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【おすすめ散策コース】東京スカイツリーから浅草駅まで徒歩→東武博物館へ

いよいよ春本番、晴れの日は日中とても暖かく、ウォーキングするのが楽しい季節になってきました。今年は少し遅めの開花だった桜も、そろそろ散り始めてきた感じです。そんな中で、ちょっとした散策をしてみたいと思います。

■今回の散策コース

◎スタート:①都営地下鉄浅草線・東京メトロ半蔵門線 押上駅 → ②京成橋 → ③北十間川(隠れた地下構造物探し) →④生コンクリート発祥の地 →⑤東武橋 →⑥東武線高架橋 →⑦すみだリバーウォーク →⑧東武線浅草駅(急カーブの跨道橋と、立派な駅ビル) →⑨地下鉄銀座線出入口(日本初の地下鉄のお洒落な出入口) →⑩(東武線に乗車・・3駅)東向島駅へ →⑪東武博物館(見どころ満載の博物館で、土木な展示を堪能

歩くコースは、約2km弱です。押上駅から東武線沿いに歩き、
すみだリバーウォークを通り、浅草駅までのコースです。

①地下鉄押上駅というすごい場所

まず、散策の開始地点は、都営浅草線と京成線、東京メトロ半蔵門線と東武線が交わる、押上駅からです。

都営浅草線の押上駅。頻繁に電車が発着する駅です。
こちらは東京メトロ半蔵門線の押上駅。こちらも2面4線の駅です。
両方の地下鉄の改札口を出た先に、東京スカイツリータウンの入口が。
こんな場所がスタート地点。

地下鉄の押上駅は、1960年(昭和35年)に京成押上線の地上駅を地下化し、都営浅草線と直通運転を始めたのが最初です。半蔵門線の押上駅は2003年(平成15年)の開業。その後、2012年(平成24年)に東京スカイツリーが開業し、今の姿になりました。

京成の駅が地下化される工事の当時の貴重な映像がありますので、それをご紹介します。東京スカイツリーのある場所は、かつては東武線の貨物駅などが広がっていたのですが、地下鉄の押上駅は、貨物駅の一角に作るような感じで作られました。地下1階がホーム、地下2階に改札などがある、ちょっと風変わりな形で駅が作られました。

その後、半蔵門線の押上駅が、この都営浅草線の駅のさらに下側に建設される形になっています。

押上駅、出口の場所がなかなか複雑なのです。
A1~A3は、都営線の出口、B1~B3はメトロの出口ですが・・。

B3出口以外は、ちょっと不思議な場所に出口があり、初めて訪れた人泣かせだったりする駅です。出口ごとに全く不思議な場所に案内されるので、出口巡りをするのも楽しいかも・・です。恐らく、都営浅草線の駅の直上が、かつて東武線の貨物駅だった名残で、敷地から離れたところに出口を設けざるを得なかったから、こんな配置になったのでしょう。

A2出口は、北十間川と、スカイツリータウンの下を黙々と突っ切って駅に達するのです。
A3出口は、東武線の反対側に出ます。
間違えて出てしまったら、ちょっと大変な駅。

②京成橋

北十間川に、京成橋という橋があります。京成線の東京のターミナル駅として、1912年に開業しました。乗客は、京成橋を渡り、すぐ南にある都電の押上電停を目指し、そこから都心にアクセスしたそうです。

北十間川に架かる、京成橋。
今はライフストアが建つこの地は、かつての地上ターミナル駅の跡地。
京成橋を下から見たところ。

③北十間川沿いに地下構造物を探す

北十間川沿いを歩き、いくつかの地下構造物を探します。とはいっても、リアルな構造物が出てくるわけではありません。ちょっとマニアックな地下構造物探しの旅です(笑)。

【河川下埋設標 地下鉄構造物 これより31.7m
上限AP-8.0m、下限AP-21.3m 施工年度 平成14年度
帝都高速度交通営団工務部半蔵門線工事区】

ということで、半蔵門線の開削トンネルが、北十間川に埋まっているという標示がされています。河川の占用物件なので、きちんと標示がされているのですよね。

【地下鉄第一號線構築物河底通過標識
幅員約2.8m 構造物天端AP-2.9m 昭和40年】

こちらは、都営浅草線のA2出口の地下道が横断している部分のようです。

川の上にも、こんな標示がされています。
そして、こちらは・・、
【都営地下鉄構築物河底通過標識 
幅員約28m、天端AP-2.6m 昭和35年完成】
見上げると、スカイツリー!!
スカイツリーと、右のビルの間の谷間を、
都営浅草線は通っているのです。

そして、都営浅草線に関しては、こんなものも。

駐車場のすぐ隣の、コンクリートの箱状のものが・・、
浅草線の地下トンネルにつながる、通気口だそうです。

④生コンクリート発祥の地

東京スカイツリーは、東武線の貨物駅跡地に建ちますが、隣接する敷地には、生コン工場が建っていました。実はこの生コン工場が、「日本で最初に操業を始めた」ものだそうです。

昭和24年にこの地で操業を開始した、生コン工場。
我が国の高度成長を支えた、貴重な工場でした。

東武線沿線にある、栃木県の葛生に、磐城セメント(今の住友大阪セメント)のセメント工場があり、材料を運搬しやすいので、この地に地の利があったようです。

⑤東武橋

こちらは、東武橋。とうきょうスカイツリー駅(旧:業平橋駅)の
近くにあります。東武鉄道本社前、という場所でした。
東武鉄道の本社があった場所は、
今はスカイツリータウンになっています。

⑥東武線の高架橋

東武線の高架橋を歩きます。
道路とかなりの鋭角で交差するので、
ちょっと珍しい形の架道橋です。
北十間川沿いのリバーウォーク。
お洒落な高架下空間が広がります。
枕橋は、かなり立派な震災復興橋梁です。
橋の上が、スカイツリーの絶景ポイントだったりします。
東武線は、かつてここに「隅田公園駅」がありました。
線路の反対側は、隅田公園が広がります。関東大震災の復興公園です。
花見客でにぎわっていました。

⑦すみだリバーウォーク

そして、すみだリバーウォークへ。
1931年に東武線が浅草駅まで開通した際にできた、隅田川橋梁。
田中豊氏が設計に関与している、中路式トラス橋です。
特急リバティーが通過。橋の上に分岐器があるため、
たわみの少ない中路式を採用したのでしょうか?
ここも、隅田川とスカイツリーと橋梁が美しい、フォトスポットです。

⑧東武線浅草駅へ

浅草駅には、隅田川橋梁を越えたらほぼ90度回る急カーブでアプローチ。
なかなか芸術的な曲線橋梁です。
橋の上にもホームが。ターミナル拡張の歴史があります。
ターミナル駅の建築の最高傑作ともいえる、松屋浅草。
2階は列車が発着していることを目立たせる装飾がされています。
裏側は表と全然違うのが興味深いです(笑)。
百貨店の1階フロア。階高が小さく、丸まった梁が印象的。
戦前のターミナルビルの風格漂います。

⑨東京メトロ銀座線の出入口

浅草に来たら、もう1箇所寄り道しましょう。

こちらnこちらの、東京地下鉄銀座線の出入口。
最初の地下鉄開業当時からある、貴重な出入口です。
「地下鉄出入口」と書かれたシンボルマーク。
大正時代の作品ですが、恰好良すぎます!!
土木学会選奨土木遺産に認定されています。
今でも現役の土木施設です。

⑩東武線で、東向島へ向かう

東武線で、少し移動してみましょう。
何だかわくわくする風格漂うターミナル駅。
手狭なスペースですが、やはり風格漂うターミナルです。
ビルの装飾の内側はこんな感じ。
改札よりもさらに奥まで線路が伸びています。
特急専用ホームには、スペーシアXが停車中!
さて、北千住行きに乗りますが・・、
前より2両は、急カーブのため、ドアを締め切っています。
ホームの隙間、結構開いています。
急カーブに駅を作ったので、こんな難しい場所なのです。
先頭車両から見た、急カーブの駅。
隣のホームに発着する電車は、もっと奥にホームがあります。
各駅停車、3駅乗車で、東向島駅に到着。
東武博物館の、最寄り駅です。
ホーム下に窓がありますが、博物館の中から、
電車を観察できる場所です。結構これがいいんです!!

⑪東武博物館へ

東向島駅の高架下にある、東武博物館。
東武線は明治時代の開通で、開通当初はSLがけん引する客車・貨車が活躍していました。
電化当初の電車も保存されています。

こんな感じで、車両の展示なども充実している博物館ですが、詳細の説明は、過去の投稿にお任せするとして、土木な展示を中心に回りたいと思います。


こちら、分岐器の実物が置かれている展示。
分岐器の構造を知ることも興味深いのですが、
融雪器(カンテラ)の展示が充実しています。
今は、東武ではこの自動給油型の側面タイプを使っているとか。
マニアックな解説です。
こちら、さっきのホーム下から電車を眺められる施設。
列車通過時のマクラギのたわみもよく見えます。
こちら、鉄道の立体交差化工事の途中段階を示す、模型です。
当時の生コン車なども再現されています。
少し古い、スカイツリー付近の写真も充実しています。
日光をかつて走っていた路面電車。屋外に展示されています。

■終わりに

押上駅から浅草駅まで歩き、電車に乗って東武博物館を訪れる今回の散策。歩くのがとても楽しく、面白い博物館にも入れますので、是非お勧めです。

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