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□ドボクスキー 台湾を行く□⑤高雄の町を行く

台湾遠征の後半戦は、台湾の南側の土木遺産を巡る旅へ。前回は、台北から嘉義まで新幹線で南下し、烏山頭ダムや旧台南水道という、戦前の日本統治時代の土木偉人が作った古い土木遺産を巡りました。(前回の記事はこちら)

今回は、そして訪れた高雄の町の模様を中心にお伝えします。

■高雄の町で活動開始!

高雄の中心部を流れる、愛河に到着。
ホテルが高雄駅前だったので、夕方の高雄駅前から活動開始。
地下化され、地上部の再開発が進む高雄駅前です。
駅前広場を大胆に通行止めにしています。
日本で言ったら、大阪駅前の広場を全部工事で通行止めにした感じ。
こちらは地下化前の高雄駅の旧駅舎。再開発後もシンボル的に残すようです。
が、既に曳家されて元の位置とは違う位置に建っているようです。
(仮囲い越しに撮影)
台鉄高雄駅に降りてみましょう。何やら記者会見会場設営中。
こういうイベント、台湾の方はお好きなようで(笑)。
少しの区間、台鉄の電車に乗車します。
高雄市内は地下化され、その際駅もいくつか新設されました。
「区間」というのが、各駅停車。「区間快」は日本で言う、快速電車です。
「新自強」「自強」が、特急列車。
これは、「区間快」です。目的の駅に停まらないので、お見送り。
そして、お目当ての区間電車が来たので、乗車します。
着いたのは、2駅先の鼓山駅。
各駅停車しか停まらないので、本数は1時間に2~3本といったところ。
地下鉄感覚で利用するには、ちょっと本数が少ないでしょうか。
高雄市の電車には、「夜間安心候車区」なるものが。
いわゆる、「女性専用車」のようなゾーンがあります。
鼓山駅の改札口。利用客が少ないからか、
日本で言う、「簡易Suica改札」みたいなものしかない駅です。
鼓山駅は、かつて高雄駅方向と、高雄港駅方向に線路が分岐した場所。
今は高雄港駅方面へ向かう廃線敷を利用して、LRTが走ります。
LRTの線路は、芝生の上を走り、架線も無いので、
何だか廃線敷のままのように感じます。
そして、LRTに乗車して、西子湾駅へ。

■高雄港駅というすごい場所

LRTで到着した、西子湾駅は、かつて台鉄の「高雄港」駅があったところです。そしてこの「高雄港」駅こそが、昔の「打狗」駅だったのです。「打狗」とは、この地の読み方では、「タカウ」と読みます。「犬を討つ」という、日本人としては縁起が悪そうな意味のこの地名を、明治時代の日本統治下において、京都にある景勝地の日本語読みで似た読み方である、「高雄:タカオ」という地名に改称しました。それを今では中国語読みして、「カオシュン」というような読み方になった、というのが地名の由来のようです。

高雄港駅。廃線跡がそのまま公園として整備されています。
鉄分高い人にはたまらない公園です(笑)。
公園といいつつ、昔の車両なども色々と展示されています。
LRTが廃線跡を利用して走るので、ある意味すべてが廃止、とは言いにくい場所。
夕暮れの時間に訪れると、廃線っていう感じがして面白いです。
といいつつ、地元の方は普通に公園に犬の散歩しているのですが(笑)。
古い線路をLEDでライトアップする演出も。
古いものをうまく活用しようとする気持ちが、いいですね!
いやー、夕暮れの廃駅、とっても素敵なんですね、これが。
旧・打狗駅舎。昼間は博物館になっているようなので、
翌日訪れるぞ!と思いつつ今日は退散。

■フェリーに乗って、旗津半島へ

西子湾駅から少し歩くと、旗津半島に渡るフェリーにアクセスできます。高雄港を満喫できる10分の船旅が楽しめるルートです。

旧・打狗駅前の通りは、何だか昔の旧市街地の風格があります。
正面に台湾銀行が出現しました。
こんな素敵なレンガ造りの建物などを縫っていくと・・、
何とも素敵なフェリーターミナルが出現。
フェリーの待合所。対岸までは悠遊カードを使うと、
通常40元の半額、20元(日本円で約100円)で乗船できます。
こちらが対岸に渡るフェリー。もちろん歩いても渡れるのですが、
ここの主役は実は、バイクです。バイクの人たちは・・
こんなくらい沢山乗船していて、皆さんバイクと一緒に乗船されています。
そして、船が対岸に着くと、バイクレーススタート!!(笑)
と言う感じの光景が、日々繰り広げられるのです。
こちらは、旗津のフェリーターミナル。
ちょっとレトロな感じがして良いです。

■夜の高雄灯台へ

そこで、行ってみたくなったのが、夜の高雄灯台。高雄は、かつて台湾の南の軍事上も重要な拠点として、灯台が古くから整備されました。

夜でも、ライトに照らされ、楽しく歩ける灯台への道のり。
階段を登り、灯台に向かいます。明かりがあるので、怖くは無いのです。
今も現役の、交通部航港局 高雄燈塔。
日本統治時代に作られたものが現役。
初代の灯台は、さらに昔の清朝時代に作られたようです。
高台から眺める、高雄港の夜景も美しいです。
そして、灯台にちゃんとカフェが営業していたので、
ビールとケーキ(笑)という取り合わせで至福のひととき。

■高雄のグルメを楽しむ

夜の高雄、グルメが楽しいということで、少しは一般の観光客ぽいこともやってみましょう(笑)。

高雄名物といえば、かき氷だそう。旗津半島で食べました。
たくさんのフルーツと氷で、ボリューム満点!
再び戻ってきました。フェリー乗り込みを待つバイクの皆さんたちです(笑)。
西子湾駅近くのマーケットで、臭豆腐屋さんを発見。
美味しいと聞いていたのでチャレンジ。
少し臭いけど、スパイシーな揚げ豆腐と言う感じで、
なかなか悪くない味だったかな。。
帰りは、MRTのオレンジラインに乗り、中心部の美麗島駅へ。
南北のRed Lineと、東西のOrange Lineというわかりやすい路線図。
美麗島駅。この駅で有名なものと言えば・・、
「光之穹頂」と言われる、美しいステンドグラスのパブリックアート。
高雄の町の一つの名物になっています。

そして、美麗島駅から歩いて行ける夜の名所と言えば、

六合観光夜市です。毎日屋台がたくさん並びます。
屋台の炒飯を頂きました。エビ炒飯、90元(約450円)は
まあ安いのではないでしょうか。

■夜が明けて、もう少し高雄市内を巡る

翌日も、少し高雄市内を巡りました。実際は、翌日はさらに屛東地区などに出向いたのですが、その模様は次回にお伝えするとして、今回は高雄市内の様子をもう少しどうぞ(笑)。まずは、朝のお散歩から。

朝の高雄駅前。まだバイクも車も少ない時間帯です。
高雄駅付近を少し歩いてみます。問屋街みたいなところなのですかね??
そして、少し歩いて着いたのが、台鉄の隣の駅、「三塊暦」駅。
ここに、昔の三塊暦駅の駅舎跡が現役と聞いてやってきました。
今はお店として使われている旧駅舎です。

三塊暦駅は、かつては高雄港駅に向かう線路との分岐駅の役割も果たしていましたが、今の高雄駅ができると、駅間が近すぎるので廃止されてしまいます。それが最近の地下化により復活したのが、現在の駅です。

昔の駅は、何だかここだけ時間が止まっているかのような建物。
今の駅は、近代的な地下駅に向かう駅舎。昔の駅に似せてあるのでしょうね。
そして、利用客の割にとっても広い駅のコンコース。
どうやら「防空シェルター」の意味合いが強いようです。
三塊暦駅の駅名標。高雄駅までわずかな距離ですが電車で戻ります。

■再び、昼間の高雄へ。

当日の朝からは、屛東地区に行きました。その模様は後日お伝えします。今回はそこから戻った際、午後に少し高雄市内を再び訪れましたので、その模様をお伝えします。

寿山展望台から見た、高雄市内。
ここかつて、「高雄神社」があった名残の場所だとか。
戦前から残る常夜灯の役割をしていたものでしょうか。
こんな狛犬もありました。ただこれは中華民国時代に再建されたようなのですが。
昨晩訪れた「旧打狗駅」の鉄道資料館に訪問しました。
館内には貴重な展示の数々が。
高雄港には、かつてたくさんの鉄路が張り巡らされていました。
鉄道好きには好きにはたまらない、ミニ展示館。入場無料でした。
昨晩訪れた公園。やはり芝生に覆われた廃線跡。とても素敵な空間です。
かつての跨線橋も、実は上はカフェに生まれ変わっています。
そして、この信号取扱所跡も、公園の一部として公開されています。
かつては、ここでたくさんの分岐器を集中制御していました。
実は今も、いくつかのポイントが動くのです。
線路下に伸びている線が先ほどの転轍機につながり、ポイントが動く仕組みです。
手前のポイントは、今でも動きます。
いやー、とても素敵な空間でした。思わず記念写真(笑)。

■新左営駅から新幹線へ

最後に訪れたのは、新左営駅。新幹線のターミナル駅です。

近代的なターミナル駅。週末の夕方の賑わいを見せていました。
ここは、高鐵の改札口。新大阪駅っぽい感じでしょうかね?
こちらは、併設された、在来線(台鉄)の新左営駅。
このへんも何だか新大阪っぽさを感じました(笑)。
台湾ビールを頂きながら、台北に向かいます。
日本の新幹線とすごく似た車内、安心できます。

■終わりに

高雄の町を訪れた記録でした。鉄道好きの台湾訪問は、やはり知らないうちにだんだん鉄分が高めの訪問になり、とても面白い所を回ったな、という感じになりました。個人的には、夜の旗津半島と、高雄灯台に行けたことや、高雄の名所でグルメを楽しめたことも、良い収穫でした。

次回は高雄からもう少し離れた屛東エリアを訪れた模様をお伝えしますので、お楽しみに。

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