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❦ 森の木陰のイヤーカフ

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そよ風が鳴らす子守唄のような、樹々のざわめきが聴こえる中での一休み。

少し遠くへ視線を向けると森の影を映した湖が、まるで広い浅瀬のエメラルドグリーンの海のように、さざ波をキラキラと輝かせています。

風の妖精シルフィードが彼女の愛の詩を歌いながら、遊ぶように、踊るように駆けていく様子が目に浮かぶようです。

❦ 森の木陰のイヤーカフ
(minneリンク画像)

「妖精の恋」というのは、古今東西で注目を集めるテーマでしょう。
一口に妖精と言っても、作品によりその描写は実に様々です。妖精自体も、地水火風の四大精霊に始まり、多くの妖精が想像されています。

例えばバレエ「ラ・シルフィード」では、とても情熱的な風の妖精の悲恋が描かれています。

遥か昔、まだ開拓が進んでいなかった頃の時代では、森や山や海といった自然に溢れた場所は、身近でありながらもとても恐ろしい場所と感じられていたのだと思います。
そういった自然の恐ろしさや美しさ、時に不条理とも思えるいたずらな事象の印象も、妖精のイメージに含まれていることでしょう。

風の妖精といえば、「明日は明日の風が吹く」という言葉のごとく、留まることのない自由なイメージが強い妖精だと思います。
そのような “自由” を象徴する妖精が、恋心に “囚われた” ──。自然の摂理に矛盾する在り方を望んだために、哀しい結末を迎えざるをえなかった。
もしかしたらそのような解釈もあるかもしれない、と今作品を作りつつ考えました。

現代では、自然豊かな場所も観光地として気軽に訪れることができます。日々の生活から離れて、癒やしを求めにそのような場所を訪れる人もいるのではないでしょうか。
また身近な場所にも、意外と知らない所が沢山あるものです。
遠い観光地でも身近な近所での発見でも、いずれにしても、まだ見知らぬ世界の美しさや新しさに触れる時、喜びを感じる人は多いでしょう。

ヘンゼルとグレーテルは、森の中で魔女の宝石を手に入れることができました。身近な場所でも、恐ろしい場所にも、素晴らしいものは実は沢山あるのでしょう。
たまにはいつもと少し視点をずらしてみると、思いがけない喜びに出会えるかもしれませんね。

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