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【おすすめ散策コース】穴守稲荷駅から羽田空港へ(前編:穴守稲荷駅から羽田空港の中に向かう)

ドボクな街歩きの聖地と言えば、東京では、渋谷や品川、日本橋のような場所を連想されるかもしれませんが、もう一つ外したくない(行くと絶対ワクワクする)場所があります。それは・・、

羽田空港

です。今回、羽田空港だけでなく、その入口付近から歩き、その歴史に触れながら、ちょっと設計的なことも知る、という歩くコースを考えてみたので、ご紹介したいと思います。

■今回のコース紹介

今回のルートは、こちらの地図に示す通りです。

京急線の穴守稲荷駅から、羽田空港第3ターミナルまで、
約4kmの道のりです。

おもな見どころが13箇所あります。こちらに列挙しますと・・、

 【見どころ】
 ①穴守稲荷駅と、「コンちゃん」の石像
 ②移転させられたパワースポット、穴守稲荷
 ③天空橋という名前の橋
 ④「羽田空港入口」にある、弁天橋
 ⑤羽田空港をかすめて通る、意外な鉄道路線
 ⑥残された昔の大鳥居
 ⑦沖合展開前の貴重な残骸
 ⑧飛行機ファンの聖地、B滑走路真下のフォトスポット
 ⑨空港脇にひっそり建つ、昭和の悲劇の慰霊碑
 ⑩新名所・多摩川スカイブリッジ
 ⑪多摩川河口と、羽田空港再拡張事業
 ⑫東京モノレールの高架橋
 ⑬羽田空港第3ターミナルで、空港舗装を語る!

ざっとこんな感じで、なかなか面白そうなルートになりそうです。では、それぞれご紹介したいと思います。

①穴守稲荷駅と、「コンちゃん」の石像

歩くコースのスタートは、京急の「穴守稲荷」駅です。
空港の手前の駅ですが、意外と沢山利用客がいらっしゃいます。
正直無理矢理長大編成を停めるホームを拡張したイメージです。
空港関係者を含め、多くの利用客がいます。
駅の改札前はこんな感じ。
「ウェルカム 愛する我が町 羽田へ」という貼り紙発見!

そして、この駅のシンボルと言えば、これです!!

駅前にさりげなく鎮座する、「コンちゃん」像。
おめかしさせてもらっているのが、素敵です(笑)。
寄贈者が、京急電鉄と、清水JV(恐らく穴守稲荷⇔天空橋の延伸工事の施工者)
など、ということで、実は土木色豊かな石像でした。
駅前にある、鳥居。穴守稲荷を地域ぐるみで
大切にしていこうという感じがします。
駅すぐそばにある、「穴守稲荷第1踏切」。
踏切を抜けると、急勾配で地下線となり、天空橋駅に向かいます。
平成になって、沖合展開事業で空港と結ばれた延伸線です。

②移転させられたパワースポット、穴守稲荷

少し歩くと到着する、穴守稲荷神社。
今ではとても立派な社殿を持つ神社ですが・・
社殿の脇に建つ、「遷宮記念碑」。
裏の碑文をちょっと拝見。

穴守稲荷神社は、実は戦前は、集落も含めて、今の羽田空港の敷地内にありましたが、昭和20年に米軍に接収され、米軍によって空港拡張のために強制退去させられ、この地に昭和32年に再建したのが、この社殿ということです。

社殿のすぐ脇に、「奥の宮」がありますが・・
その中に、「航空稲荷」があるなど、
今でもエアラインの皆様には御用達のようです。
社殿脇の奉納者芳名は、懐かしいものも含め、
エアラインと燃料供給会社など、空港関連企業の名前が。

③天空橋という名前の橋

さて、穴守稲荷の横の道路に、こんな盛り上がった場所が。
そこには駐車場が並んでいますが・・、

この駐車場が並ぶ場所は、かつては地上に京急電車が走り、「羽田空港駅」があったあたりです。実は戦前は、さらに地上線で海老取川を渡り、かつての穴守集落までつながっていたようですが、戦後は羽田空港どまりでした。羽田空港が平成に入って沖合展開事業で沖合にターミナルが移転するタイミングで、地下で天空橋駅(ターミナル開業前は羽田駅)までまず延伸され、その後羽田空港第一・第二ターミナルまで延伸されました。

「KHK」と書かれた境界杭がひっそりと残る地上は、
ちょっぴり廃線跡ムードが広がります。
恐らくこの辺りが、旧羽田空港駅跡地なのでしょう。
ちょっと広めのコインパーキングが広がります。

そして、その敷地の先に出てくるのは・・、

海老取川を渡る、一つの歩道橋です。

この歩道橋、鉄道の廃線橋梁!?と思うくらいに一見古めかしい鉄橋に見えますが、どうやら平成になってから新設された歩道橋のようです。

「てんくうはし」と名前が付いています。
橋名の由来は、どうやら地元の小学生に募集したようですね。

④「羽田空港入口」にある、弁天橋

こちらは、「羽田空港入口」の交差点に架かる、弁天橋です。
昔の地図で見た、「羽田空港入口」にある弁天橋。
橋を越えると、滑走路をくぐり、ターミナルビルがもうすぐ、という場所でした。

羽田空港って、昔から国際空港という場所と、すっごい下町が隣り合わせという、なかなか面白い場所に立地していたのですね。

⑤羽田空港をかすめて通る、意外な鉄道路線

そして、上の地図にもありますが、実はこんな場所を通っているのが、

東海道貨物支線という、貨物線が通っています。
多摩川の河底を沈埋トンネルで越えて、浜川崎の貨物駅に繋がっています。

東海道貨物支線は、浜川崎の貨物駅から、東京貨物ターミナル(大井埠頭近くの新幹線の車庫に近い位置の大型貨物駅)を結ぶ鉄道路線です。本来ならば、ここから京葉線に向けた海底トンネルが続き、東京湾岸を貨物線で結ぶ計画でした。
当時建設に当たった、日本鉄道建設公団(現在の鉄道・運輸機構)が、当時の記録映画をYouTubeにアップしてくれています。なかなか秀逸な作品ですので、よろしければどうぞ。

⑥残された昔の大鳥居

そして、こちらは有名な昔の穴守稲荷の大鳥居。

この大鳥居は、かつて空港敷地内にあった穴守稲荷の鳥居ですが、撤去しようとすると航空機事故等が相次いだことから、撤去されずに旧空港ターミナルの敷地に残されました。その後沖合展開事業が進み始めるのを機会に、この場所に移設されたものです。ある意味、空港の展開事業の「生き証人」ともいえる存在です。

空港の敷地内に入ってきましたが、ちょっと長くなってきましたので、ここから先は次回のお楽しみ。とても面白い場所がたっぷりのウォーキングになりそうです。

■終わりに

穴守稲荷駅近くにある、穴守稲荷神社は、空港敷地内から移動を余儀なくされ、移動してからこの地にあります。そんな歴史もありますが、今でも空港関係者などが多く参拝されるようです。下町・羽田にもそんな歴史のある場所を見つけることができます。そこにつながった、東海道貨物支線。これもベイエリアの開発という、空港とはちょっと違うミッションに関係しますが、この地を通る必要があったので、ちょっぴり異質なものがここを通るということになりました。色々と見回すと面白い場所だということに気づかされます。次回の空港敷地内もお楽しみに!

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