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機能開発でユーザー理解に取り組んだ話(Podcast書き起こし)

はじめに

概要

📻 この記事は、Chatworkプロダクトデザイン部のPodcast「おChaの時間ですよ」の書き起こしです。
SpotifyYoutubeでも配信していますので、フォローやチャンネル登録などしていただけると嬉しいです!

▼【告知】2023年 10月24日(火)開催


本編

本日のトークとメンバー

にしな:みなさんこんにちは。「Chatworkプロダクトデザイン部 おChaの時間ですよ!」。今回のMCを担当します、プロダクトデザイン部UXリサーチャー の仁科です。
今日は、同じくプロダクトデザイン部の"みゆみゆ"こと家城美友さんと一緒に、「機能開発でのユーザー理解」について話してみたいと思っています。

みゆみゆ:みゆみゆこと家城美友です。よろしくお願いします〜

にしな: 今日も普段通りあだ名でトークを進めていこうと思います。
では本題の前に、このPodcastのテーマ「お茶の時間」に合わせて、今日のお茶とお茶菓子を教えてもらえますか?

みゆみゆ:週末にコストコに行ったので、そこで買ってきたホノルルクッキーとアイスコーヒーを用意しました。

にしな:いいですね〜。ハワイに行ったのかと思いきや、コストコですね(笑)
私は十万石まんじゅうと、ジャスミンティーを用意しました〜。
十万石まんじゅうは埼玉銘菓の薄皮のおまんじゅうです。美味しいですよ!

機能開発でユーザー理解に取り組んだ話

にしな:さて、今日お話ししていくのは、去年2022年の5月に入社したみゆみゆが、初めて入った機能開発のプロジェクト「管理者さん向けのユーザー招待機能」についてです。
こちらは先日すでにリリースされているんですよね!お疲れ様でしたー!

みゆみゆ: ありがとうございます〜!

にしな:機能の体験設計から最終的なUIデザインのFIX作業に至るまで、
一通りの流れを経験するために今回みゆみゆが一貫して担当していたかなと思うのですが、今日はその中でも特に「デザイナーとして取り組んだユーザー理解」にフォーカスを当ててお話ししていきたいと思います。
まず初めにこの機能はどんな機能か、簡単に教えてもらってもいいですか?

みゆみゆ:はい。
この機能は、組織におけるChatworkの管理者となる立場の方が、1つのリンクを共有するだけで自分の組織の方をどんどん招待していける、という機能です。

にしな:忙しい管理者さんの作業を楽にするような機能なんですね。

みゆみゆ:そうですね。「手間なく」というのも機能の重要なコンセプトになっています。

にしな:では次に、この機能のデザインをどんな流れで進めていったのか、ざっと教えてもらえますか?

みゆみゆ:流れとしてはChatworkプロダクトデザイン部オリジナルの「MONDRIAN」というUIデザインフローに沿って進めました。
このフローでやったことをざっくりと挙げると、施策のコンセプト作成、ユーザー体験の要件整理、画面遷移や機能の洗い出し、それからワイヤーフレーム作成してレビューを通じて方向性を決め、詳細のデザインを作成するといったプロセスです。

にしな:こうやって挙げてみると、一口にデザイナーって言っても色々やることありますねよね…!

みゆみゆ:そうですね。今回色々経験できたかなと思います。

にしな:そんなデザインプロセスの中でも、特に今日は「ユーザー理解の取り組み」を聞いてみたいと思うのですが、実際にどんなことをしたのか聞いてもいいでしょうか?

みゆみゆ:まず、冒頭のコンセプトとユーザー体験の要件整理をするタイミングで、カスタマーサクセス部のメンバーに実際の管理者さんが組織にメンバーを招待する際にどういった課題を感じているかのヒアリングを行いました。

にしな:カスタマーサクセス部とは、Chatworkのセールス部門の1つですよね。

みゆみゆ:はい、営業の部門になります。

にしな:そのカスタマーサクセス部にヒアリングをしてみよう、となった経緯はあるんでしょうか?

みゆみゆ:実は今回のプロジェクトは、デザイナーがアサインされる前にすでにプロダクトマネージャーと開発チームで議論が進んでいた部分がありました。
今回作ろうとしていた機能は既にお客様から挙がっていた課題を元に企画されていて、その課題感を元にプロダクトマネージャーと開発チームのメンバーですでに機能の要件のリストアップを始めていたのですが、ターゲットと解決する課題の輪郭が少し曖昧な部分がありました。
そこでデザイナーの私がアサインされたタイミングで、今わかっているお客様の課題感を元に、プロダクトマネージャー・エンジニア・デザイナーの三者で集まり、ターゲットや解決する課題に改めて優先度をつけていきました。
その中でお客様の理解の解像度が低い箇所が出てきたので、普段からお客様と接しているカスタマーサクセス部にヒアリングしてみよう、という話になった形でした。

にしな:そのヒアリングを通して、実際にどんな気づきがあったか覚えていますか?

みゆみゆ:実は今回開発する機能とは別に、すでに組織の管理者さんが新しいメンバーを追加する機能があったんです。ただ、その機能は管理者さんの作業が少し多かったので、それとは別に、「なるべく手間をかけずに新しいメンバーを招待できる機能を作る」というのが今回のプロジェクトでした。ですが、そもそも既存の機能だけではなぜダメなのか、その要望が出ている背景やユースケースを知る必要がありました。
カスタマーサクセス部にヒアリングさせてもらって良かったのが、組織の規模や事業所の数によって、実際の管理者さんの業務の特徴が見えてきたんですよね。よりお客様の働き方や課題感の解像度が上がったことによって、ターゲットの優先度づけやユーザー要件を定義するのにも役立ちました。

にしな:働き方や業務フローをイメージしながら体験を設計していくって大事ですよね。どんな業務シーンで役に立てそうかとか、逆にこの機能があると混乱させてしまわないか、という肌感はやはり普段からお客様に接しているメンバーの方が持っているので、とてもありがたい機会ですよね!

みゆみゆ:そうですね。ありがたかったです。

にしな:このヒアリングの後はどんな流れで進めていったんですか?

みゆみゆ:ヒアリング後には、改めてターゲットや解決する課題整理をして、この機能を使うことで「どんな人にどんな状態になって欲しいのか」というのが一言でわかるようなコンセプトをFIXさせていきました。
そして、そのコンセプトを実現するために必要な体験とインターフェースの満たすべき要件、MONDRIANでは「UX/UI要件」と呼んでいるのですが、それを固めていきました。
これができた後に、プロダクトマネージャー・開発チームと一緒に「ユーザーストーリーマッピング」を実施しました。

にしな:ユーザーストーリーマッピングは、ユーザーは〇〇がしたい、だから〇〇の機能が必要だ、みたいに落とし込んでいくやつですね。

みゆみゆ:はい。
実は開発チームが顧客視点で開発の優先度をつけるためにユーザーストーリーマッピングをやってみたいという思いがあったことから、当初から「やりたい!」という話が出ていました。
ユーザーストーリーマッピングをするにも、まず判断基準となるものが必要だと感じたので、ターゲットやコンセプト、UX/UI要件という形でまずそれを整理し、そこからチームでユーザーストーリーマッピングに着手した感じでした。コンセプトなどの判断基準があったことで、ストーリー出しや優先度づけがスムーズに進められたかなと思います。

にしな: 「誰のために」がないと優先度を判断するのも難しいですよね。立ち返るポイントって大事です。

みゆみゆ: そうですね、改めて実感できました。

にしな: プロダクトマネージャー、開発チームと一緒にユーザーストーリーマッピングを実施したことによって、こんな効果あったよー、みたいなことってありますか?

みゆみゆ:チーム全体でお客様の行動を時間軸で可視化をしながら整理をしたので、何を優先的に提供すべきかの共通認識をみんなで持つことができました。実はこのあと、開発チームのメンバーが入れ替わるということがあったのですが、新しいメンバーに入れ替わる前に取り組んだユーザーストーリーマップと、その根本にあるコンセプトやUX/UI要件を交えながら共有することで、新しいメンバーとも開発着手前にスムーズに足並みを揃えることができたので最初にチーム全体で実施して良かったなと思います。

にしな:同じ目標に向かう土台が整ったという感じですね!
このあと、画面フローやUIデザインに入っていったのかなと思うのですが、その後もユーザー視点での検証などはしたのでしょうか?

みゆみゆ:はい、画面のワイヤができたタイミングで、主要画面をカスタマーサクセス部のメンバーに見てもらいました。機能としてニーズがあることはもう分かっていたので、このタイミングでは主に画面の説明テキストやボタンラベルだったり、画面遷移などでわかりづらい箇所はないかを中心に検証したいとUXリサーチチームに依頼しました。

にしな: はい、UXリサーチチームで担当させていただきました(笑)

みゆみゆ:はい、お願いしました(笑)。
検証方法としては、社内のカスタマーサクセス部のメンバー4名に、お客様の目線とカスタマーサクセス部としての目線のそれぞれの観点で各画面の印象をヒアリングしました。

にしな: 実際に画面のワイヤを見てもらって、デザイナーとしてどんな気づきがありましたか?

みゆみゆ:管理者画面トップのファーストビューで、既存の招待機能と今回の新しい招待機能を2つ並べて違いを説明していたのですが、「説明文を読んでも違いがパッと入ってこず、どちらを利用するか悩んでしまいそう」ということが分かりました。
あとは、「難しそう」「ステップが多そう」と感じさせてしまいそうな部分がいくつかあったので、ターゲットに合わせて分かりやすく調整する余地があることがわかりました。

にしな: このフィードバックをUIにどう取り入れたかも教えてもらってもいいですか?

みゆみゆ:管理者画面トップでは、コンセプトでもあった「とにかくスムーズに招待したい」という体験に振り切って、今回追加する機能のみを残すことにしました。
更に説明文も、ターゲットユーザーがこの機能を使って何ができるのか、いち早く理解できるようなライティングにブラッシュアップしていきました。

にしな:フィードバックをもらって、みゆみゆとしてはどうでしたか?

みゆみゆ:見せ方に悩んでた部分があったんですけど、ご意見をもらうことで方向性を決めることができたので良かったです。ターゲットユーザーが迷いそうなポイントや気にするポイントを普段お客様とやり取りされてる観点からのご意見だったので、自分がイメージしづらかった解像度でフィードバックをもらえてとても助かりました。

にしな: その後はUIのFIX作業に入って、開発チームとのやりとりを進めていったという形ですね。

みゆみゆ:はい、開発チームやプロダクトデザイン部のレビューも通しつつFIXしていきました。

にしな: そうして開発に進んで晴れてリリースができたんですね!
今度はリリース後の話になるのですが、リリース後の効果検証はどんな感じで実施したんですか?

みゆみゆ:はい、機能をリリースしてから1ヶ月間の利用状況の数値検証と考察はプロダクトマネージャーがおこない、デザイン側ではリリース後にも、改めてユーザービリティテストを実施しました。
開発段階では社内ヒアリングしか実施できていなかったので、リリース後、実際のターゲット像に近い方に機能を使ってもらい、次の開発での改善提案に繋げるのが目的でした。

にしな: 数値検証やユーザビリティ検証で印象的だったものはありますか?

みゆみゆ:ターゲットとコンセプトを踏まえてファーストリリースでは削った要件があったのですが、実はそれが離脱の原因になっているかも、と仮説を立てられそうな数値が出てきていたので、数値を見るのも大事だなと思いました。
ユーザビリティ検証ではスムーズにタスクを完了できる方もいれば、全然想定していなかったところで止まってしまう方もいて、学びになることがありました。結果を元にプロダクトマネージャーと相談し、いくつか改善も進められたのが嬉しかったです。

にしな: 結果をもとに改善するところまでやりきっていくのが大事ですよね。
では最後に、今回デザインプロセスを一通り経験してみて、今後の意気込みなどあればどうぞ!

みゆみゆ:今回お話しした機能開発のプロジェクトを終えて、現在私はグロース施策を担当するチームに所属しているので、今後この機能を改善する機会があれば今回ユーザビリティテストで明らかになった課題のありそうなところを数値考察と掛け合わせて改善提案できたら良いなと思います。自分が初めて担当したプロジェクトで、便利な機能だからもっと多くの人に使っていただきたいという思いがありますね。

にしな: リリースして終わりではなくて、本当にお客様に使っていただけるか、価値を感じていただけるかっていう、ここからがスタートですもんね。
これからもプロダクトをよくする活動をもっともっとしていきたいですね。

みゆみゆ:はい。してきたいです!

エンディング

にしな: ということで、今回は「機能開発でのユーザー理解」をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
みゆみゆ、話してみた感想などありますか?

みゆみゆ:当時メインデザイナーとして初めてアサインされたプロジェクトでユーザー理解として取り組んだことに焦点を当ててお話しさせていただきましたが、チーム全体で「誰のために作ってるのか」の認識を合わせるのは、どんな規模の開発でも大切なことだと感じました。
チームが同じ方向を向いて開発を進めることができるし、また開発を進める中で議論が発生した際も、共通のターゲット層の認識を交えて話し合うことで納得感を持って結論を出すことができると思います。どのプロジェクトでも開発着手前に「誰のために作るのか」を明確にしていきたいと改めて思いました。

にしな: そういった活動はある程度の時間も必要がなるとは思いますが。その効果なども併せて説明していけるといいですね!
UXリサーチチームも上手に使いつつ、みんなで取り組んでいけるといいですね。

みゆみゆ:そうですね〜。

にしな:Chatworkではデザイナーをはじめ、様々な職種で一緒に働いてくださる仲間を募集しています。このエピソードを聞いて興味が湧いた方は、ぜひChatworkの採用サイトもチェックしてみてくださいね。
そして番組への感想や質問などありましたら、X(旧Twitter)で「#おChaの時間」をつけて投稿していただけると嬉しいです!
では、今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。最後までお付き合いいただきありがとうございました。また次のエピソードでお会いしましょう。
今回は、仁科と、家城でお届けいたしました。 ありがとうござました!


関連リンク

▼Chatworkのプロダクトデザイン部オリジナルのUIフロー

▼Podcast「おChaの時間ですよ」

▼Chatworkプロダクトデザイン部採用情報


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