早く描写すること。
クロッキーが上手い人は、動きを捉えることが上手いので、
3Dのモーションデザイナーなどの「動き」をつけるデザイナーになれる
素質があると、当時の私は感じていました。

そんな不採用な人が生まれる状況がもどかしくて、
生意気にもこんな提案を、当時の事業部長や、
理解してくれそうな(権力がある)おじさん先輩に提案していました。

私:
見込みがありそうな人を、
まとめて教育して紹介したらいいじゃないですか。

生意気な提案が一つの企画、そして事業部へ

ある日、おじさん先輩からある指令が。

おじさん先輩:
あの教育の企画、事業部の会議で話を通しておいたから。
言い出しっぺはお前っていうのも言っといたから、
ベストとベターとワーストの3パターンでPLを引いといて。

突然すぎてびっくりしました。
そして、PLって何ですか・・?
というど素人な質問を言えるわけもなく、
とりあえず「PL」をググるところからチャレンジし始めました。
(お恥ずかしながら、当時はPLというとPL学園しか知りませんでした笑)

その日から、人材営業として数字を追いつつ、
二足のわらじで教育事業の仕事を回すことに。

PLを引いて、機材を用意して、講師をアサインして、
受講生の募集、面接、教育フローを作って、日々の受講生のフォロー、
卒業生の就職先探しをしてと、とにかく毎日がてんてこまいでした。

立ち上げから一人目の就職先が決まるまで半年。
収益化できたときは、
おじさん先輩とハイタッチして喜んだことが記憶に新しいです。

0から1の事業の立ち上げを終え、
1から10にして、事業部化する段階で先輩へバトンタッチしました。
この教育企画は先輩のおかげで、今では立派な事業部として成長しているようです。

「磨き」「マッチングさせること」が付加価値に

目先の収益性が低いというだけで見放されていた人たちを磨いて、
人手不足の現場にマッチングさせる。

生意気にも提案していた当時は、
大きな事業のタネになるとは、私自身理解していませんでした。

世の中の企業は、いかに付加価値になるものを見つけ、
追求しして利益を出すかが経営の最も大きな課題です。

私が感覚的にやっていた「磨くこと」と「マッチングさせること」は、
まさに付加価値を見つけ、追求していくことだったと、
事業部長やおじさん先輩のおかげで気付くことができ、
貴重な実経験としても理解することができました。

人をつなぎ、新しい価値を生み出す

最近、私自身が注目していて、これからの活動に期待を寄せているワクセルも、自立したプロフェッショナルを「マッチングさせ」、「新しい価値を生み出す活動」をしています。

主宰の嶋村吉洋さんの言葉を借りると、
ワクセルとは「未来を切り拓く人たちが集まり、世の中をワクワクでいっぱいにし、これからの社会を創るためのソーシャルビジネスコミュニティ」と定義しておられます。

嶋村さんは、実業家で株式会社キーエンスの創業者である滝崎武光さんを尊敬しておられ、表舞台に立たれる機会は少ないですが、
ツイッターやnoteでご自身の考えや関心を日々発信し続けていらっしゃいます。


興味深いプロジェクトの一つがWorldshift Channelです。
そもそもWorldshiftとは・・

2009年9月、世界的な金融・経済危機と環境問題に対応するために、システム哲学者アーヴィン・ラズロ博士やゴルバチョフ元大統領など世界賢人会議「ブダペストクラブ」が、持続可能な社会への転換(WorldShift:ワールドシフト)の緊急提言を行ったことからはじまった、世界的なムーブメントです。

引用元
https://www.worldshift.jp/

Worldshift Channelは、ワクセルが提供するYouTube番組で、
​オンライン開催となったWorldShift Forum 2020のアーカイブを公開しています。

プロジェクトリーダーを努めておられる谷崎テトラさんは、
私の母校京都芸術大学の客員教授としても活動をされていて、
芸術の力を「持続可能な社会の実現」にどう生かせるか
教育現場でも、ビジネスの現場でも実践されています。

谷崎テトラさんのYouTubeチャンネル「テトラノオト」も、
Worldshiftを理解し、実践していくためにとても役に立つと思います。

世界の価値観や文化、文明について幅広く紹介されているので、
興味深いトピックばかりで、めちゃくちゃ勉強になります。


芸術とは新しい価値のタネを見つけ、世の中に提示すること


小さな疑問や違和感、違いから、
新しい価値のタネを見つけ、育てていく。

モノ、コト、ヒトなどあらゆるものから見つけることができますし、
ちょっとした視点の違いで気付けることもたくさんあると思います。

芸術はそのタネを作品という形で、
世の中に提示する活動そのものではないでしょうか。

私自身は、絵描きの両親からの影響、大学・大学院生活での芸術の研究活動を通して、新しい価値のタネを見つけるトレーニングを知らず知らずさせてもらってきたんだと感謝しています。

これからも、目の前の新しいタネをたくさん見つけて、
ワクワクする活動をしていきたいと思います!


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