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読書感想文

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che bunbunや知り合いの読書感想文をまとめたマガジンです。
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#読書の秋2022

【おしらせ】「読書の秋2022」に入選しました。

こんばんは、チェ・ブンブンです。 10月に開催されていた「読書の秋2022」。13本の読書感想文…

CHE BUNBUN
1年前
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【読書の秋2022】『羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季』感想

世界遺産検定の勉強の合間に友人から勧められまして、今回紹介する本は『羊飼いの暮らし——イ…

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『世界遺産で考える5つの現在』感想

 世界遺産検定マイスターの受験が控えている。マイスター試験では1,200字で世界遺産にまつわ…

CHE BUNBUN
1年前
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『テヘランでロリータを読む』読書感想文

 本屋へ行くと思わぬ出会いがある。何気なく、本棚を眺めていた時、思わぬタイトルが眼前に飛…

CHE BUNBUN
1年前
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藤田直哉『新海誠論』感想

 先日、『すずめの戸締まり』が公開された。案の定、『君の名は。』『天気の子』に引き続き、…

CHE BUNBUN
1年前
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アニー・エルノー『嫉妬』感想

 2022年のノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノー。彼女の『事件』は12月公開の映画『あの…

CHE BUNBUN
1年前
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アニー・エルノー『事件』感想

 12/2(金)にヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞作『あのこと』が公開される。原作は、先日ノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノー。彼女は自分の身に起きたことをフィクションに落とし込んで自己分析するタイプの小説家らしい。せっかくなので、原作を読んでみた。 ■精神的ノイズが肉体的ノイズになる時 1963年、中絶が違法だった頃、望まぬ妊娠をしてしまった「わたし」のトラウマともいえる中絶経験について赤裸々に綴られる。回想としての綴りに幾つかの階層が設けられているのが特徴的だ。地

平野啓一郎『本心』感想

 人工知能OS「サマンサ」と過ごすうちに愛が芽生える『her 世界でひとつの彼女』公開から10年…

CHE BUNBUN
1年前
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年森瑛『N/A』感想

  冷めた日常の中にある痛み 我々は無意識のうちに他者を属性に押し込めてしまっている。押…

CHE BUNBUN
1年前
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『パプリカ』感想

 高度な技術は時として魔法に見える。ここ数ヶ月、Twitterを賑わせているAI描画ツールは、も…

CHE BUNBUN
1年前
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『ゼロからトースターを作ってみた結果』感想

 星新一のショートショートにこんな話があった。未来人だか、宇宙人だか高度な文明を持つ世界…

CHE BUNBUN
1年前
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『オン・ザ・ロード』感想※ネタバレ

 noteの企画「 #読書の秋2022 」の推薦図書に私のバイブルとも言える『オン・ザ・ロード』が…

CHE BUNBUN
1年前
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『Réflexion faite』感想

 初めて、フランス語の本を一冊読み切った。  きっかけは、VTuberを哲学の領域から研究して…

CHE BUNBUN
1年前
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『羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季』感想

 世界遺産「イギリス湖水地方」は、自然遺産に見えるが文化遺産である。18世紀以降、風景に絵画的価値を見出す運動「ピクチャレスク」の中で山や湖と庭園や公園の調和が作られたことが評価され、2017年に世界遺産登録となった。  しかし、それは外部からもたらされたもので、代々イギリス湖水地方に住んでいた者からすると「造られたイメージ」に過ぎないと語る者がいる。ユネスコ世界遺産・持続可能な観光プログラムアドバイザーであるジェイムズ・リーバンクスだ。彼は自伝である『羊飼いの暮らし イギ