実写版『チェブラーシカ』
映画を見るまで
2023年1月1日に、実写版の『チェブラーシカ』が公開されるのを知っていましたが、見に行く気はあまりしませんでした。
しかし、1月4日の朝、10歳の姪が「友達と映画を見に行く」というので、何を見るのか訊いてみました。
すると、「チェブラーシカを見る」というので、私は、慌てて顔を洗って、服を着替えて一緒に行くことにしました。
年末に、私がホームページを見た時は、近所の映画館で上映されないと思ったので、行く気がなくなりましたが、姪に訊いたら、近所の映画館でやっているのが分かり、しかも、11時40分、12時25分とかなり上映されているようです。
11時40分前に映画館に着きましたが、チケット売り場は行列ができていて、12時25分の部のチケットも1列目が少し残っているだけで、ほとんど売れていました。
そのため、1列目のチケットにしました。
上映まで時間があるので、ショッピングセンターの中を姪と姪の友達とうろうろしました。
姪たちはお店を見るけれども、値段が高いねえと見ているだけで買い物をしません。しっかりしているなあと感心しながら、少し離れた位置で見守りました。その後、スーパーへ行き、ポテトチップスとコーラを買いました。その時も、「値段が安いのは、どれ?」とか、値段表示がない場合は、お店の中にある値段を読み取る機械の所に行き、値段を確かめて、「この値段なら買えるね」と言って、買い物をしていました。本当なら、伯母の私が払うべきかもしれないけれども、姪が持っているお金は、昨日夫が渡したものなので、そのお金の範囲内で買い物をする勉強になると思い、私は、特に口出しも手出しもお金だしもしませんでした。
上映15分前になり、映画館に行こうとしたら、フードコートに行くので、何をするのかな?と思ったら、買ったものをコートの袖やポケットに隠し、コートを抱えて準備をしていました。
映画館へは、他の場所で買ったものの持ち込みは禁止されていることをこの時知りました。
入口に行くと、チェブラーシカのパネルがあるので、写真を撮りました。
会場は、こんな感じです。ざっと数えて、200人くらい入るホールです。
家に帰ってきてホームページを見たら、11時40分の部は、小さいホールだったようなので、12時25分の部になって良かったです。
スクリーンも大きかったです。
姪と友達は、お菓子を出し、ペットボトルのコーラを開けています。ところが、姪のコーラのキャップが硬くて、開かず、私も開けることができず、隣に座っていた人が男性だったので、開けてくださいとお願いして、開けてもらいました。この男性は、「持ち込んだでしょ」と苦笑いしながら開けてくれました。
日本と同じように予告がありますが、予告の前に、まず、非常口の確認の映像が流れました。非常口だけでなく、緊急時には、エスカレーターもエレベーターも使えなくなるから、階段で逃げるようにという説明まで流れました。
その後、スマホを切るようにと、撮影をしてはいけないというのが流れました。
予告は、15分から20分くらい続きました。
日本だと、予告があると思って、予告が始まってから、パラパラ入ってくる人もいますが、今日の場合は、みんな12時25分には着席していて、途中で入ってくる人はいませんでした。子供のイベントの場合は、定刻通りに始まることが多いです。
予告の間も、姪と姪の友達は何やら映像を見て、話しているので、逆に、1列目で良かったと思いました。もし2列目以降だったら、前の人に迷惑だったなあと思いました。
本編が始まってもおしゃべりが続くようなら、注意しないとならないなあと思いましたが、本編が始まったら、おしゃべりはなくなり、笑うところで笑って、泣くところで泣いてと普通の反応だったので、特に注意しないで見ることができました。
予告ですが、予告だけで泣ける映画もあり、また見に行きたいなあと思い始めています。
本編が始まったら、静かになった姪と姪の友達。
ここから後は、ネタバレがあります。
ネタバレ ネタバレが嫌な人は、ここをとばしてください
チェブラーシカの動きがかわいいし、顔の表情がいろいろ変わって、見ていて飽きません。会場も笑いが起こったりしていました。チェブラーシカの動きと音楽が絶妙で、シャインスキーさんの音楽ではないけれども、かなりいいなあと思いました。
植物を大切にとか、ごみはゴミ箱にというような道徳的な部分もあり、ソビエト時代の古き良き伝統を引き継いだ内容の映画でほっとしました。
全体的に、ストーリーが良くて、感受性豊かな姪は、途中で号泣していました。友達の方を向いて、声を出して「オンオン」泣いていました。姪の祖母が亡くなった時の葬儀での泣き方もすごかったけれども、今回も。
姪の友達も泣いていましたが、この子は、席を立って、会場全体はどうかなと見ていました。割と自由にリアクションをする子が多いです。
私もこの場面では、泣いていました。
プロスタクワーシナの本が途中出てきたら、「プロスタクワーシナ」とつぶやく子もいました。
割と自由に笑い、泣き、つぶやきと子供の素直なリアクションを見ることができます。
ナレーションはなく、大体のストーリーが分かるように計算されて映像が作られているので、ロシア語が分からなくても、なんとなく分かると思います。家族の心温まる物語で、家族で見るのがいいです。
この映画を見始めて、途中までは日本で公開できるといいな、サユーズムリトフィルムスタジオにお願いに行こうかなと思って見ていましたが、途中から、日本で公開しない方がいいと思いました。
詳細は、ここには書きませんが、もし公開するのなら、興行収入を増やすために、製作者が意図したものとは違う形で日本でパンフレットが作られて、違うように伝わっていくのではないかと思ったのが一つです。
過去に数回ロシア映画を日本で上映するときに、「え!違う。」と思ったことがあり、私の中で不信感になっています。
他にも理由がありますが、映画を見ていない人が読んでもピンとこないと思うので、書きません。
2020年4月に日本が勝手に作ってYouTubeにアップしたチェブラーシカのアニメ映像のストーリーはひどい物でしたが、今回の新作の実写版は、ストーリーがものすごくよく、さすがに、芸術を大切にする国で作られたものだと思いました。
サユーズムリトフィルムスタジオ、あっぱれです。
伝えたいメッセージが、しっかり伝わりました。
エンドロールを見ない
話に聞いたことがありましたが、ロシア人は、エンドロールを見ません。
映画が終わって、いの一番に立ち上がったのは、姪でした。(笑)
私は、エンドロールまで見たいので、出ていきたくないと思って座っていました。
姪の友達が「私は行くけど、外で待っていた方がいい」と訊いてきたので、「待っていなくていいよ」というと、「またね」と言って、出ていきました。
その後も、どんどん外へ行く人たち。
スクリーンの前は広いので、そこで、音楽に合わせて踊りだす子供もいます。
エンドロールの途中で、掃除をする人たちも入ってきて、掃除が始まりました。
やっとエンドロールを見終えて、立ちあがったら、掃除をする人以外誰もいませんでした。
最後までエンドロールを見たのは、私だけでした。
事件発生
10分くらいエンドロール(長かった)があったので、もう姪と姪の友達は家に向かって歩いているだろうなあと思いつつ、来た道を帰ろうと外に出て、夫に電話をしていたら、姪に呼び止められました。
会えてよかったと思ったのもつかの間。
なんと、姪の友達がスマホをどこかに落としたということで、スマホ探しが始まりました。
映画館に入るまでは持っていたから、座席の所に忘れたかもしれないと思い、姪と姪の友達は入り口に行きました。姪には、「そこで待っていて」と言われ、私が行ったところで、話がややこしくなるので、子供たちだけで行きました。係の人に事情を話し、すぐにホールへ行かせてもらえたのを確認できたので、戻ってくるまで待っていましたが、なかったようで、チケット売り場の人にも姪が訊いています。
「トイレに行ったときは?」と思いそれを訊くとトイレに行っていないと言います。
私がエンドロールを見ている間に、ショッピングセンターのお店をいくつも見ていたようで、立ち寄ったお店を1軒ずつ回りました。
そして、立ち寄ったお店に行ったら、店員さんがスマホを預かってくれていて、無事に戻ってきました。
私も慌てふためいたけれども、スマホの場合は、電話番号を訊いて、鳴らせばもう少し早く見つかったなあと思いました。
自分たちで何とか解決しようとする姿は頼もしかったです。
映画の感動の余韻に浸っている場合ではなくなり、最後はバタバタしましたが、また1つ思い出が増えました。
姪の友達と別れた後、姪と一緒に歩いていると、姪も映画をものすごく気に入ったようでした。
ロシアの映画事情
家に帰ってきてから、ネットを見て気づきましたが、1月1日からたくさんの人が見て、歴代の興行収入の記録を塗り替えている大ヒット作品のようです。
お正月に公開が開始されたのも良かったし、内容がいいので、たしかに大ヒットすると思います。
また、私たちが見た12時25分の部までは、300ルーブル(約600円)で見られ、その次の部から夜は、450ルーブル(約900円)というチケットでした。
同じ値段なら、午前中のうちに行くのがお得です。ショッピングセンターは親子連れが多く、ほとんどの人は映画を見に来て帰って行ったと思います。
中心部の映画館は、もっと値段が高いので、近所の映画館で上映してくれて本当によかったです。この値段なら、今までとそんなに変わらないので、気軽に見に行けます。
新年休暇が終わった翌日の9日からは、平日なので、終日250ルーブル(約500円)で見ることができます。
ホールもたくさんあり、30分くらいの間隔で上映しているので、近所の映画館は1日に17回の上映でした。別の映画館では、1日24回上映していたところもありました。これだけの豊富な数の上映だと、興行収入もさらに増えると思います。
モスクワだけでなく、地方都市でも上映しているようで、夫の故郷の町の子供たちもニュースのインタビューに答えていました。
そして、1月10日のニュースでは、史上最高の興行収入になったと報じられていました。
また見たいなあと思うほどの名作です。
【1月11日の日めくりカレンダー】
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