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✤ナガミヒナゲシの色想い 〜 Printemps flamant clair プランタン フラマン クレール✤

♢♢テーマイメージ♢♢
花冷えも過ぎて暖かさに慣れた頃、
ヒョロリと背伸びした淡いオレンジ色が
ゆらり、ゆらりと春風にそよいでいる。

アスファルトの道端にポツリと現れる
おどけるフラミンゴみたいな姿は、
細いけれども意外とよく目に留まる。

しゃなり、しゃなりと優雅そうに
その身を揺らす、ナガミヒナゲシ。
いつの間にか身近にいるキミを見ると、
あぁ春が来たんだな、なんて思うんだ。

それはある晴れた日の散歩道。
淑やかなフラミンゴみたいなキミに、
コーラルピンクの春を想う。

✤ナガミヒナゲシの色想い✤
Printemps flamant clair
プランタン フラマン クレール
(minneリンク画像)

記事を書いている時に、Instagramのメニューが変わったらしくリンクを取れないことに気が付き、いつもとちょっと違う書き方へ変更してみました。

さて、今回は春の一時に姿を見せる「ナガミヒナゲシ」をイメージに入れた作品です。

私の中では、淡いオレンジ色のような、明るいフラミンゴ色のような、コーラルピンクの印象が強く残っている春の花です。
花により色が少し違うので、ミカンのようなオレンジ色を見ると思い出す方もいるかもしれませんね。

ナガミヒナゲシ ─Long-headed poppy─

たおやかな風情の花を咲かせるナガミヒナゲシは、実は強靭な部類の植物です。シロツメクサと同じく、外来植物でありながら日本中に広がっている野花です。

ナガミヒナゲシを見てポピーだと思われる人もいるでしょう。そもそもヒナゲシとケシとポピーは全て近い種を指しています。
ご存知の通り、ケシ(芥子)は違法薬物にあたる麻薬の原料となります。ですがケシのグループの植物であっても、麻薬を作れない無害な品種もあります。それらを園芸品種としたものがポピーです。

またそれらポピーの中で5月頃に見頃を迎える品種に、ヒナゲシ(雛芥子、雛罌粟、または別名で虞美人草(グビジンソウ))があります。
英名ではシャーレーポピー “Shirley poppy” 、フランス名ではコクリコ “Coquelicot” と呼ばれます。花の大きさがケシより小さいことを表して和名では「雛」を付けたそうです。

つまり、ケシのグループ≫ポピー≫ヒナゲシやナガミヒナゲシ、という括りになりますね。

ナガミヒナゲシは漢字では「長実雛芥子」と書く通り、実が長いのが特徴ですので英名では “Long-headed poppy” となります。ご覧の通り、ポピーの名前がついています。

ナガミヒナゲシはケシに属するので、いわゆる “芥子粒” と言われる程に小さな種を、1000粒や2000粒といった単位で大量に作り出します。この種子の多さは間違いなく、その強健な繁殖力の理由の一端を担っているでしょう。

種子は大量の“芥子粒”(イメージ図)

ナガミヒナゲシの花は見かけたら摘んでしまうことを勧められていますが、葉や茎から出る液には毒素があるので、肌に触れないようにお気をつけてください。

温もりのある暖色系のナガミヒナゲシの花言葉は、ギリシア神話の豊穣神デメテルのポピーに関する神話から、「なぐさめ」「癒し」「平静」という意味だとされています。

春になって、膝丈くらいの位置にオレンジ色の花を見かけたらナガミヒナゲシの可能性があります。その時には是非、実際の花を観察してみてください。

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