登下校

ずっとこのまま寝てるのではと言う眠りから
小学生の明るい声を聴いて目を覚ます、
それが毎朝の目覚ましだ。
小学校と高校の代休を合わせてもらわないと困る。
朝起きれないから。たまにしかないのだけれど。
手短に身支度を済ませて家を出ると
さっきまでいい天気と思っていた屋外は
思ったより寒くて身震い。
そう思いながらも、風や空は心地いいと思う。
温度だけ一定にしてくれればと何度思ったことか。

みんなよりほんの少し早く家を出るので、通学路は人が少ない
電車通学で間に合う時間の2本前の電車に乗るようなものだろうか、
電車通学をしたことがないのでこの例えは不適切なのかもしれない。
基本的に週5日のこの感じも悪いものじゃない、
むしろ良いものだと思う。

学校に近づくと、朝練をする人たちの声がうるさいくらいに聞こえてくる。みんなで目標に向かって頑張る、素晴らしいことだと思うが、
やはり僕には向いていないように感じる。
校舎に入ると吹奏楽部の練習する音が聞こえて来る。
個人かパートごとに分かれているのか
不定期にいろんな音が聞こえる。
まとまりのないそんな音もいいなと思ったりする。
教室に着くと掛け声や楽器音をBGMに僕は本を開く。
開いてはいるが、内容は全く入ってこない
読んだ方がいいだろと思い、小難しい本を選んだが
その程度の動機じゃ読書は続かないらしい。
自分の腕を枕にし、目を瞑っていると
名前を呼ばれ顔を上げる。
おはようと返すと授業開始のチャイムが鳴り響く。
登校の時間が終わり、授業が始まる。


長い授業が終わり、下校の時間が始まる。
ほとんどの生徒は部活動に参加しているので
帰りも1人である。
帰るのが僕1人と言うわけではない。
同じく部活動に所属していない人たち、部活動を引退した上級生、
外部で何らかの活動をしている人など
下校の時間は僕だけのために用意されてはいない。

登校時と同じ道を通るが、行きと帰りでは全く風景が違う。
もう2年近く往復しているで新鮮さはないが
違うことに変わりはない。
しかし、不思議な違和感はこの2年無くならないでいる。
帰りの方が早く着く気がするのは気のせいだろうか。
何度も気にはなるが、時間を測ったことは一度もない。
と、くだらないことを考えていると家が見えて来る。
家に着き、制服から部屋着に着替えることで本日の学校の時間は終わりとなる。

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