❖雨の花 ─Pluvieux , Pluvieux─ プリュヴュ・プリュヴュ❖
♢♢テーマイメージ♢♢
それは雨の、雨の色。雨の温度。
いつもより少しだけ暗い朝と明るい夜。
肌寒く生ぬるい、水気を含む空気が、
私に雨の兆しを教えてくれる。
それは雨の、雨の詩。雨の記憶。
降り始めた雨が土の香りを漂わせる。
途切れなく続く優しい音色の雨だれが、
子守唄のように心地良く鼓膜を揺らす。
それは雨の、雨の花。雨の憩い。
集まり咲き誇る白や紫の花々に、葉の緑。
水がしたたる紫陽花は生き生きと美しく、
雨空でも目を楽しませてくれる、雨の花。
それは雨の、雨の──。
プリュヴュ・プリュヴュ❖（minneリンク画像）
6月を代表する紫陽花の花をイメージさせる作品です。
ある日、目を覚ますと微かに雨音が聴こえてきました。その時ふと、「雨の、雨の」というフレーズが思い浮かんだところから、この作品ができました。
「雨」というキーワードは、とても多くのことを連想させるように思います。
テーマイメージに書いたように、その空気の温度や香り、空の色。
雨音そのものや、ショパンのピアノ曲「雨だれ」のように、雨にまつわる音の数々。
そして、梅雨時期に咲く美しい紫陽花。
紫陽花といえば、特徴的な4片の並ぶ様子を思い浮かべますね。花弁のように見える4片は、実際にはガクが変化したもので「装飾花」と呼ぶそうです。
日本原産のガクアジサイが西洋に渡り、品種改良されて逆輸入されたものが、手毬花のように丸々と装飾花を密集させる西洋アジサイなんだそうです。
この他にも連想されるものは沢山あると思います。
人も多面性を持ちますが、雨もまた、実に様々な表情を持っていると感じます。恵みの雨はその反面で、日本では災害の元になることもありますから、恐ろしいイメージを思いつく方もいるでしょう。
皆様は「雨」からどんな物事を思い浮かべるでしょうか？